平城宮跡に大型建物遺構 天皇別邸の可能性

奈良文化財研究所は6月30日、奈良市の平城宮跡・東院地区で、8世紀半ば~後半の大型建物跡を確認したと発表した。大きさは同地区で最大級の東西約27m、南北約12m。内裏正殿(東西約27m、南北約15m)に匹敵する規模で、天皇の別邸だった可能性が高いとしている。また、時期的には孝謙天皇の即位後、母の光明皇太后が藤原仲麻呂を長官に据えて設置した政治・軍事組織「紫微中台(しびちゅうだい)」とも考えられる。
約1~1.8m四方の柱穴50基が約3m間隔で格子状に並ぶ遺構を確認。同地区の中軸線上にあり、宮殿の中心的建物と考えられる。出土している土器などから推定年代は749~770年で孝謙、淳仁、称徳(孝謙の再即位)の各天皇の時代にあたる。