NEDOと工業省協力によるバイオ燃料プラント稼働
独立行政法人 新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)と工業省が協力して、東ジャワ州スラバヤに建設した廃糖蜜(モラセス)原料のバイオエタノール製造プラントが8月20日、試運転を開始した。今回のプラントで実績を挙げることで、日本側は砂糖増産を急ぐインドネシアに製造設備を売り込みたい考えだ。
モラセスは製糖の副産物でトウモロコシと並ぶエタノールの原料。製造したバイオエタノールはガソリンと混ぜて、自動車燃料として使用する。インドネシアは砂糖の40%を輸入しており、需要も増えていることから増産を急いでいる。さらに、二酸化炭素(CO2)排出量を事実上減らせるバイオ燃料の普及も目指している。
実証事業をしているのは国営第10プルクブナン・ヌサンタラの製糖工場。年間3万㍑のエタノールを生産し、4万6373㌧の温室効果ガス削減が見込まれる。事業費は23億円でNEDOが15億円、残りはインドネシア側が負担した。日本側からは月島機械とサッポロエンジニアリングが参画した。
「アジア-国際交流」カテゴリーアーカイブ
「もったいない」省エネ啓発ビデオをお披露目 JICAなど
「もったいない」省エネ啓発ビデオをお披露目 JICAなど
「MOTTAINAI(もったいない)」をキーワードとする省エネ啓発ビデオが完成、8月21日、エネルギー業界関係者らが集まる会議でお披露目された。経済産業省から国際協力機構(JICA)を通じて、インドネシアエネルギー鉱物資源省に派遣されている矢野友三郎政策アドバイザーが音頭を取り、JICAとエネルギー鉱物資源省が共同制作した。
矢野さんの省エネセミナーをきっかけに結成された私立国際イスラム高校の「MOTTAINAIクラブ」メンバーの高校生や、国民的人気歌手のアグネス・モニカさん、ジャカルタ特別州のジョコウィ知事も登場し、省エネを呼び掛ける。約10分間のビデオでは実写やアニメを使い、冷房の温度調節や、スイッチをこまめに切ることなど、心掛け次第で誰もが簡単に実践できる節電方法を紹介している。近く動画投稿サイトのユーチューブで配信。ネット利用者が多いインドネシアで、”もったいない”文化の広がりを期待している。
気仙沼で「インドネシア・パレード」今年は山車新調
気仙沼で「インドネシア・パレード」今年は山車新調
宮城県気仙沼市で8月10日、「インドネシア・パレード」が、同市の夏祭り「気仙沼みなとまつり」の街頭パレードの一翼を担う形で行われた。同市とインドネシアとの結びつきは強く、東日本大震災前からインドネシア人の漁業実習生受け入れ事業などにより、同国の若者が同市の水産加工工場で研修として働いている。震災の影響で中止されたパレードが再開されて、今年で2年目。研修生6人、東北大学に留学中の12人など東北在住のインドネシア人や、気仙沼港を母港とする漁船のインドネシア人乗組員らも参加し、かつての華やかさを取り戻しつつある。
気仙沼市の夏祭り「気仙沼みなとまつり」の街頭パレードには、気仙沼商工会議所青年部の会員を中心とした市民約130人が「インドネシア・パレード」スタッフとして参加。インドネシアの伝統衣装に身を包み、オゴオゴ(魔除け用張りぼて人形)やバロン(獅子舞)、オンデルオンデル(張りぼて人形)とともに、市内の大通りを練り歩いた。「インドネシア・パレード」は、「気仙沼みなとまつり」の街頭パレードに参加した14団体約900人のうち最大で、今年は一番手を務めた。
衣装はこれまで、ジャカルタのライオンズクラブやジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)バリダンス部などから提供されていた。今年は新調されたオゴオゴの山車(だし)1台が加わり、計3台が隊列に並び、パレード盛り上げに一役買っていた。
日本の漫画を海外でリメーク インドネシアで「ドラゴン桜」
日本の漫画を海外でリメーク インドネシアで「ドラゴン桜」
