日本のODAでメコン川に「つばさ橋」3カ国つなぐ
カンボジアのメコン川に架かる新たな橋が4月6日開通し、タイの首都バンコク~カンボジアの首都プノンペン~ベトナムホーチミンまで一本の道路で結ばれた。これに伴う一段の物流の活性化が期待される。この橋は日本のODA(政府開発援助)の無償資金協力によって、カンボジアの南部を流れるメコン川で建設されたもので、全長は2200㍍余りとカンボジアでは最大規模となる。6日開かれた記念式典にはカンボジアのフン・セン首相や日本の西村国交通副大臣らが出席した。
茨城県 ベトナムからの農業実習生の受け入れ本格化
茨城県が2014年3月、ベトナムとの間で締結した覚書に基づく、ベトナム人農業技能実習生の受け入れが本格的に始まった。JA茨城県中央会が設立した受け入れ先の「協同組合エコ・リード」は、今後3年間で約300人を希望農家に配属する計画。ベトナムに農業技術を伝え、人手不足に悩む県内農家の労働力確保にもつなげたい考えだ。第1弾として、20~30歳の男女19人が2月に来日。同国の国営企業「SONA」からエコリードを介して3月14日に結城、つくば、坂東3市の野菜農家9軒に配属され、3年間にわたり実習を行う。
茨城県は14年3月、農業分野に大きな関心を持つ同国のチュオン・タン・サン国家主席が同県を訪れた際、県による技術者の育成支援や、技能実習生の受け入れ推進などが盛り込まれた覚書を締結。これを受けJA茨城県中央会は同5月、同国と農業実習生の受け入れに関する協定書を交わした。
茨城県労働局によると、14年10月時点で県内で「技能実習」の在留資格を持つ外国人労働者は7222人おり、このうち農業分野での受け入れが半分ほどを占めるとみられている。国籍別では中国人が6割と圧倒的に多いが、変わる人材として近年期待されているのが、まじめで親日的と言われるベトナム人だ。YOMIURI ONLINEが報じた。
文豪・谷崎が愛娘に宛てた28年間の225通の書簡見つかる
文豪、谷崎潤一郎(1886~1965年)が、最初の妻千代との間に生まれた一人娘、鮎子(1916~94年)に送り続けた未発表の書簡225通が見つかった。背徳かつ官能的な作風ゆえに「悪魔主義」とも評された谷崎の、愛情あふれる父親像がうかがわれる資料だ。また、作家で詩人の佐藤春夫(1892~1964年)に宛て、人妻との恋を打ち明けた手紙1通も発見された。いずれも神奈川県近代文学館(横浜市)が4月4日から公開される。
鮎子宛ては1930年8月~58年12月の長期にわたる。谷崎と離婚した千代が佐藤春夫と結婚し「細君譲渡事件」と世間を騒がせた頃に始まり、宛名は<佐藤春夫様方 谷崎鮎子殿>となっている。文面は<パーマネントは小生が趣味として不賛成なのではなく、あれをすると気が赤くなり減る恐れ>(38年8月)と22歳の鮎子の髪を気遣っている。初孫誕生後の44年11月は<もう立つちや あんよが出来る時分と楽しみに致し居り候>と幼児語を使っている。
佐藤宛の発信日は33年3月23日で、代表作の一つ「春琴抄」の執筆時期にあたる。谷崎は千代の後、別の女性と結婚していたが、<小生一人(略)変名にて神戸の方へ宿を取り居候(コノ事絶対秘密)>と不和を告白。後に結婚して添い遂げることになる人妻の松子への熱情や、現在抱える離婚交渉の難しさも書き、佐藤への信頼がうかがえる。
同館で5月24日まで「没後50年 谷崎潤一郎展」を開催中。