文豪、谷崎の佐藤春夫宛て書簡2通見つかる

文豪、谷崎の佐藤春夫宛て書簡2通見つかる

文豪、谷崎潤一郎(1886~1965年)が、当時、大阪・船場の商家の人妻で後に妻となる松子に抱いていた恋愛感情など、女性を巡る複雑な人間関係などを綴って友人の作家、佐藤春夫(1892~1964年)に宛てた手紙2通が谷崎の遺族宅で見つかった。
日付は谷崎の代表作の一つ「春琴抄」の執筆開始前後の1933年2月13日と翌月29日。手紙には、谷崎と松子の恋愛感情が、結果的に松子夫婦の崩壊につながったことなど、複雑な人間関係と現状に対する心情を冷静に綴っている。
谷崎と妻千代、佐藤の3人は恋愛事件の末に和解し、千代が谷崎と離婚して佐藤と再婚した後も親しい交友が続いた。手紙は2通とも、谷崎の孫で佐藤とも血縁関係がある竹田長男さん(69)が自宅で保管していた。