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850万年以上前に生息した世界最古のマイルカの化石

850万年以上前に生息した世界最古のマイルカの化石

 早稲田大や秋田大などの研究チームは7月2日、北海道新十津川町で発見されたイルカの頭骨の化石を再調査した結果、少なくとも850万年前の世界最古のマイルカ科の化石であることが分かったと発表した。これまではイタリアで発見された530万年前の化石が最古とされていた。

 この化石は1961年以前に発見され、77年のマイルカ科スジイルカ属として記録されたが、骨の形などから疑問が持たれていた。同チームは文献調査で化石があった地層の年代が850万~1300万年前であることを確認。クリーニング作業をやり直して骨の形を調べ、他のイルカの骨の特徴と比較したところ、マイルカの中でも既存の分類に当てはまらず、最も古いことが分かった。

    チームはこのイルカの学名を「(新十津川町周辺を示す)樺戸地域から産出した暁のイルカ」という意味の「エオデルフィス・カバテンシス」と名付けた。現代ではバンドウイルカやシャチなどがマイルカ科に含まれる。          

北海道むかわ町で新種のアンモナイトの化石

北海道むかわ町で新種のアンモナイトの化石

 北海道むかわ町の穂別地域で、白亜紀末約7200万年前の地層から化石で発見されたアンモナイトが新種と分かり、7月1日付の学会誌に発表された。穂別は北海道の中でも多くの化石が見つかることで知られ、新種のアンモナイトが確認されたのは今回で25種目。化石は直径約6㌢、厚さ約2㌢。

 アンモナイトは約6600万年前、恐竜とともに絶滅しており、今回の種はその直前に存在していたことになる。当時の海洋環境を解明する手掛かりにもなりそうだ。発表したのは国立科学博物館(東京)の重田康成研究主幹と町立穂別博物館の西村智弘学芸員。

震災被災者が農地求めベトナムで育てる“日本米”

震災被災者が農地求めベトナムで育てる“日本米”

 津波で被災した宮城県岩沼市の農家、村上和之さん(42)が今夏からベトナムで日本米の栽培を始める。震災前から海外へのコメ輸出を考えていたが、東京電力福島第一原発事故の影響で、いまだに日本からの輸入を禁じたり、制約を設けている国も多い。

    そこで、村上さんは人件費の安いベトナムで、日本式農法により栽培した安全・安心でおいしいコメを中国や東南アジア諸国へ直接輸出することを決めた。ベトナム・ホーチミン市近郊に農地を確保し、「海外で日本の農産物を広め、日本の若者が農業に関心を持つきっかけをつくりたい」と意気込む。

    村上さんは岩沼市で代々続く農家。コメや野菜を育ててきたが、震災で自宅が全壊し、耕作する30㌶の農地がすべて海水に浸かり、農機具や在庫も跡形もなく流された。しかも宮城県産農産物は中国やタイ、シンガポールなど35の国・地域でいまも規制措置が取られているという。

    現地の日系企業を通じてホーチミン近郊の農地3㌶を借り、ベトナム農家を雇うことが決まった。起業の支援を行う独立行政法人の補助を受け、人件費や資材費など初期費用を確保。7月上旬に現地入りする。育てるのは「ひとめぼれ」などで、5年後にはベトナムを中心に、農地を100㌶にまで拡大する計画だ。読売新聞が報じた。

 

日本の無償資金協力で行う発電所の補修工事開始

日本の無償資金協力で行う発電所の補修工事開始

 日本政府が無償資金協力で行うミャンマー東部カヤ―州のバルーチャン第2水力発電所の補修工事が6月28日、始まった。同発電所の設備を更新・補修するもので、2013年3月22日に66億6900万円を限度とする無償資金協力の贈与契約が調印されている。国際協力機構(JICA)によると、ヤンゴンで28日、着工式典が執り行われた。NNAが報じた。

日本政府がサイバー攻撃対策でASEANと共同指針

日本政府がサイバー攻撃対策でASEANと共同指針

 日本政府はサイバー攻撃から重要なインフラを守るための指針を東南アジア諸国連合(ASEAN)と共同でまとめる。域内の10カ国には日本企業も多く進出し、現地の電力やガス、通信回線などに被害が出れば、企業の生産活動に大きな影響があるため共同で対策に乗り出すことにした。

 10月に東京で開催予定の日・ASEANの情報セキュリティー局長級協議で指針をまとめる。まず大枠を決め、各国政府は自国の環境に合わせた個別の指針をつくる。指針の大枠には、日本が5月にまとめた「重要インフラの情報セキュリティー対策に係る第3次行動計画」の内容を反映させる。重要な社会基盤の定義や政府や民間インフラ事業者が取るべき行動、連絡体制の構築などが柱となる見通しだ。

