奈良の東大寺など7寺社で早春の大茶会「珠光茶会」
奈良市で2月12日、東大寺や春日大社など7寺社を舞台に、表千家・裏千家・武者小路千家の三千家と遠州流が5日間にわたり茶席を開く大茶会「珠光茶会」が始まった。わび茶の創始者とされる室町時代の茶人、村田珠光の出身地であり、寺社を中心に茶の湯の文化が息づく古都・奈良でオフシーズンの新たな観光行事にしようと市などが主催する初の試み。7寺社のチケットはすでに完売している。
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インドネシア青年13人を沖縄ちゅら島協組が受け入れ
インドネシア青年13人を沖縄ちゅら島協組が受け入れ
沖縄県ちゅら島事業協同組合(糸満市)は、外国人技能実習制度に基づき、2月からインドネシアの青年13人を受け入れ、日本語学習など講習を開始した。事業協同組合として外国人実習生の受け入れは沖縄県内で初めて。1年後に「技能実習2号」の資格取得を目指す。取得後はさらに2年間の実習に進む。加盟事業者は将来、育った人材も活用しながら、インドネシアへの事業展開も視野に入れる。琉球新報が報じた。
13人のうち9人が水産加工業、4人がキク農家で実習する。インドネシアで3カ月間、日本語を学習、さらに1カ月間、組合の事務局を務める三高水産(糸満市)で日本語教育などの講習を受けた後、3月から現場で実践的な技能を習得する。三高水産ではマグロの切り分けやセーイカの加工作業を実習する。伊是名漁協ではモズクを取り扱う。
同協組は2012年6月、外国人技能実習生の受け入れを目的に、沖縄県内の水産業者や農家が中心となり設立。認定に向けた実績確認を経て、13年度から受け入れ事業を開始した。外国人技能実習制度は最長3年間、国内企業が外国人を技能実習生として受け入れることができる制度。単純労働は禁止されている。
大学など研究助成に9億ルピア授与 東レ科学振興財団
大学など研究助成に9億ルピア授与 東レ科学振興財団
今回で第20回目となったインドネシア東レ科学振興財団による、科学教育で優れた実績をあげている大学研究者らへの贈呈式が2月12日、中央ジャカルタのホテル・シャングリラで行われた。同贈呈式には東レ本社から小泉慎一相談役や鹿取克章・駐インドネシア日本大使、ハッタ研究技術担当国務相らが出席した。
受賞者はインドネシア大学などの若手研究者18人、高校や専門学校の理科の教諭10人。大学の若手研究者の計6億8000万ルピア、高校・専門学校の教諭に計2億5000万ルピアがそれぞれ授与された。
同財団による研究助成金の贈呈は、日本企業によるインドネシアへの社会貢献事業の先駆的な制度だけに、来賓のあいさつでは高く評価する発言が多くみられた。
岩倉具視の暗号表、将軍・慶喜の直筆哀訴状など発見
岩倉具視の暗号表、将軍・慶喜の直筆哀訴状など発見
江戸-明治の本草漢学塾「山本読書室」跡(京都市下京区)の土蔵に、右大臣・岩倉具視が使った暗号表や、最後の徳川十五代将軍・慶喜が官軍に江戸攻撃中止を求めた直筆哀訴状など重要文化財級を含む数万点の史料が、秘蔵されていたことが2月2日、分かった。京都外大の松田清教授(日本洋学史)が約2年半調査、目録を刊行した。重文級は少なくとも数百点で、ほかに菅原道真直筆の可能性が指摘される9世紀の写経もあり、新史実の解明が期待できる一大史料群として注目されそうだ。
暗号表は紙製で、大小2枚の円盤の周りにそれぞれカタカナが書いてある。直径約10㌢の小さい方の円盤を回して文字を変換するしくみ。東京の岩倉が大阪の大久保利通らと電報や暗号表など最新技術を駆使して交わした秘密通信文61通もあった。慶喜の哀訴状は、時代が江戸から明治へ移った1868年、江戸攻撃が8日後に迫った3月7日に官軍に届けられた。当時、回覧のため筆写されていたが、直筆は初めて。山本読書室は本草学(博物学)の西日本の拠点で、医学や儒学なども教えていた。
「山本読書室」跡から約150年前の最古の日本語新聞も
