月別アーカイブ: 2013年8月

「清水の舞台」支える柱の修理公開 9月中に終了

「清水の舞台」支える柱の修理公開 9月中に終了
 京都市東山区の清水寺で、国宝・本堂の「清水の舞台」を支える柱の修理が始まり、報道陣に8月22日、公開された。9月中に終了する予定で、修理中も拝観できる。根元が湿気で腐ったり、虫食いの被害に遭ったりしているため、舞台の下にある78本の柱のうち9本を修理する。9本の修理は約380年前の再建以来初めて。作業しやすいように油圧ジャッキで柱を約1.5㌢持ち上げながら、新しい木材を差し入れる。直径60~80㌢で長さは最長14㍍。傷んだ根元部分を切り取り、新しい木材を継ぎ足す「根継ぎ」という伝統的な工法を使う。この日は、継ぎ目部分に深さ20㌢、12㌢四方の大きさの穴をノミで彫る作業が公開された。

伊勢神宮、外宮でも「お白石持行事」始まる 新正殿公開

伊勢神宮、外宮でも「お白石持行事」始まる 新正殿公開
 伊勢神宮(三重県伊勢市)の事務を扱う神宮司庁は8月17日、完成間近の外宮新正殿を公開した。また同日、内宮に続いて外宮でも、この敷地に白石を敷き詰める「お白石持行事」が始まった。これは9月1日まで行われ、20年ごとに社殿を造り替える伊勢神宮の10月の式年遷宮のクライマックスにつながる。正殿はふだんは垣根越しにしか見られないが、この行事に限って一般の市民が近付くことができる。初日は、地元住民ら約7400人が参加。伊勢市内を流れる宮川で集めた白石を「えんや、えんや」の掛け声とともに木ぞりで運び、敷き詰めていった。

約100年ぶりの大修理の正倉院の瓦のふき替え終わる

約100年ぶりの大修理の正倉院の瓦のふき替え終わる
 宮内庁は8月21日、約100年ぶりの大修理が進められている奈良市の正倉院(国宝)で、屋根全体の8割にあたる瓦のふき替えが終わり、報道陣に公開した。ふき替え作業は今秋に終わる見通し。瓦は約2万5000枚を新調する一方、奈良時代の約300枚を含む約8500枚を再利用。屋根の四隅にある鬼瓦8枚のうち、1枚を新調。北東にある明治期に作られた鬼瓦で、江戸期の作とみられる他の7枚とデザインが異なっているため統一する。

遺跡人骨4体目は幼児 群馬県渋川市・金井東裏遺跡

遺跡人骨4体目は幼児 群馬県渋川市・金井東裏遺跡
 群馬県埋蔵文化財調査事業団の調査によると、群馬県渋川市の金井東裏遺跡で、6世紀初め(古墳時代)の火山灰層から見つかった4体目の人骨が幼児のものだったことが分かった。同遺跡では先に、鉄製のよろいを着用した男性の骨が出土していた。

軍師・官兵衛の妻に脚光 早くも福岡の菩提寺に参拝者

軍師・官兵衛の妻に脚光 早くも福岡の菩提寺に参拝者
 豊臣秀吉の軍師、黒田官兵衛が主人公のNHK大河ドラマの放映を来年に控え、早くもその妻、光姫(てるひめ)にも注目が集まっている。光姫が建立した黒田家の菩提寺「円応寺」(福岡市中央区)は、命日の8月26日の「光姫忌」を今年初めて一般公開する。官兵衛が側室を置かなかったことから、良縁を願う若い女性の参拝も目立ち始め、光姫に関する問い合わせが増えてきているという。
 円応寺は、熱心な浄土宗信者だった光姫が1602年に建立。「光姫忌」は今年で三百八十七回忌となる。円応寺によると、光姫は才色兼備の飾らない人柄で、家臣や領民から慕われたという。官兵衛より大柄で”ノミの夫婦”と呼ばれ、夫婦で並ぶときは官兵衛が座布団3、4枚を重ねていたという逸話も寺に残っている。

江戸川乱歩 戦前の代表作「黄金仮面」の生原稿発見

江戸川乱歩 戦前の代表作「黄金仮面」の生原稿発見
 少年探偵団シリーズなどで知られる作家、江戸川乱歩(1894~1965年)の戦前の代表作の一つ「黄金仮面」の生原稿453枚が、8月12日までに発見された。1930ねんから約1年間、講談社の大衆娯楽誌「キング」で連載された作品で、名探偵、明智小五郎と怪盗の闘いを描いている。戦前の乱歩作品の直筆原稿がすべて揃って見つかるのは極めて珍しい。講談社によると、原稿は展示会などに貸し出されていたが、1986年以降に所在が分からなくなった。95年に死去した同社の元編集者の家族が、会社から届いた遺品の中から発見。元編集者が所持していた経緯は不明という。