日本でヒットした漫画をインドネシアでリメークするプロジェクトが始まった。講談社の「週刊モーニング」が連載した「ドラゴン桜」を現地の漫画家がインドネシアを舞台に書き換える。日本の作画技術などを教え、現地で漫画家を育てる。日本の新たなコンテンツビジネスの取り組みとして注目を集めそうだ。
このプロジェクトを推進するため書籍などの版権ビジネスを手掛けるTGライツスタジオ(東京都渋谷区)とインドネシアのメディア大手コンパス・グラメディアグループが提携した。講談社のほか、ドラゴン桜の著者、三田紀房氏、同氏のエージェント会社のコルク(東京都渋谷区)も協力する。
ドラゴン桜は個性豊かな教師たちが、”落ちこぼれ”といわれた高校生を東京大学に入学させようとするストーリーで、阿部寛、長谷川京子、山下智久、長澤まさみらのキャスティングでテレビドラマ化され、好評を博した。現地版では東京大学をインドネシア大学にするなど現地の受験事情に合わせる。
大阪で独立68周年・日イ国交樹立55周年祝賀レセプション
大阪で独立68周年・日イ国交樹立55周年祝賀レセプション
インドネシア共和国独立68周年と日本インドネシア国交樹立55周年を記念して、在大阪インドネシア共和国総領事イブヌ・ハディご夫妻の主催による祝賀レセプションが8月2日(金)、午後6時45分~同8時45分、大阪市住之江区南港のハイアット・リージェンシー・大阪で開かれた。総領事の幅広い親交を物語るように、様々な業種・業界のインドネシア・ビジネスや文化活動に関わる人たちが出席する、盛大な催しとなった。
また、このレセプションは2010年1月に総領事として大阪に着任して以来、3年半にわたり、とりわけ管轄する西日本地域で積極的に様々な交流活動を展開したイブヌ・ハディ氏とのお別れの会ともなった。総領事の任期満了の同氏は帰国後、インドネシア共和国外務省欧米局北アメリカ・中央アメリカ部長に就任する。
こうした事情があっただけに、今回のレセプションはイブヌ・ハディ氏の業務に対する姿勢や人柄が色濃く出たものとなった。招待客をレセプション会場に迎え入れる際、ひとり一人と言葉、握手を交わすなど、お祝いの会である一方、別れを惜しむ想いが反映されたシーンだった。そのため、会場入り口付近は一時、長蛇の列となった。それは、日本の”おもてなし”の心に通じる、”イブヌ・ハディ流”接客といっていいのかも知れない。
レセプション冒頭のガムラン演奏、君が代、インドネシア国歌の演奏の後、あいさつした総領事は、11月からの関空-ジャカルタ便の就航、日本・インドネシア両国の経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士候補者の受け入れ事業など、この3年間の両国の関係強化・深化のあとを回顧。そして在任中、「大阪府と兵庫県はじめ西日本の17府県の皆様に、いただきました数々のご支援と友情に深く感謝致しますとともに、心よりお礼申し上げます」と謝意を述べた。この際、自ら英語と流暢な日本語でスピーチしたのが印象的だった。これを受けて、日本でとくに関係の深かった自治体の代表として、大阪府の小西禎一および兵庫県の金沢和夫の両副知事が出席し、祝辞と総領事への餞(はなむけ)の言葉を贈った。また式典の最後にムハンマド・ルドフィ・駐日インドネシア共和国特命全権大使があいさつ、乾杯の労を取った。
高齢者福祉で協力 現地ニーズ把握へ東南アジアを調査
高齢者福祉で協力 現地ニーズ把握へ東南アジアを調査
厚生労働省は今月から9月にかけて、インドネシア、ベトナム、タイの3カ国を対象に、高齢者福祉の現地調査に乗り出す。高齢者向けの介護や保健医療のサービス状況を視察し、政策担当者らに聞き取りを行う。同省は2014年度から高齢者対応の政策協力を予定。現地の実情やニーズと、日本側が提供できるノウハウを擦り合わせる。
東南アジアでは今後30年前後で65歳以上の高齢者が人口の約2割に達する国が多い。急増する高齢者向けの福祉制度づくりでタイなどから協力を求められているが、日本の取り組みを単純に移植するのは難しいと判断した。そこで、高齢化対策に関する厚労省の国際協力の検討会に参加する専門家が訪問。政府や研究機関、福祉施設などを視察する。各国で高齢者の介護や病気を防ぐ医療などが、どのように提供されているか現地の社会構造や習慣とともに把握する。