「山本読書室」跡から約150年前の最古の日本語新聞も
京都市下京区の本草漢学塾「山本読書室」跡から見つかった新史料の中に、日本語の新聞としては最古の日付とみられる「文久二(1862)年正月元日」と印刷したものがあることが2月3日、分かった。オランダ語で「新聞の写し」というタイトルで、松田清教授が京都外大の紀要にも発表した。
従来、日本語初の新聞は、江戸幕府の洋学研究機関・蕃所調所(ばんしょしらべしょ)がオランダ語新聞を翻訳し、「文久二年正月」に発行した「官板バタヒヤ新聞」とされていたが、日付が不明だった。今回は日付があることから、日本人が記事を執筆、編集した新聞としては最古とみられる、当時の新聞の形態や記事の内容など、新聞の変遷をうかがう上での貴重な史料となりそうだ。タイトルの右側には、発行日付と場所もオランダ語で「1862年1月1日、ミヤコ(京都)で」と記されていた。
松田教授は、ロビンソン漂流記の翻訳者として知られる膳所藩(大津市)の蘭学者、黒田麹蘆(1827~92年)が戯名を使い京都で発行したと結論付けた。
伊達政宗と戦っていた家臣宛て直江兼続の直筆書状発見
伊達政宗と戦っていた家臣宛て直江兼続の直筆書状発見
山形大は2月4日、上杉景勝に仕えた直江兼続(1560~1619年)が、関ヶ原の戦い(1600年)を前に、会津地方で伊達政宗軍と戦っていた上杉家の家臣に宛てた書状が見つかったと発表した。写本はあったが、兼続直筆の現物が見つかったのは初めて。書状は山形市内の個人宅に所蔵、山形大の松尾剛次教授(日本中世史)が花押や筆跡から現物であると鑑定した。上杉家の家臣4人に宛てたもので、日付は慶長5年(1600年)7月27日。徳川家康による景勝征伐に合わせて、伊達政宗が旧領地の会津地方を奪還しようと攻撃を強めていた時期にあたる。
戦国武将らしい力強い筆致で、伊達軍との戦いで善戦する家臣の頑張りを褒めながら、政宗の動向を知らせるよう指示するなど、知将とうたわれた兼続の一面をうかがわせている。
大津の新知恩院で手のひらサイズの快慶作?の涅槃像
千葉県雷下遺跡で日本最古の丸木舟の船底部分出土
千葉県雷下遺跡で日本最古の丸木舟の船底部分出土
千葉県教育委員会は1月31日、同県市川市の雷下(かみなりした)遺跡で、縄文時代早期(約7500年前)につくられた丸木舟の船底部分(全長約7.2㍍、幅約0.5㍍)が出土したと発表した。発掘した同県教育振興財団文化財センターによると、縄文早期の丸木舟の発見は国内では初めてで、日本最古とみられる。
丸木舟は2013年11月に土中に埋まった状態で見つかったという。米国の会社で放射性炭素年代測定を行った結果、年代が判明。素材はムクノキで、石器でくり抜いてつくったとみられる。
日本最古の丸木舟はこれまで、鳥浜貝塚(福井県)や入江内湖遺跡(滋賀県)でほぼ完全な形のものが出土しているが、いずれも縄文時代前期(約5500年前)のものという。
纏向遺跡に方向揃えた4つ目の建物跡 卑弥呼宮殿?
纏向遺跡に方向揃えた4つ目の建物跡 卑弥呼宮殿?
奈良県桜井市教育委員会は2月6日、邪馬台国の有力候補地、同市の纏向(まくむく)遺跡で方向や中軸線を揃えて立ち並んでいた3世紀前半の建物跡3棟の東側で、新たに建物跡1棟を見つけたと発表した。方向、中軸線とも3棟と一致し、同市教委は建物群の一つと判断。他にも建物が並んでいた可能性もあるとみている。
新たに建物跡が見つかったのは3棟から東に約36.5㍍離れた地点。規模は東西3.4㍍、南北6.7㍍と小さく、柱材が一部残っていた。建物群は方向を揃えて東西に1列に整然と並んでおり、うち2009年に見つかった1棟は復元すると東西約12㍍、南北約19㍍と3世紀前半では国内最大規模。有力者の居館とみられ「卑弥呼の宮殿」との説もある。
纏向遺跡は東西2㌔、南北1.5㌔におよぶ3世紀初め~4世紀初めの大集落跡。卑弥呼の墓との説がある箸墓古墳がある。関東から九州まで広範囲から搬入された土器などが出土し、古代国家形成期を探るカギとなる遺跡として13年、国史跡に指定されている。