月別アーカイブ: 2013年5月

出雲大社で60年ぶり「平成の大遷宮」のヤマ場、本殿遷座祭

出雲大社で60年ぶり「平成の大遷宮」のヤマ場、本殿遷座祭
 出雲大社(島根県出雲市)で60年ぶりの大改修「平成の大遷宮」のヤマ場となる本殿遷座祭が5月10日夜、営まれた。仮殿へ移していたご神体を改修を終えた本殿に戻す神事で、天皇陛下の勅使や氏子ら参列した約1万2000人が厳かな雰囲気の中、静かに見守った。神事は午後7時から2時間半。その間、本殿入り口の提灯と、通り道のわずかな明かり以外の照明は落され、一般の参列者は立ち入りが制限された。
 千家尊祐宮司が仮殿で祝詞を奏上。その後、絹垣と呼ばれる白い布で覆った神輿に乗せられたご神体が神職らの行列と共に進み、本殿の神座に迎えられた。前回の本殿遷座祭はちょうど60年前の1953年5月10日。今回は2008年から本殿を修復した。12日から6月9日までは境内で特設舞台で神楽やコンサートなど奉祝行事が連日行われる。

秀吉,家康の京都・伏見城跡の全域を調査 創建時の石垣確認

秀吉,家康の京都・伏見城跡の全域を調査 創建時の石垣確認
 大阪歴史学会や京都府は、豊臣秀吉や徳川家康の居城だった伏見城跡(京都市)のほぼ全域を調査し、巨大な土橋や創建当初のものとみられる豪壮な石垣などを確認した。城跡は80万平方㍍(東京ドーム17個分)に及ぶ。伏見城と同じ場所に明治天皇陵が造営されたことから、遺構の大半は桃山陵墓地として立ち入りが規制され、研究が進んでいなかった。今回のように宮内庁が陵墓地でこれほど大規模な文化財調査を許可するのは異例。1592年、天下統一後の秀吉の権勢や高い築城技術を示す一級史料になりそうだ。
 関係者によると、本丸と二の丸をわたる巨大な土橋(長さ約40㍍、幅約5㍍)や幅数十㍍の堀、天守の土台(一辺十数㍍、高さ約5㍍)など多数の遺構を確認した。各地の自然石を積み上げた秀吉時代に特徴的な石垣は高さ約7㍍、長さ約20㍍分が残っていた。花崗岩を割り出した徳川期とみられる石垣には長辺1.8㍍の巨岩が使われていた。

東大寺法華堂の須弥壇・仏像の修理完了 5/18から拝観再開

東大寺法華堂の須弥壇・仏像の修理完了 5/18から拝観再開
 2010年から行われていた東大寺(奈良市)法華堂(国宝)の須弥壇(しゅみだん)と仏像の修理が完了し5月16日、開眼法要が行われた。奈良時代に制作された国宝の仏像10体が戻され18日から法華堂の拝観を再開する。須弥壇はシロアリの被害などで傷んだため解体。腐った部分を補強したり、新たな木材に取り換えたりした。堂内にあった18の仏像も金箔や彩色の剥落防止などの補修をした。日光、月光菩薩像ねど8体は東大寺ミュージアムに安置された。

博物館数、全国で3317施設の歴史がトップ 美術は1087

博物館数、全国で3317施設の歴史がトップ 美術は1087
 日本には、博物館といっても展示や収集物の内容は様々。文部科学省の調査によると2011年10月現在、類似施設も含む全国5747施設を種類別に分類したところ、歴史博物館が3317施設でトップだった。以下、1087施設の美術博物館、472施設の科学博物館が続いた。最近では中高年はじめ、大河ドラマの影響なども加わって歴史好きの女性、いわゆる”歴女(れきじょ)”が急増、歴史博物館の運営には追い風となっている。美術博物館や科学博物館の人気も高い。

「コマ大戦」模擬大会を実施 金型工業会が年次総会

「コマ大戦」模擬大会を実施 金型工業会が年次総会
 国内金型産業を振興するインドネシア金型工業会(IMDIA)は5月16日、東ジャカルタの松下ボゴール教育財団(YPMG)施設内で年次総会を開いた。総会後、12月にジャカルタで開催予定の産業見本市「インドネシア・マニュファクチャリング・エキシビジョン」内でIMDIAが行うイベント、円錐形の台の上で金属製のコマを戦わせ、回転時間の長さを競う「コマ大戦」の模擬大会を実施した。
 模擬大会は、直径2㌢未満の金属製コマを使用。相撲風の呼び出しで紹介された参加者8人がトーナメント形式で戦った。参加したインドネシア人会員の中には、コマ回しに初めて挑戦し、すぐにこつを掴む人もおり、観客は行事役の判定に一喜一憂し、対戦を見守った。12月の本大会では、参加者は直径2㌢未満の規定の中で、コマの素材や重さを工夫するなど設計や製造技術を競う。
 IMDIAは発足から7年を迎え、会員数は初年度から3.5倍増の364に伸びた。総会では高橋誠会長が2012年度の活動状況を報告。金型金額でみた現地調達化率は45%を記録した。ほかに、インドネシア人技術者育成活動などが報告され、13年度の予算が承認された。

