「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

信長の安土城 6年後の築城450年目標にデジタル再現へ 滋賀県

滋賀県は、織田信長が築いた安土城の復元に向け、6年後の築城450年を目標に最新のデジタル技術を用いて再現することを決めた。専門家の意見や、9月に行った復元方法についてのアンケート調査の結果を踏まえて、残された城の遺構に影響を与えず、今後の調査や研究で新たな資料が発見されても対応が可能なことから、最終的にデジタル技術を活用した再現を目指すことになった。
具体的には城跡の保全を図ったうえで、資料がほとんど残されていない城の全容を解明する大掛かりな調査を行うとしている。築城450年を目標に、タブレットやスマートフォンで当時の安土町の姿や調査の様子などを見ることができるようにする。

清水寺 本堂と舞台の大規模改修工事完了 本堂は再建当初の姿に

京都の世界遺産、清水寺(所在地:京都市東山区)で、3年前から進められていた本堂の屋根と舞台の大規模な改修工事がほぼ終わり12月3日、本堂で工事の完了を祝う法要が営まれた。寺や工事関係者らが参列、僧侶たちがお経を唱えた後、舞台で「散華」と呼ばれる蓮の花びらをかたどった紙を撒いて工事の完成を祝った。
本堂の屋根のひわだの葺き替え工事はおよそ50年ぶりで、ひわだの大きさを本堂が再建された江戸時代初期のものに戻したという。また、舞台の床板の張り替えは16年ぶりで、面積およそ200㎡にあたる166枚のひのきの板が交換された。

3万年前の人類 沖縄への移住めざし台湾から舟で航海した

国立科学博物館などの研究チームは、3万年前の人類が台湾から沖縄の島々に移住するつもりで舟で航海したと考えられるとの研究結果を発表した。論文は12月3日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
研究チームは台湾大海洋研究所とともに、台湾やフィリピン北部から過去約30年間に流された138個の海洋観測ブイの漂流ルートを解析。また、同チームが2016年から2019年まで行った航海実験の結果を踏まえ、旧石器時代の人類が台湾から沖縄へ渡ったのは偶然漂着した可能性は低く、移住目的だったと結論付けた。

BIE総会で「大阪・関西万博」開催計画承認 活動本格化へ

フランス・パリで12月1日、BIE(博覧会国際事務局)の総会が開かれ、2025年の「大阪・関西万博」の開催計画が承認された。同総会にオンラインで参加した井上万博担当大臣は、テーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」に沿って「ポストコロナを見据え、万博を将来の社会をデザインする、素晴らしい機会にしたい」と述べた。
計画の承認を受けて、日本政府は年内に万博の基本方針を策定するほか、各国にパビリオンの出展を呼び掛けるなどの活動を本格化させる予定。BIEの総会は今年6月に開かれる予定だったが、新型コロナ禍で延期されていた。

京都・南座で年末恒例の顔見世興行の「まねき上げ」興行は12/5から

京都の南座(所在地:京都市東山区)で行われる年末恒例の顔見世興行を前に12月1日、舞台に立つ歌舞伎俳優の名前を書いた大看板を掲げる、伝統の「まねき上げ」が行われた。計47枚のまねきが揃うと、南座の支配人が劇場に向かって塩を蒔き、興行の無事と成功を祈った。顔見世興行は12月5日から19日まで行われる。
例年まねき上げは日程を公表して行ってきたが、今年は新型コロナウイルスの感染防止のため、日程を公表せずに行った。

与謝野晶子晩年の作品屏風「さかい利晶の杜」で初公開 148首披露

日本の代表的歌人、与謝野晶子が晩年に自身の代表的な歌を1枚の屏風に書いた作品が高知県で見つかり、大阪府堺市の「さかい利晶の杜」で初公開されている。この屏風は縦・横およそ1.8mで、与謝野晶子が20~50代までに詠んだ代表的な歌148首が、晶子自身のしなやかな筆遣いで書かれている。
これは、彼女の代表作「みだれ髪」に収められている歌など、晶子が亡くなる2年前に書かれた最後の大作とされ、一般に公開されるのは初めて。
その一部をみると、「海こひし 潮の遠鳴りかぞへつつ 少女となりし、父母の家」は、上京した晶子が波の音を聞きながら育ったふるさとの堺を懐かしんで詠んだ歌だ。

淡路島・舟木遺跡 国の史跡指定へ 竪穴建物など弥生期の集落跡

鉄製の漁具や青銅製の中国の鏡の一部が発掘された弥生時代の遺跡で、兵庫県淡路島の舟木遺跡が、国の史跡に指定されることになった。同遺跡は1世紀前半から3世紀前半の弥生時代後期から終末期の集落跡で、平成28年度から淡路市教育委員会が発掘調査を行ってきた。その結果、竪穴建物20棟の跡が見つかり、近畿地方では初めて発見された魚を突くための”ヤス”などの鉄製の漁具が確認されている。また、淡路島では3例目となる”絵画土器”の破片なども相次いで見つかっている。
今回の舟木遺跡の指定で、兵庫県内の国指定の史跡は55例目となる。

京都・東寺「弘法市」11/21 コロナ対策のもと7カ月ぶり再開

京都市南区の世界遺産、東寺の「弘法市」が11月21日、コロナの感染防止対策を取ったうえで7カ月ぶりに再開された。それぞれの出店では消毒薬を置いたり、飛沫を防ぐための透明のシートをかけたりしているほか、食品については食べ歩きが禁止され、持ち帰りのみの販売となっている。
弘法市は、毎月21日、出店が集まって開かれ、雑貨や古着などリサイクル品が販売されているが、5月から中止されていた。再開にあたっては、これまで1,200店ほどが出店してきたが、今回は700店ほどにとどめ、その分、店の間隔を広げて開催しているという。

進む年末恒例の顔見世興行の「勘亭流」”まねき”書き

京都・南座で行われる年末恒例の歌舞伎、顔見世興行を前に、京都市左京区の妙傳寺で、出演者を紹介する”まねき”の看板を書く作業が進められている。
作業を進めるのは書家の井上優さん(75)。丸みを帯びた「勘亭流」という独特の書体で、長さがおよそ2mの看板に隙間なく書いていく。用意された看板はおよそ40枚に上る。顔見世興行は12月5日から19日までで、看板は11月下旬に南座の正面に掲げられる。

信長の安土城の天守復元プロジェクト 実物建築は困難と判断

滋賀県の三日月大造知事は11月2日、織田信長が築いた安土城(滋賀県近江八幡市安土町)の天守復元プロジェクトについて、「資料が十分でない」として、現状では構造や規模などを忠実に再現した実物の天守を城跡に建てるのは困難との見方を明らかにした。そのうえでデジタル技術の活用などで城を再現する案を軸に検討する考えを示した。年内に最終の復元方向を公表する方針。
同県は2026年の安土城築城450年に向け、2019年4月に「『幻の安土城』復元プロジェクト事業を立ち上げた。これに基づきこれまで天守の忠実な復元はじめ、コンピュータグラフィックス(CG)でつくる仮想現実(VR)や拡張する現実(AR)などデジタル技術で見せる案など計4案を検討していた。