与謝野晶子 直筆短歌103首 原稿岡山で発見

与謝野晶子の直筆短歌103首収めた原稿岡山で発見
 岡山県倉敷市に寄贈された薄田泣菫の書簡類の中から、歌人・与謝野晶子直筆の短歌103首が収められた原稿用紙が見つかった。親交が深かった同市出身の詩人、泣菫に新聞掲載用に送った作品で、うち16首は未発表とみられる。短歌はB4サイズの原稿用紙12枚に黒インクのペンで記されていた。
 「街行けば涙ぐまるるおもひでの必ずわきぬまづしきがため」「砂踏むを焼けむとそしり網小屋の蔭をあゆめり物思ふ人」「物思ふ萱の葉などと並ぶ時今こし方のわれもうらめし」「髪よりも静かなるなし夕ぐれの山の色よりみづうみよりも」など16首は新聞紙面や晶子の全集に掲載が確認できず、未発表という。また、計15首を綴った2枚の原稿用紙には「紫影抄」と題名が付けられ、欄外に「一度にお載せ下さい」と朱筆で書き添えられていた。