アイシン労組26人がダルマ・プルサダ大学生40人と交流

アイシン労組26人がダルマ・プルサダ大学生40人と交流
 自動車部品大手のアイシングループのアイシン労働組合26人が、5月14~18日の日程で実施しているジャカルタ視察の一環で15日、東ジャカルタのダルマ・プルサダ大学を訪れ、日本語学科の学生と討論会に臨んだ。以下、じゃかるた新聞のルポをもとにその一部を紹介する。
 昨年に続き今回が2回目。大学からは学生40人が参加した。学生を代表してクユさん(20)が冒頭「昨年参加した討論会で、親身に日本語を教えてくれたのが印象的でした。再会できてとても感激した」と語った。組合員と学生が交互に座り、自己紹介。当初、緊張した雰囲気だったが、徐々に打ち解けていった。
 今回はインドネシアの大学生の学習意欲や将来設計など、幅広いテーマについて情報交換した。学生からは日本の労働環境やアイシングループについて質問があった。これに対し、「休日の余暇を充実させることで、仕事にも良い影響があるため、会社の有給制度をうまく活用している」「アイシンは自動車部品の会社で、世界各地に展開している会社。将来は一緒にインドネシアで仕事をしましょう」などと応じた。
 訪問団と学生はその後の夕食会でも交流を深めた。現地の文化や雰囲気を肌で感じることは、相互理解を深めるうえで何事にも変え難い体験だろう。17日には学生の家庭を訪問する予定。

落第候補を二人三脚で全国優勝に導いた青年協力隊の後藤さん

落第候補を二人三脚で全国優勝に導いた青年協力隊の後藤さん
 国際協力機構青年海外協力隊の陸上競技指導者として派遣されている元高校非常勤講師の後藤知宏さん(27、兵庫県出身)の教え子、ムハマド・ニザールさん(17)が先月、ユースクラスの110㍍ハードルで全国優勝した。ニザールさんはジャカルタ特別州選抜の強化メンバーに選ばれながらも、思うように成果が出ず落第候補筆頭だった。それだけに今回二人三脚で掴んだ栄光は、「落ちこぼれ」の汚名返上するとともに、任期を5月26日に終える後藤さんへのプレゼントになっただけでなく、二人にとって大きな自信になった。
 南ジャカルタ・ラグナンの体育学校に2011年1月に入学したニザールさん。将来を有望視される選手が集まる全寮制の中高一貫校で、学費や食費は無料。家計に負担をかけず、得意の短距離を磨けるとあり、張り切っていた。ところが、きつい練習についていけない。記録も伸びず、指導者からは「選抜をクビにする」と半ば見放される状態で、親には退学の意思も打ち明けていた。後藤さんが着任したのはその1カ月後。選抜チームでは計25人の選手を8人で分担して指導するが、成果を出すと賞与が出るため、指導者間で選手獲得競争が激しい。後藤さんは事情がよく分からないまま自動的にニザールさんを任された。「押し付けられたと思った」というのが正直な感想だった。いざ練習を始めても、周囲は2人の練習を懐疑的に見ていた。
 後藤さんがニザールさんに施した指導法は短距離に的を絞った練習メニューと、徹底したコミュニケーションだった。「スタミナ」を重視するインドネシアでは、短距離選手であっても長時間の走り込みが当たり前で、常識では考えられない指導法だった。当然、同僚コーチから批判的な声が漏れ出し、逆にそれが闘志を燃やす材料になった。日記形式の練習記録にコメントを付けたほか、積極的に話しかけ外出時も一緒に過ごした。結果、指導開始から4カ月後の州大会では、短距離、ハードルともに総なめ。その後もめきめき記録を伸ばしていったのだ。
 今回の成果を受けて「自分の指導に自信が持てた」と語る後藤さんは、今後も指導者としての道を歩みたいと、志を新たにしている。

絶滅した鳥類世界最大の巨大卵 1000万円で落札

絶滅した鳥類世界最大の巨大卵 1000万円で落札
 かつてマダガスカルに生息し、鳥類としては世界最大とされるエピオルニスの巨大な卵が4月24日、ロンドンの競売大手クリスティーズでオークションに掛けられ、予想の2倍を超える約6万6700ポンド(約1000万円)で落札された。エピオルニスはダチョウに似た鳥で、体長約3.4㍍、体重は約500㌔に達したとされる。17世紀までに絶滅した。落札された卵は化石化している。ほぼ完全な形で残っている。大きさは鶏卵の約100倍で、長径約30㌢、短径約21㌢。

東大寺が100年後を見据え東塔の再建など整備構想

東大寺が100年後を見据え東塔の再建など整備構想
 東大寺は4月26日、100年後を見据えた境内の整備基本構想を発表した。まず境内全体を発掘調査し資料を蓄積、戦乱などで失われた東塔を再建し、西塔や講堂、僧坊などは創建時の姿がはっきりとわかるように礎石などを整備する。構想は学識経験者による境内整備計画委員会が3年がかりでまとめた。同寺が全体の発掘調査を行うのは初めて。
 発掘調査は文化庁や奈良県、奈良市などと協議しながら進めるが、数年はかかる見通し。まず東塔跡から調査を始める。建物の復元計画は発掘の調査結果をもとに検討する。東塔は高さが70㍍、100㍍など様々な説がある。再建費用は現在のところ不明。

カメは進化の過程ではトカゲより鳥類、ワニに近い

カメは進化の過程ではトカゲより鳥類、ワニに近い
 理化学研究所などの国際件研究チームは、カメのゲノム(全遺伝情報)解読、解析の結果、トカゲやヘビより鳥類、ワニ、恐竜に近いことが判明したと4月29日付の米科学誌、ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に掲載された。チームはスッポンとアオウミガメの2種のカメについて遺伝子解析装置や大型計算機を使ってゲノムを解析した。哺乳類と共通の祖先から3億年より前に分かれ、さらに2億5700万年前にワニや鳥類などと分かれて進化したことが明らかになった。