杉田玄白の漢詩2首発見 将軍家斉との面会の喜び記す

 江戸時代の蘭方医・杉田玄白(1733~1817年)が晩年、西洋医学発展の功績が認められ、江戸城での11代将軍・徳川家斉との面会を許された喜びなどを詠んだ漢詩2首が10月19日までに見つかった。直筆で1枚の紙に記していた。前野良沢らとオランダ医学書「ターヘルアナトミア」を翻訳し、日本で初めて著わされた医学書「解体新書」で知られる玄白が、医学への情熱を生涯燃やし続け、長年の苦労が報われた玄白の感激をうかがわせる貴重な史料といえる。玄白の漢詩が新たに確認されたのは、1936年に漢詩が書かれた日記を子孫が公開して以来、約80年ぶり。
 群馬県高崎市の古書店「名雲書店」の名雲純一さんが今秋、古書市で発見。京都外大の松田清教授らが、玄白の別宅名に由来する「小詩仙翁」の署名があることや、内容が玄白の日記と合致することなどから本物と確認した。