月別アーカイブ: 2013年7月

平仮名で土器に最古の「いろは歌」全文 京都の貴族邸跡

平仮名で土器に最古の「いろは歌」全文 京都の貴族邸跡
 京都市埋蔵文化財研究所は6月27日、京都市の「堀河院」と呼ばれた貴族の邸宅跡から30年前に出土した平安時代末期~鎌倉時代初期(12世紀末~13世紀初め)の土器に「いろは歌」のほぼ全文が平仮名で墨書されていたことが分かったと発表した。平仮名で全文がうかがえる資料としては最古という。土器は直径9㌢の小皿。裏面に、いろは47文字のうち43文字が8行に分けて記してあることが判明。4文字は欠損部に書かれていたとみられ、確認できなかった。筆使いはつたなく、同研究所は字を習い始めたばかりの人が、手習いで書いたものではないか-とみている。

邪馬台国の有力地「纏向遺跡」を国の史跡に 文化審答申

邪馬台国の有力地「纏向遺跡」を国の史跡に 文化審答申
 文化審議会は6月21日、邪馬台国畿内説の最有力地とされる「纏向(まきむく)遺跡」(奈良県桜井市)など11件を史跡に、旧城山国民学校校舎など4件の「長崎原爆遺跡」(長崎市)を含む13件を登録記念物にするよう下村博文文部科学相に答申した。このほか「披雲閣(ひうんかく)庭園」(高松市)など2件を名勝に、「新湯の玉滴石産地」(富山市)など3件を天然記念物に、「酒谷の坂元棚田および農山村景観」(宮崎県日南市)など3件を重要文化的景観にそれぞれ指定するよう答申。近く答申通り告示され、史跡は1719件、名勝376件、天然記念物1008件、登録記念物78件、重要文化的景観38件となる。
 纏向遺跡は3世紀初頭に出現し、4世紀初めまで営まれた大規模な集落跡。整然と配置された建物跡や、東海地方など他地域の土器が出土。周辺には卑弥呼の墓との説がある箸墓古墳もあり、古代国家形成期の重要な遺跡と評価した。長崎原爆遺跡は、被爆の跡が残る旧城山国民学校校舎のほか、爆風で落下した浦上天主堂旧鐘楼、位置がずれた旧長崎医科大学門柱、片方の柱が吹き飛んだ山王神社二の鳥居の計4件が登録の対象となった。

「グロテスク」など藤田嗣治の未発表作2点を7月公開

「グロテスク」など藤田嗣治の未発表作2点を7月公開
 神奈川県箱根町のポーラ美術館は、乳白色の肌の表現で知られる洋画家の藤田嗣治(レオナール・フジタ、1886~1968年)の未発表作品2点を含む3点の油彩画を新たに収蔵、7月13日から始まる展覧会で一般公開すると発表した。未発表作品は「グロテスク」(1955年)と「シレーヌ」(1952年)。2作とも藤田が戦後、パリに戻った50年代の作で、寓話や神話の中の幻想的なモチーフを描いている。

正岡子規自ら添削の句稿本見つかる 弟子の句に朱筆

正岡子規自ら添削の句稿本見つかる 弟子の句に朱筆
 俳人の正岡子規が監修した選句集「新俳句」をまとめている過程で、自ら添削した弟子の句稿本12冊が富山県高岡市の私立図書館「眉丈文庫」で見つかった。句稿本は子規に師事していた金沢市出身の俳人、直野碧玲龍(1875~1905年)が詠んだ約1500句が和紙に綴られ、子規が朱筆で丸や二重丸を入れて評価を示したり、語句の手直しなどの添削をしている。病床にありながら、厳しく弟子を指導する姿勢がうかがえる。近代俳句を確立しようとしていた当時の子規の俳句観を知ることができる重要資料という。

福井・勝山市でダチョウ型恐竜の化石発見、国内3例目

福井・勝山市でダチョウ型恐竜の化石発見、国内3例目
 福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)は6月24日、勝山市内の発掘現場で見つかった化石が、ダチョウ型恐竜「オルニトミモサウルス類」の指先の骨と確認されたと発表した。同じ化石の発見は、群馬県神流町、熊本県御船町に次いで3例目。博物館の発掘チームが2008年8月に約1億2000万年前の地層から発見し、種類を特定する作業をしていた。前脚の指先とみられる35㍉と46㍉ほどの2片の骨で、ダチョウ型恐竜に特徴的な細長い形だ。ダチョウ型恐竜は、後ろ足が長く発達しており、俊敏な動きをしていたと推測されている。中国やモンゴルでの発見例が多い。

