門外不出の『葉隠』が佐賀尊皇派から久留米藩に伝播か

門外不出の書『葉隠』が佐賀尊皇派から久留米藩に伝播か

佐賀藩の門外不出の秘本と思われていた『葉隠』が幕末、久留米藩に伝わっていたことが分かった。葉隠研究会理事の大園隆二郎さん(63)の研究で明らかになったもの。
大園さんは久留米藩士、真木和泉守(いずみのかみ)の読んだ本を記録した目録に『葉隠』の記載があったことから関連文献を調査。その結果、正確な伝播ルートは不明だが、佐賀藩の枝吉神陽ら尊皇派を通じた伝播の可能性が浮かび上がった。
『葉隠』は武士の生き方を説いた佐賀藩士、山本常朝の口述を同藩士・田代陣基(つらもと)がまとめた書。本来の武士道とかけ離れていたことから藩内では当初、禁書扱いになった。ただ、藩士の読書会でテキストとして用いられるなど徐々に重要視される書になっていた。