高山右近没後400年 2000人が参加し神戸でミサ
江戸時代に幕府の禁教令で国外追放され、1615年フィリピン・マニラで死亡した、敬虔なキリシタン大名として名を残した高山右近の没後400年を記念し、日本カトリック司教協議会が2月3日神戸市でミサを開いた。同協議会は大名の地位を捨て、信仰に命を捧げた殉教者として右近をカトリックで「聖人」に次ぐ「福音」に設定するよう、ローマ法王庁(バチカン)に申請している。ミサには2000人が参加した。
日商大型使節団 ジョコ大統領・関係閣僚と会談
インドネシアを訪れている日本商工会議所の代表は2月2日午前、中央ジャカルタの大統領宮殿(イスタナ)に、ジョコ・ウィドド大統領を表敬訪問した。同大統領が海外の経済団体と会談するのは初めて。インドネシア側は経済関係閣僚が顔をそろえ、年末のASEAN経済共同体発足を控え日商側に対し、輸出拡大に向け日本の製造業のさらなる投資に期待感を示した。
大統領との会談にはラフマット・ゴーベル商業相、サレ・フシン工業相、ソフヤン・ジャリル経済調整相、インドネシア商工会議所(カディン)幹部らが出席。大統領が日系企業の抱える課題を共有したいとの希望から、当初の30分の予定を大幅に超え、約1時間にわたる会談となった。日商使節団はまた同日、カディンやインドネシア経営者協会(アピンド)などインドネシア経済界とインフラ整備と労働・人材育成について対話を行った。地元メディアが報じた。
「琳派」誕生400年祝う 1年かけ展覧会など開催
美術や工芸など幅広い分野に影響を与えた「琳派(りんぱ)」の誕生400年を祝う記念祭の開幕記念フォーラムが1月31日、京都市下京区の京都劇場で開かれた。記念祭は琳派の祖とされる本阿弥光悦が徳川家康から、洛北の鷹峯(たかがみね)に土地を与えられた1615年を誕生年と定め、これから約1年かけて展覧会や講演会などを開催する。フォーラムは絵師・俵屋宗達の「風神雷神屏風図」をイメージした尺八、和太鼓、箏(こと)の演奏で幕開け。山下裕二・明治学院大教授らが影響を受けた現代の美術作品やデザインを解説し、金剛流若宗家の金剛龍謹(たつのり)さんが能「山姥(やまんば)」を上演した。
明治の岩倉使節団30年後の”同窓会”の集合写真など見つかる
明治維新直後に政府が米欧に派遣した岩倉具視を団長とする使節団(1871~73年)の”同窓会”の集合写真や随行員任命書など、希少性の高い多数の写真や文書が東京都内で見つかり、長崎歴史文化博物館(長崎市)に引き取られた。資料は元佐賀藩士で、明治政府で文部官僚を務めた中島永元(ながもと、1844~1922年)に関する約1100点。中島は佐賀藩が長崎に設けた藩校・致遠館(ちえんかん)の元教師で、岩倉使節団にも加わり欧米を視察。貴族院議員も務めた。
資料は約600点の写真史料と約500点の文書史料からなる。集合写真は幕末から明治にかけて活躍した写真家、上野彦馬が撮影したもの。1902年(明治35年)に開かれた「岩倉大使同行記念会」の写真は縦40㌢、横56㌢。写真に収まっている26人の中には、津田塾大の創立者、津田梅子も写っている。
台湾沖の海底で「アジア第4の原人」化石見つかる
国立科学博物館などの国際チームは1月27日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に、台湾沖の海底で新たな原人の化石が見つかったと発表した。北京原人などアジアの他の原人とは異なる特徴を持つ「第4の原人」と考えられ、古代の人類が各地で多様に進化していたことを示す発見として注目される。同チームによると、発見されたのは下あごの骨の右半分の化石。時期は不明だが、台湾本島と澎湖(ほうこ)諸島の間の海域で底引き網に引っかかり、地元収集家が保管していた。この海域では台湾が大陸と陸続きだったころに生息していたゾウの化石が大量に見つかっている。
今回見つかったあごの骨の幅は、75万~40万年前の北京原人の化石の平均よりも4㍉以上厚く、親知らずの一つ手前の第2大臼歯も一回り大きかった。80万年前のジャワ原人よりも大きい。進化に伴って歯やあごは小さくなるため、ジャワ原人、北京原人の子孫ではないと結論付けた。アジアではこれまで、ジャワ原人(120万~5万年前)、北京原人(75万~40万年前)、そして2003年にインドネシアで見つかった小型のフロレス原人(100万~数万年前)の三つの原人グループが知られている。
奈良県・纏向遺跡で占い用「骨」初めて出土
奈良県桜井市教育委員会は1月29日、同市の纏向(まきむく)遺跡(国史跡)で、3世紀後半~4世紀初め(古墳時代前期)に占いに使ったとみられる動物の骨「卜骨(ぼっこつ)」が見つかったと発表した。邪馬台国の有力候補地とされる纏向遺跡で卜骨が出土したのは初めて。当時の祭祀(さいし)のあり方を考えるうえで意義深い発見という。卜骨はイノシシの成獣の右肩甲骨で、長さ16.7㌢、幅6.7㌢。人工的に掘られた穴の底部から見つかった。直径1㌢ほど丸く削った部分が3カ所あり、それぞれ点状に焦げた跡があった。先端が細い熱した道具を押し付けてできたとみられる。
中国の歴史資料「魏志倭人伝」に、3世紀の日本では人々が骨を焼き、割れ方を見て吉凶を占ったとの記述がある。卜骨は紀元前の弥生時代前期から全国で確認され、古墳時代に減少。7世紀以降の律令時代には国が祭祀の部署を設け、亀の甲羅を焼く占いをした。
インドネシア政府 日本協力のインフラ整備事業見直し
インドネシア政府は、日本が構想づくりから協力してきたインドネシア整備事業で目玉となるはずだった高速鉄道や新国際港建設を2019年度までの中期開発計画に盛り込まない方針であることが分かった。アンドリアノフ国家開発企画相が1月28日明らかにした。高速鉄道は日本の新幹線をモデルに、首都ジャカルタを起点にジャワ島を横断させる構想で、日本の国際協力機構(JICA)が、一部区間について事前調査中。新国際港はジャカルタ郊外のチラマヤが建設候補地で、総工費3500億円で、日本政府が「フラッグシップ(旗艦)事業」と最重視して今年にも建設が始まるといわれていた。
同相は「新幹線はわが国には時期尚早。新港は(土地収用などで)稲作や石油パイプラインなど既存の産業に影響が出かねない。ほかにも見直しがある。近く最終決定して日本に伝えたい」としている。日本側がほかに推進しているジャカルタ都市高速鉄道(MRT)や複数の発電所の建設など、20件近い事業は採用される予定だという。朝日新聞が報じた。