棺を飾る石製の胸像は被葬者の「遺影」パルミラ遺跡

棺を飾る石製の胸像は被葬者の「遺影」パルミラ遺跡
 奈良県橿原考古学研究所は6月26日、シルクロードの中継地として栄えたシリアの古代都市、パルミラ遺跡で、2世紀に造られた地下墓から出土した頭骨を復顔したところ、棺を飾る石製の胸像が被葬者の「遺影」と分かったと発表した。当時の葬送の様子を探る重要資料という。奈良県は1990年からパルミラの地下墓を調査。今回、91~92年に出土した男性の頭骨2体の復顔をロシアと日本の専門家に依頼。復顔した像どちらも顔の輪郭や目の形などの特徴が胸像と一致した。パルミラは同国を代表する古代遺跡で、世界文化遺産に登録されている。内戦で被害を受け、6月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「危機遺産」に指定された。

京都市内で奈良時代の漆紗冠4点見つかる 長岡京

京都市内で奈良時代の漆紗冠4点見つかる 長岡京
 京都府長岡京市埋蔵文化財センターは6月27日、長岡京跡(784~794年)で、貴族がかぶった漆紗冠(しっしゃかん)が見つかったと発表した。六条大路と東一坊大路の交差点の北西部にある溝から4点出土。漆紗冠は奈良時代、網状の編み物をとじ合わせ、黒漆を塗って仕上げたかぶりもので、五位以上の貴族がかぶっていた。同センターは、長岡京から794年、平安京に遷都する際、捨てられたものではないかとみている。

新たな緊密な両国関係構築に向けオールジャパン協力会議

新たな緊密な両国関係構築に向けオールジャパン協力会議
 インドネシア各地の日本の在外公館と日本人会の代表が集まり、今後の日本・インドネシア両国の関係のあり方を話し合うオールジャパン協力会議が7月2~3日の両日、中央ジャカルタの在インドネシア日本大使館で開かれた。会議には各総領事、ジャカルタ、東ジャワ、バンドン、バリ、西ヌサトゥンガラ州、ソロ、ジョクジャカルタなどの各日本人会の幹部らが出席した。経済成長著しいインドネシアに多くの国々が熱い視線を送る中、各地の日系企業関係者や在留邦人らが、新たな、そして緊密な両国の関係構築に向けた方策を議論した。
 今後の両国のあり方について、「インドネシアがODA(政府開発援助)の対象外になったとしても、国際協力銀行(JBIC)や民間投資を通じて緊密な関係は変わらない」とし、草の根の人的交流や相互の人の行き来などと合わせ、これまで以上に幅広い範囲での関係促進を図っていく必要性などを指摘した。

在スラバヤ総領事館が各国領事夫人招き着物文化を紹介

在スラバヤ総領事館が各国領事夫人招き着物文化を紹介
 在スラバヤ総領事館はこのほど、野村昇総領事公邸に各国領事の夫人を招き、日本の着物文化を紹介した。これは、着物の魅力を海外の幅広い広い人たちにも知ってもらおうと企画されたもので、景子・総領事夫人が色彩豊かな様々な着物を紹介。着用機会にあわせ、暮らしに根ざした日本の着物の魅力を説明した。
 日本食を囲みながら、参加者との話も弾み、格好の交流の場にもなった。また、日本の茶道を紹介する一環として、総領事の長女、真弓さんが出席者の目の前でお茶を点(た)て、外国の参加者は熱心に魅入っていたという。

マカッサル芸術カウンシルの式典に招かれラグラグ会が合唱

マカッサル芸術カウンシルの式典に招かれラグラグ会が合唱
 ラグラグ会マカッサル支部は6月16日、同地のホリゾンホテルで開催されたマカッサル芸術カウンシルの式典のオープニングイベントに招かれ、日本・インドネシア両国の歌を披露した。現在のラグラグ会のメンバー10人(うちインドネシア人6名、日本人4名)は浴衣姿で登場。東部インドネシア地方の代表的な歌「アンギンマミリ」「インドネシアプサカ」、そして日本の「花は咲く」「心の友」の4曲を合唱。
 今回は初の試みとして、マカッサルのクラシック楽団「クラシックミュージック・コミュニティ・マカッサル」と共演。バイオリン、ギターの美しい演奏に乗せて歌い上げ、会場からは温かい拍手が湧き起こった。歌を通じてインドネシアの言葉や文化に親しみインドネシア人との交流を深める、というラグラグ会のコンセプト通りの、ちょっと心温まる、ハッピーな一日となった。