美空ひばりさん「悲しき口笛」宣伝用レコード発見

美空ひばりさん「悲しき口笛」宣伝用レコード発見
 昭和を代表する歌手、美空ひばりさん(1937~1989年)の最初のヒット曲「悲しき口笛」の宣伝用レコードが、金沢市の金沢蓄音器館で見つかった。ラベルが白いことから”白盤”と呼ばれたサンプル盤で、美空さんが歌で自己紹介している珍しいレコード。レコードはSP盤で、非売品と書かれたラベルに曲名と品番がゴム印で押され、裏面には別の歌手の曲が収録されていた。当時の美空さんはほとんど無名で、曲の前に「こんにちは、皆さん。ごきげんよろしく、美空ひばりでございます。どうぞよろしく」と別のメロディに乗せて楽しく歌いながら自己紹介している。 

NEDOと工業省協力によるバイオ燃料プラント稼働

NEDOと工業省協力によるバイオ燃料プラント稼働
 独立行政法人 新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)と工業省が協力して、東ジャワ州スラバヤに建設した廃糖蜜(モラセス)原料のバイオエタノール製造プラントが8月20日、試運転を開始した。今回のプラントで実績を挙げることで、日本側は砂糖増産を急ぐインドネシアに製造設備を売り込みたい考えだ。
 モラセスは製糖の副産物でトウモロコシと並ぶエタノールの原料。製造したバイオエタノールはガソリンと混ぜて、自動車燃料として使用する。インドネシアは砂糖の40%を輸入しており、需要も増えていることから増産を急いでいる。さらに、二酸化炭素(CO2)排出量を事実上減らせるバイオ燃料の普及も目指している。
 実証事業をしているのは国営第10プルクブナン・ヌサンタラの製糖工場。年間3万㍑のエタノールを生産し、4万6373㌧の温室効果ガス削減が見込まれる。事業費は23億円でNEDOが15億円、残りはインドネシア側が負担した。日本側からは月島機械とサッポロエンジニアリングが参画した。

「もったいない」省エネ啓発ビデオをお披露目 JICAなど

「もったいない」省エネ啓発ビデオをお披露目 JICAなど
 「MOTTAINAI(もったいない)」をキーワードとする省エネ啓発ビデオが完成、8月21日、エネルギー業界関係者らが集まる会議でお披露目された。経済産業省から国際協力機構(JICA)を通じて、インドネシアエネルギー鉱物資源省に派遣されている矢野友三郎政策アドバイザーが音頭を取り、JICAとエネルギー鉱物資源省が共同制作した。
 矢野さんの省エネセミナーをきっかけに結成された私立国際イスラム高校の「MOTTAINAIクラブ」メンバーの高校生や、国民的人気歌手のアグネス・モニカさん、ジャカルタ特別州のジョコウィ知事も登場し、省エネを呼び掛ける。約10分間のビデオでは実写やアニメを使い、冷房の温度調節や、スイッチをこまめに切ることなど、心掛け次第で誰もが簡単に実践できる節電方法を紹介している。近く動画投稿サイトのユーチューブで配信。ネット利用者が多いインドネシアで、”もったいない”文化の広がりを期待している。

堺市の住宅地で”幻の古墳”長山古墳の存在を確認

堺市の住宅地で”幻の古墳”長山古墳の存在を確認
 堺市は7月30日、同市堺区の住宅地で、長山古墳の葺(ふ)き石や埴輪片が初めて見つかったと発表した。長山古墳は文献に記載されていたが、開発で墳丘が削り取られ”幻の古墳”とされていた。築造が4世紀後半とみられ、百舌鳥(もず)古墳群最古級だったことも判明した。同時期の乳岡(ちのおか)古墳とともに古墳群の中で最も大阪湾寄りに位置しており、市は海岸近くから巨大古墳群が形成され始めたことを示すとみている。
 堺市文化財課によると、見つかった葺き石は墳丘のすそに積み上げたとみられる石列。長さ16㍍、幅4㍍、高さ0.5㍍で直線上に並んでいた。前方後円墳の前方部の一部とみられ、長山古墳は100㍍級の前方後円墳だったと判明した。百舌鳥古墳群は4~6世紀に造営され、大山(だいせん)古墳(仁徳陵)など巨大古墳が集まり、44基が現存する。