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「山・鉾・屋台行事」ユネスコの無形文化遺産へ

「山・鉾・屋台行事」ユネスコの無形文化遺産へ

文化庁は10月31日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に推薦していた「山・鉾(ほこ)・屋台行事」(18府県の計33件)について、事前審査をしていた評価機関が「登録」を勧告したと発表した。同庁によると、評価機関の登録勧告が覆った例はなく、11月末~12月初めにかけてエチオピアで開かれる政府間委員会で正式に登録が決まる見通しとなった。
「山・鉾・屋台行事」では、2009年に「京都祇園祭の山鉾行事」(京都市)と「日立風流物(ふりゅうもの)」(茨城県日立市)の2件がすでに登録されている。ただ、無形文化遺産の登録数が増えるにつれ、同分野の文化財の単独登録が難しくなっているため、政府は登録済みのものの範囲を広げる形で、今回東北から九州まで16県の31件を追加した。
これにより、「高山祭の屋台行事」(岐阜県高山市)、「博多祇園山笠行事」(福岡市)、「長浜曳山祭りの曳山行事」(滋賀県長浜市)、「秩父祭の屋台行事と神楽」(埼玉県秩父市)などが登録される見込み。

ミャンマー最高指導者スー・チー氏来日 首脳会談

ミャンマー最高指導者スー・チー氏来日 首脳会談

今年3月の民主政権発足後、事実上の最高指導者となったミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が11月1日、初めて来日した。
2日に安倍晋三首相、3日に岸田文雄外相とそれぞれ会談する。
ミャンマーは現在、景気後退局面にあり、国民は早期に政府の景気浮揚策に期待している。こうした中、ミャンマー政府はこの半年で7人の閣僚を日本に派遣。日本に投資を呼びかけ、経済支援を要請している。
「経済成長なくして民主主義は根付かない」と語るスーチー氏の、国の”舵取り”がいよいよ本格的に動き出す。

国宝「彦根屏風」は12代彦根藩主・井伊直亮が購入

国宝「彦根屏風」は12代彦根藩主・井伊直亮が購入

滋賀県彦根市の彦根城博物館はこのほど、彦根藩井伊家に伝わり、江戸時代初期の風俗を描いた傑作として知られる国宝「彦根屏風」を購入したのは、12代藩主の井伊直亮(なおあき、1794~1850年)だったと発表した。
直亮が自ら記した収集品の目録から判明した。現在の金額で1億円(1,000両)もの売価を値切って入手したことも分かった。11月28日まで同博物館で公開される。会期中は無休。有料。
これまで、この「彦根屏風」は13代直弼(なおすけ)が購入したという井伊家伝来の説と直亮以降の江戸後期とする説の2つがあり、はっきりしていなかった。

南シナ海 平和的解決で一致 日比首脳 213億円のODA

南シナ海 平和的解決で一致 日比首脳 213億円のODA

安倍晋三首相は10月26日、フィリピンのドゥテルテ大統領と官邸で会談し、中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題に関し、「法の支配」の重要性や、国際法に基づき紛争を平和的に解決することで一致した。アジア太平洋の平和と安定の観点から米国との同盟の重要性も確認した。
首相は大型巡視船2隻の供与や農業開発支援を対象に、政府開発援助(ODA)として計213億円の円借款も伝えた。

特許庁 アジアに知財”日本標準”タイから人材教育受託

特許庁 アジアに知財”日本標準”タイから人材教育受託

特許庁がタイの知的財産当局から人材教育を請け負うことが分かった。10月24日から現地で指導を始める。タイ当局が10月に採用した約20人に対し、日本から派遣したベテラン審査官が約2週間講義する。
出願された発明案件が本当に新しいものかどうかなどについて、先行事例を調査・判断する技術を伝授する。また、新人を育成する先輩職員への研修も手掛け、国際的に通用する審査技術の指導者を育成する方針だ。
タイでは特許審査官が約30人と日本の60分の1程度しかおらず、1件の審査に十数年かかるケースもあるという。タイだけでなく、知財保護の体制が不十分なアジア各国では特許の審査に時間がかかるうえ、審査の質も低いことが多く、対応に苦慮する日本企業の現地活動を円滑にするのが狙いだ。特許審査でアジアのデファクトスタンダード(事実上の国際標準)を目指す。