日本政府が発展途上国への民生支援を拡大

日本政府が発展途上国への民生支援を拡大

 日本政府は発展途上国への民生支援を拡大する。バングラデシュで国際貢献に向けた人材を育成する拠点作りを後押しするほか、カンボジアは選挙制度改革に日本の知見を活用する。自衛隊による国連平和維持活動(PKO)とは別に、民生分野での国際協力を強化し、途上国が国連活動などに貢献できる環境をつくることを目指す。

 

前祭(7/17)・後祭(7/24) 今年から変わる祇園祭

前祭(7/17)・後祭(7/24) 今年から変わる祇園祭

 日本三大祭の一つで、京都の夏を彩る祇園祭が今年大きく様変わりする。ハイライトの「山鉾巡行」が49年ぶりに前(さき)祭(7/17)、後(あと)祭(7/24)に分離。これに伴い、宵山も2回ある。前祭は23基、後祭は10基のそれぞれ山鉾が巡行する。また、後祭では150年ぶりに「大船(おおふな)鉾」が復興する。

 幕末まで後祭の巡行の最後を飾っていたのが、古代神話に登場する神功皇后などをご神体として祀る大船鉾。室町時代に造られたとされるが、蛤御門の変(1864年)で大部分が焼けた。ところが2009年9月、大船鉾を含む「京都祇園祭の山鉾行事」がユネスコの無形文化遺産に登録され、復興の機運が高まった。

 大船鉾再興には1億円を超える資金が必要だったが、町衆の祭りだけに大企業にはあえて協力を求めず、地元の実業家や全国の有志から約1000件の寄付を集め、他の山鉾町などの支援も加わり、今回復興が実現した。          

大阪・藤井寺市の林遺跡で釣鐘の鋳造跡

大阪・藤井寺市の林遺跡で釣鐘の鋳造跡

 大阪府藤井寺市教育委員会は6月27日、同市の林遺跡で大小2基の釣鐘の鋳造跡が見つかったと発表した。出土した土器や瓦の年代から7世紀末から8世紀前半(飛鳥~奈良時代)に使われていたとみられる。

  大きい釣鐘の遺構は長辺3.5㍍、短辺3㍍の穴が掘られ、底には平瓦が並べられていた。同市教委によると、近くに7世紀後半に創建された拝志廃寺があったことから、同寺で使う鐘がつくられていた可能性があるという。

大仏次郎の生原稿発見 当時の編集者宅で

大仏次郎の生原稿発見 当時の編集者宅で

 小説『鞍馬天狗』などの作品で知られる作家の大仏次郎(1897~1973年)が59年に執筆したノンフィクション「パナマ事件」の生原稿や手紙が当時の編集者、秋山範義さん(故人)宅で見つかり、6月25日までに大仏の養女、野尻政子さん(85)=神奈川県鎌倉市=に返却された。

 野尻さんは24日、それらを大仏次郎記念館(横浜市)に寄贈。同館で近く公開される見通し。返却されたのは、週刊誌「朝日ジャーナル」創刊時に掲載され、後に単行本化された『パナマ事件』全27回分の生原稿。このほか、風間完さん(1919~2003年)の挿絵、ノンフィクション『パリ燃ゆ』の粗筋が書かれた生原稿、その取材のために赴いたパリからの手紙なども見つかり、寄贈された

富岡製糸場 世界遺産登録が正式決定 産業遺産で初

富岡製糸場 世界遺産登録が正式決定 産業遺産で初

 カタール・ドーハで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第38回世界遺産委員会は6月21日、「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)の世界文化遺産への登録を正式決定した。委員会は遺産群について「国際的な技術交流を示す貴重な存在だ」と高く評価した。日本の世界遺産登録は18件目で、近代の「産業遺産」としては初めて。

 富岡製糸場と絹産業遺産群は富岡製糸場(群馬県富岡市)、近代養蚕農家の原型「田島弥兵旧宅」(伊勢崎市)、養蚕教育機関「高山社跡」(藤岡市)、蚕の卵の貯蔵施設「荒船風穴」(下仁田町)の計4資産で構成する。

    1872年に官営で操業開始。1893年に三井家、1902年に原合名会社、1939年に片倉工業へと経営は移り変わったが、施設はほぼ原型のまま引き継がれた。そして、1987年に操業停止した片倉工業は2005年に富岡市に寄贈するまでの18年間、「売らない、貸さない、壊さない」の3原則を掲げて、年間1億円をかけ維持管理に努めた。