厚労省は東南アジアの高齢者福祉の実態把握を先行しながら、日本国内でも今夏に都市部と農村部の計4カ所で調査を実施。東南アジアへの導入に適した実例を探る。
元日本留学生原作の関西が舞台の映画「ラ・ターザン」公開
元日本留学生原作の関西が舞台の映画「ラ・ターザン」公開
日本に留学経験がある通訳業のエルノフィアンティ・ニネさん(39、通称ノフィ)が日本での様々な体験を綴った短編を映画化した「ラ・ターザン」が8月2日、ジャカルタなどの映画館で公開される。題名の「ラ・ターザン」はアラビア語で「悲しまないで」の意味。
じゃかるた新聞によると、2011年に発刊された日本留学経験者による短編集「ラ・ターザン・フォー・スチューデント」に収録されたノフィさんの「プラジャール・ストゥンガ・TKI(半分出稼ぎの学生)」を原作に、アルバイトをしながら日本で学ぶという夢を叶えたインドネシア人女性の話を、恋愛などの要素を交えて脚本化した作品だ。
長・短所含めた現在の日本の大学の教育現場の状況はじめ、入国管理局の取り締まりにおびえながら、不法就労を続けるインドネシア人など、負の部分や宗教観の違いなども盛り込み、留学生のラブストーリーを超えた作品に仕上がっている。
キャスティングは、主役のフィオナには有名女優のアティカ・ハシホランさんが配されているが、インドネシアで活動している日本人俳優や在留邦人も多く出演している。道頓堀や大阪港、京都の伝統的な街並み、和歌山のみかん畑など関西を舞台に、日本の美しい風景もふんだんに盛り込まれているという。
経産省とジェトロがイでの日系中小企業の支援体制強化
経産省とジェトロがイでの日系中小企業の支援体制強化
日本の経済産業省と、日本貿易振興機構(ジェトロ)は7月30日、インドネシアのジャカルタで日系中小企業の事業展開を支援する枠組み「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム」を立ち上げた。従来の情報提供に加え、現地での支援機関・団体との連携によるサービス体制を強化。経済成長に伴い注目が集まるインドネシアでの事業活動を促す。
同日、支援機関・団体となる在インドネシア日本国大使館、国際協力機構(JICA)、一般財団法人海外産業人材育成協会(HIDA)、ジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC)、中小企業連合会(SMEJ)、インドネシア投資調整庁(BKPM)、JACリクルートメント、朝日ネットワークの関係者と立ち上げに伴う幹事会を開いた。
ジェトロによると、昨年の調査では約1300社がインドネシアに進出。現時点では1400社を超えたもよう。JJCの法人会員数は520社超、日系中小企業が加盟するSMEJの会員数は約400社でともに過去最高を更新している。
東京都品川区がインドネシア大使館と災害時協定締結
日・イ関係をより緊密なものに 大使公邸でブカプアサ
日・イ関係をより緊密なものに 大使公邸でブカプアサ
南ジャカルタの駐インドネシア日本大使公邸で7月23日夕、インドネシアのイスラム団体の有識者やプサントレン(イスラム寄宿学校)教師ら54人を招き、今年で10回目を迎えたブカプアサ(断食明け)の夕食会が開かれた。鹿取克章・駐インドネシア日本大使は「インドネシア教育におけるプサントレンの果たす役割と存在の大きさを実感している」とあいさつし、2004年から始まったプサントレン教師の日本招へいプログラムを通じて、「日・イ関係をより緊密なものにしていきたい」と今後の活動に期待を寄せた。
プサントレン招へいプログラムは、日本とインドネシアのイスラム世界との相互理解を深めることを目的に、日本政府が2004年に開始。毎年12人を日本へ招へいし、日本の教育現場を視察し教師や有識者、大学生との意見交換、ホームステイなどを実施している。
今回、インドネシア側から出席したのは同国第2のイスラム団体ムハマディヤのディン・シャムスディン議長や、国立イスラム大学イスラム社会研究所(PPIM)関係者、プサントレン教師ら。鹿取大使らと懇談しながら食事を楽しんだ。