「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

昭和の復興から3代目大阪城天守閣が”米寿”迎える

昭和の復興から3代目大阪城天守閣が”米寿”迎える

昭和6(1931)年11月7日、市民の寄付によって復興された大阪のシンボル、大阪城。この3代目の天守閣が7日、数え年で88歳の”米寿”を迎えた。
5000枚限定の記念の証明書(縦およそ10cm、横およそ19cm)が、午前9時から訪れた観光客に記念の証明書が配られた。この証明書は天守閣の屋根をかたどった形で、日本語と英語の両方で米寿を迎えた内容が書かれている。
豊臣秀吉が淀君のために建てたといわれる大坂城の初代天守は1585年に完成したが、1615年の大坂夏の陣で豊臣秀頼、淀君ら豊臣氏の滅亡とともに焼失。徳川幕府が再建した2代目天守も1665年に落雷で焼失している。
当時としては最先端だった、鉄筋コンクリート造で建設された現在の3代目天守の高さは地上55m。

天皇陛下在位30年記念貨幣 大阪・造幣局で打ち初め式

天皇陛下在位30年記念貨幣 大阪・造幣局で打ち初め式

大阪市北区の造幣局で11月5日、天皇陛下の在位30年を記念した1万円金貨と500円銅貨の打ち初め式が行われた。
1万円金貨は純金で20㌘あり、表には翼を広げた鳳凰(ほうおう)がデザインされ、500円銅貨には天皇皇后両陛下のご成婚のパレードで使用された馬車がデザインされている。また、いずれも桐と白樺があしらわれ、裏には菊の紋章が描かれている。
1万円金貨は単体の場合、13万8000円、金貨と銅貨のセットは14万円で通信販売され、銅貨だけの場合は金融機関の窓口で額面と同じ500円で引き換える。通信販売の申し込みは11月21日までで、販売と引き換えは2019年2月ごろから予定されている。

和歌山で大津波の教訓伝える「稲むらの火祭り」

和歌山で大津波の教訓伝える「稲むらの火祭り」

和歌山県広川町で10月28日、江戸時代末期の安政南海地震(1854年)の際、豪商、濱口梧陵が収穫された稲の束に火をつけて、村人たちに大津波の襲来を知らせ高台に避難させたという”稲むらの火”の逸話を今に伝える「稲むらの火祭り」が開かれた。
この火祭りは教訓として毎年開かれているが、今回は地元の人たちはじめ、10月31日から和歌山県で開かれる「世界津波の日 高校生サミット」に参加する世界48カ国の高校生およそ250人も加わり、改めて地震が起きたら高台に避難するという津波防災の意識を高めていた。

平城京の南端から庶民の倉庫・井戸など住宅跡見つかる

平城京の南端から庶民の倉庫・井戸など住宅跡見つかる

奈良市教育委員会の発掘調査によると、奈良時代の都、平城京の南端にあたる場所から、庶民の住宅跡が倉庫や井戸などとともに見つかった。
住宅跡が見つかったのは、現在の奈良市西九条町にある工場の敷地。通路や溝で区切られた一辺約30㍍四方の広さの約900平方㍍の住宅の敷地の中に、東西約10㍍、南北約4㍍の母屋とみられる建物の跡あ、その近くで倉庫や井戸の跡も確認された。
同市教委は、今回見つかった住宅跡はその立地などから平城京内で働いていた下級役人か庶民の住宅だと考えられるという。

「風神雷神図屏風」など約50点をパリで公開

「風神雷神図屏風」など約50点をパリで公開

フランスで開催されている日本文化を紹介するイベント「ジャポニズム2018」の一環で、10月26日から京都・建仁寺(京都市東山区)が所蔵する国宝「風神雷神図屏風」が欧州で初めて、フランス・パリで公開される。
今回公開されるのは江戸時代を代表する絵師、俵屋宗達が描いた風神雷神図屏風をはじめ、桃山時代から明治時代にかけての屏風や陶芸作品など約50点も合わせて展示される。
フランスのメディアから約90人を招いて25日開かれた内覧会では、日本を代表する美術作品に高い評価の声が寄せられた。