真田信繁自筆の書状見つかる 九度山幽閉時の心境綴る

真田信繁自筆の書状見つかる 九度山幽閉時の心境綴る

徳川家康の天下取り総仕上げの戦いとなった、江戸時代初期の大坂の陣(1614~15年)で壮烈な死を遂げたとされる戦国武将、真田信繁(幸村)の自筆書状の原本が発見されたことが分かった。
書状は関ケ原の戦いの後、信繁が父・昌幸とともに幽閉された和歌山・九度山から兄・信之に仕える義兄の小山田茂誠(しげまさ)に宛てた長文のもの。内容は長い九度山での配流生活で便りをくれる人が減り、自らが老いたことを嘆くなどの心境を綴っている。
NHK大河ドラマ『真田丸』の時代考証を担当している丸島和洋氏(国文学研究資料館特定研究員・慶應義塾大学非常勤講師)の著書『真田信繁の書状を読む』に掲載された写しを見た三重県の個人収集家が、古書店で発見、購入したものを鑑定した結果、自筆原本であることが確認されたもの。
これまで「写し」(原本でなく、筆写したもの)が知られていたが、原本は長らく所在不明になっていた。

秋の都大路で華麗な歴史絵巻 京都・時代祭

秋の都大路で華麗な歴史絵巻 京都・時代祭

平安時代から明治維新までの歴史上の人物に扮し、装束をまとった行列が秋の都大路を練り歩いて華麗な歴史絵巻を繰り広げる「時代祭」が10月22日、京都市内で行われた。沿道を埋めた6万2,000人の旅行・観光客らはひととき、華麗な歴史の一幕を見るように、変遷する時代・世界に魅入っていた。
午前9時ごろ、桓武天皇と孝明天皇を祀った鳳輦(ほうれん)2基を中心にした神幸列が平安神宮から京都御苑へ向け出発した。正午過ぎ、笛の音ともに先頭の「維新勤王隊列」が御苑を出発。江戸、安土桃山と時代を遡りながら登場した約2,000人、全長約2㌔の行列は神宮へ向かった。

北斎の肉筆画と判明”作者不明”の西洋水彩画風作品6点

北斎の肉筆画と判明”作者不明”の西洋水彩画風作品6点

オランダのライデン国立民族学博物館の調査によると、同博物館所蔵で長く作者不明とされてきた絵6点が、江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎(1760~1849年)の肉筆画であることが分かった。
西欧の水彩画の技法を真似た、北斎としては異色の作品。親交があった、ドイツ人医師シーボルトらから影響を受けた作品群とみられる。6点は江戸の街並みを描いた風景画。タイトルはないが、「日本橋」「両国橋」「品川」などを題材に川や人々、橋を描いている。
空を大胆により入れた構図などに西洋画の特色が表れている。長崎の商館で働いていたシーボルトは1826年、江戸に上った際、北斎らと面会したことが分かっている。

赤レンガ造りが印象的な明治の「旧奈良監獄」国の重文に

赤レンガ造りが印象的な明治の「旧奈良監獄」国の重文に

明治41年に建てられた全国の「五大監獄」一つで、赤レンガ造りの建物が残る奈良市の「旧奈良監獄」、現在の奈良少年刑務所が歴史的な価値が高いとして、国の需要文化財に指定されることになった。
刑務所としては、全国で現存する最も古い建物で、敷地を取り囲む塀や建物は、ロマネスクを基調とした重厚な赤レンガの壁で統一されている。また、受刑者が生活する5つの収容棟は看守所や事務所を中心に放射状に配置され、人の出入りを確認しやすい機能性と建物としての美しさを両立させている。当時の監獄の特徴が残る貴重な建物として評価された。
奈良少年刑務所は施設の老朽化などのため、今年度で閉鎖が決まっていて、10月20日時点でおよそ260人いる受刑者は、すべて他の刑務所に移る予定。今後、施設の運営権を民間の事業者に売却し、ホテルや博物館などへの再利用を目指している。

トリドールHD ミャンマーに学校を寄付

トリドールHD ミャンマーに学校を寄付

トリドールホールディングス(神戸市)はこのほど、主力業態・丸亀製麺の利益の一部約1,300万円をミャンマーの寺院に、学校建設費用として寄付し、10月16日に完成した学校校舎を引き渡しした。
同社は丸亀製麺の主力商品、釜揚げうどんを1杯販売するたびに1円を寄付金とし、世界食料デーにまとめて寄付する取り組みを2013年から始め、現在も継続している。今年はミャンマーの学校を建設する費用として提供した。
同学校の建設過程では、同社従業員有志が現地に赴き、その手伝いをするとともに、完成した学校に就学予定の現地児童と交流を図る取り組みも行った。