無形文化遺産登録祝い曳山13基が11年ぶり勢揃い 長浜
滋賀県長浜市の「長浜曳山(ひきやま)まつり」が例年以上の盛り上がりを見せた。本日(ほんび)の4月15日、2016年12月にユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されたことを祝い、11年ぶりに曳山全13基が勢揃いした。
午前中は長浜八幡宮で子供歌舞伎が奉納され、夜には13基が御旅所(おたびしょ)に勢揃い。闇夜に明かりをともした曳山の提灯が、幻想的に浮かび輝いていた。
三条西実隆の直筆 宗碩との「千句連歌」見つかる
戦国時代の代表的文化人で公家の三条西実隆(さねたか、1455~1537年)が、連歌師・宗碩(そうせき、1474~1533年)と和歌を詠み合った「住吉法楽千句連歌」が見つかった。実隆の自筆とみられる。
実隆は学者や能書家として知られ、清水寺や北野天満宮の絵巻物の詞(ことば)書きなどを手掛けたほか、日記「実隆公記」(重要文化財)は室町時代後期~戦国時代の史実を伝える一級史料とされる。宗碩は近畿や九州で大名らと交流し、連歌を指導したことで知られる。
見つかったのは1521年、宗碩邸で4日間に詠まれた約1000句。大坂の住吉大社の祭神に捧げる目的で、実隆公記に当時の様子が記されている。
2000年前の古代ローマ「ポンペイ壁画展」
2000年前の南イタリアの古代都市ポンペイなどの住宅などに描かれていた壁画を紹介する「ポンペイの壁画展」が4月15日から、福岡市早良区百道浜の市博物館で始まる。6月18日まで。
ポンペイの都市は西暦79年、ベズビオ火山の大噴火で火山灰により埋もれ消失した。18世紀に発掘され、悠久のときを超え、古代ローマの遺跡がそのままの形で姿を現した。壁画は住宅や公共施設の壁などに描かれており、これを見れば当時の人々の趣味や暮らしぶりがうかがえる。
会場では別荘の部屋に、壁の向こうに広がる空間を作り出した日本初公開の「赤い建築を描いた壁面装飾」やケンタウロス族が竪琴の弾き方を教えるギリシャ神話の世界を描いた「ケイロンによるアキレウスの教育」など約80点の壁画を展示、紹介する。会場内は作品を自由に撮影できる。
入場料は一般1500円、高校・大学生800円、小中生500円。月曜日休館。
16年日中韓交流事業の奈良来場者は延べ126万人余
奈良市などのまとめによると、2016年、奈良市を会場に開かれた日中韓3カ国の交流事業「東アジア文化都市」の催しに、奈良を訪れた人は延べ126万6000人余に上り、奈良市が当初見込んでいた100万人の予想を大きく上回ったことが分かった。
東アジア文化都市は、日本、中国、韓国の3カ国の都市が、それぞれの国で1年間持ち回りで古流を深めるため、様々な文化や芸術の催しを企画し開く。2016年は、日本は奈良市が会場となり、3月から12月にかけて東大寺などの寺や神社でアートの作品が展示されたり、演劇やシンポジウムが行われるなど関連する93の催しが開かれた。この結果、奈良県内での経済効果は118億8700万円に上ったという。
谷崎、林芙美子らの直筆短歌 中国文学者と交流の証
谷崎潤一郎や林芙美子らが中国の文学者に宛てた未公開のはがきや手紙などが見つかった。専門家は、日中間で戦時下の当時の時代背景を考え合わせると、こうした文学者同士の交流は奇跡に近く、貴重な史料だとしている。
新たに見つかったのは、谷崎潤一郎、林芙美子のほか、志賀直哉、武者小路実篤など日本の近代文学作家が記したはがきや手紙など合わせて18点。これらは2016年5月、福山大学の久保卓哉名誉教授が、中国の文学者で戦前、今の東京大学で講師を務めた方紀生の遺族が住む京都市内の居宅で見つけた。
このうち、谷崎潤一郎直筆の短歌は妻が箸でそうめんをすくいあげる夏の情景を詠んだもので、一緒に見つかったはがきから昭和16年ごろ、方紀生から土産をもらったお礼に贈られたとみられるという。また、林芙美子が昭和11年に中国を訪れた際、方紀生の手帳に書いた俳句は、林が前の年に発表した小説の一節がもとになっている。
代表作など88件集め仏師・快慶展 奈良国立博物館
運慶と並び称される鎌倉時代の仏師・快慶の代表作を集めた展覧会が4月8日から奈良国立博物館で始まった。6月4日まで。
会場では国宝の「僧形八幡神坐像」や「弥勒菩薩立像」など国内外から集められた快慶の代表作など国宝7件、重要文化財50件を含む88件が展示されている。
僧形八幡神坐像は、東大寺境内にある手向山八幡宮の前身にあたる神社で祀られていた坐像だ。僧の形をしたご神体で、内部には後鳥羽天皇や後白河法皇などの名前が墨で記されている。弥勒菩薩立像は、アメリカのボストン美術館所蔵の像で、これまで確認されている中で、最も初期の快慶の作品だ。瑞々しく、若々しい体つきが特徴。