米国のトランプ大統領は4月29日、2期目の就任から100日を迎えた。”米国第一主義”を掲げた、独善的で国益最優先の様々な政策は、世界のアナリストや専門家も首を傾げるものが多く、世界を不確実性の渦に巻き込み、国内外を不安と混乱に陥れている。
100日前は自信満々に登場したトランプ氏だったが、この自身のパフォーマンスが最優先の政策の数々、例えば過去に例を見ない高関税は世界を振り回し、経済秩序の大混乱を招き、世界同時不況のリスクに巻き込んでいる。
この結果、当初はその全容が十分分からず様子見していた米国内の支持者らも、さすがに”無謀”で、”やりすぎ”の声も挙がり、直近ではその頼みの支持率は下がり続け、最も低いものでは史上最低の28%台まで落ち込み、トランプ氏も慌て出した。
その一つが米国内向けの所得税の大幅減税策だ。トランプ氏は27日、自身のSNSで「関税が導入されれば、多くの人々の所得税は大幅に減税され、場合によっては完全に廃止されるだろう」とも投稿している。関税の収入を活用し、所得税を引き下げる考えを示唆したものだ。人気挽回策だ。
ただ、税制に関しては連邦議会に権限があり、”得意の”大統領令だけでは断行できない。減税を巡っては共和党内にも財政赤字拡大の観点から懸念の声が根強く、実施は見通せない。何事にも”攻撃””攻撃””攻撃”で、強引に反対者をやり込めてきたトランプ氏も、ここまで追い詰められると、方針転換あるいは路線変更せざるを得ないのではないか。