商業主義, 政治介入顕著 W杯が残した”負の遺産”

サッカーのワールドカップ(W杯)北中米大会は、スペインの2度目の優勝で幕を閉じた。大会は米国、カナダ、メキシコ3カ国のはずだったが、開催国の代表としてコメントを出すのはトランプ米大統領のみ。建国250周年の記念の思いも加わってトランプ氏は、「W杯史上、最高の大会だった」と自画自賛の声を声高に発信した。だが、一般にはそれと同じくらいの規模で、大会運営を巡り、世界で批判や疑念の声が挙がっていると言明しておきたい。
その最たるものが商業主義と政治介入だ。こんな露骨な政治介入はかつてなかった。トランプ氏がFIFAの会長に電話を入れ、イエローカードの累積で次の試合に出られなくなった自国(米国)選手の処分再考を求めた件を指摘しておかなければいけないだろう。
そして、あろうことか、FIFAはその処分の1年間猶予を受け入れてしまったのだ。これではスポーツそのものが成り立たなくなる。小難しいことをいうつもりは全くない。そこには決して犯してはならない薄汚い、ルール無視の政治家の姿があるだけだ。
W杯で世界の最高峰のプレーを見るために集まったサッカーファン、サポーターの前で演じられた醜い政治介入の現実。これを見せつけられ、抱いた失望感はそう簡単に払拭できないものだ。長く、決して消せない”汚点”として語り継がれることだろう。
もう一点、行き過ぎた商業主義例として、スペインーアルゼンチンの決勝戦でのハーフタイムショーだ。米フットボールリーグ(NFL)の優勝決定戦「スーパーボール」で恒例となっているハーフタイムショーが初めて実施された。
これには米国のマドンナ、韓国の7人組グループBTS、カナダ出身のジャスティン・ビーバー、コロンビア出身のシャキーラらが登場。出演者たちには何の落ち度もないのだが、前半を終わって本来の15分のハーフタイムのはずが、ショーが入って、結局は約27分間の中断となった。これでは出場国・選手らの気持ちは二の次だ。主催者側の思惑が最優先されてしまったのだ。

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