A級戦犯7人の絶筆公開「全く相済まぬ」東条の遺書も

A級戦犯7人の絶筆公開「全く相済まぬ」東条の遺書も

終戦直後、巣鴨拘置所の教誨(きょうかい)師として日本人で唯一、東条英機らA級戦犯7人の最後を見届けた仏教学者、花山信勝(しんしょう)氏(故人)の生家の宗林寺(金沢市)で、A級戦犯の絶筆や遺書など二十数点が一般公開されている。戦後、同寺で厳重に保管され、戦後70年を機に「平和の大切さを再認識するきっかけにしてほしい」と初めて公開に踏み切った。
A級戦犯の絶筆は、開戦時の首相の東条、元奉天特務機関長、土肥原賢二、元中支那方面軍司令官、松井岩根(いわね)、元陸軍軍務局長、武藤章、元陸相、板垣征四郎、元首相、広田弘毅(こうき)、元陸軍次官、木村兵太郎-の7人が1948年12月23日未明の絞首刑直前、両手に手錠をかけられた状態で1枚の紙に名前を連署した。
東条の遺書は同年11月17日、花山氏に宛てて書かれ、5日前に軍事法廷で下された死刑判決への受け止めや国家、国民への思いがわら紙原稿用紙に鉛筆でびっしり綴られている。「一応の責任を果たしホット一安心」とする一方、「同胞のことを思う時、私の死刑によっても責任は果たされない。全く相済まぬことと思っている」と心情を吐露している。