「新システム」カテゴリーアーカイブ

「光触媒」で純度高い水素取り出す大規模実験に成功 NEDO

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、東京大学、信州大学などの研究チームは、太陽の光を吸収して水を水素と酸素に分解する「光触媒」の働きを活用して、100㎡の規模で純度の高い水素を安全に取り出すことに成功したと発表した。
今回試したのは、この光触媒を付着させたパネルを屋外に設けて水を注ぎ、太陽の光を受けて発生した水素と酸素が混ざった気体から穴の空いた膜を通すことで水素だけを抽出する実験。同チームは2019年から2年にわたって実験に取り組んできた。実験の結果、発生した水素の7割以上をおよそ94%という高い純度で安全に取り出せたという。
同チームによると、100㎡の規模で水素の取り出しに成功したのは世界で初めて。水素を大量かつ低コストでつくる技術につながると期待できる一方、さらに効率よく取り出すための新たな物質の開発が実用化への課題としている。

ヤンマー 23年度に船舶向け燃料電池システムを商用化

ヤンマーホールディングス(本社:大阪市北区)は10月13日、グループ会社のヤンマーパワーテクノロジー(本社:大阪氏北区、以下、YPT)が、2023年度に水素を燃料にした船舶向けの燃料電池システムを商用化すると発表した。
これに先駆けこのほど、燃料電池システムを搭載した実証試験艇を用いて、世界初となる船舶への70MPa高圧水素充填を行い、大阪・関西万博会場予定地と市内沿岸部の観光地を結ぶ航路での航行試験を実施した。
今回の70MPa高圧水素充填は、豊田通商と共同で、特別に許可を得た高圧充填設備と新たに試作した長尺の水素充填ホース設備を使って実施した。これまでの充填方式と比べて航続時間は3倍以上となり、より実運用に近い航行が可能であることを確認した。得られた結果は、今後の水素燃料電池システムの実用化と舶用水素インフラの検討に活用していく。
YPTでは、トヨタ自動車製の燃料電池モジュールを活用した300KW級の舶用燃料電池システムの開発を進めている。今後は様々な船種へ搭載できるように、船級協会の型式承認を取得し2023年の市場投入を目指す。