近江商人・伊藤忠兵衛直筆の財団設立時の書類見つかる

近江商人・伊藤忠兵衛直筆の財団設立時の書類見つかる

滋賀県豊郷町で著名な近江商人の一人、2代目伊藤忠兵衛が100年前、故郷の豊郷町のために財団を設立した際の直筆の書類が見つかった。
今回、廃校となった小学校に残されているのが見つかった資料は、合わせておよそ100ページで、財団の定款を忠兵衛が直筆で書いたもの。「自治ノ発展ニ貢献セムトス」と故郷への思いを表現している。また、「金 参萬圓(さんまんえん)」を財団設立のために寄付するとある。現在の物価に換算すると6000万円余りになるという。
忠兵衛は教育や福祉の分野でも多額の寄付を行っており、専門家は「近江商人は社会貢献の意識が高かったことで知られ、忠兵衛もその一人だったことがうかがえる貴重な資料だ」としている。
2代目伊藤忠兵衛は滋賀県豊郷町の出身で、現在の大手商社、伊藤忠商事、丸紅の礎を築いたとされている。

京都・新南座で2年ぶり顔見世興行の「まねき上げ」

京都・新南座で2年ぶり顔見世興行の「まねき上げ」

11月にリニューアルオープンする京都の南座で10月25日、年末恒例の歌舞伎の顔見世興行を前に、出演者を紹介する看板を掲げる「まねき上げ」が行われた。
南座は耐震補強工事のため、2016年から休館しており、まねき上げは2年ぶり。それだけに、25日は大勢の見物客が詰めかけ、坂田藤十郎、松本幸四郎ら、独特の「勘亭流」と呼ばれる書体の太い毛筆で書かれた看板が掲げられていくのを見守っていた。
今年の顔見世興行は11月1日から始まる。

京都・秋の都大路で「時代祭」2000人の行列が練り歩く

京都・秋の都大路で「時代祭」2000人の行列が練り歩く

5月の「葵祭」、7月の「祇園祭」とともに京都の三大祭の一つ、「時代祭」が10月22日行われ、秋の都大路を様々な衣装を身にまとったおよそ2000人の行列が練り歩いた。
華やかで雅な衣装の平安時代から甲冑姿の戦国時代、そして明治時代にかけて、それぞれの時代を象徴する衣装を身に着けた、皇女和宮、坂本龍馬、桂小五郎、織田信長らに扮した行列が続き、秋晴れのもと、見物客らは華やかな”時代絵巻”を楽しんでいた。
なお、平安神宮の通用口を通る際、この行列に参加していた馬が突然暴れ、落馬した男性や観客の女性など合わせて4人がけがをした。

JAXA 水星探査機「みお」打ち上げ 7年後周回軌道へ

JAXA 水星探査機「みお」打ち上げ 7年後周回軌道へ

JAXA(宇宙航空研究開発機構)が開発した「みお」など2機の水星探査機が10月20日午前10時45分(日本時間)、南米・フランス領ギアナのクールー宇宙基地からアリアン5ロケットで打ち上げられた。探査機は正常に飛行。欧州宇宙機関(ESA)の探査機(MPO)とともに、2025年12月に水星周回軌道に到着し、約1年間にわたり、水星の構造や成り立ちなどを探る予定。
太陽の一番近くを回る水星は高温で、探査にはその熱さ対策が最大の課題。大気はほとんどなく、クレーターに覆われた姿は月に似ているが、地球と同様に磁場を持つ。直径は4880㌔㍍で地球の約4割しかなく、太陽系で最も小さい。

旧石器時代の人類の外洋航海の手段は丸木舟か?

旧石器時代の人類の外洋航海の手段は丸木舟か?

国立科学博物館などの研究グループはこのほど、長さおよそ8㍍の杉の大木を石器で加工した丸木舟を使い、千葉県館山市沖合で実験を重ねた結果、外洋での航海に耐え得る性能を確認できたと発表した。2019年夏、台湾からの航海に臨む予定。
同グループは、沖縄の島々でおよそ3万年前の旧石器時代の遺跡が見つかったことから、人類が黒潮を越えて台湾から移り住んだと想定。これまで草・植物を束ねて作った舟などで数回、実験航海を行い、その航海方法・手段の解明に取り組んでいるが、いずれも途中で断念していた。