ニホンウナギ絶滅危惧種指定で外食、小売りに波紋

ニホンウナギ絶滅危惧種指定で外食、小売りに波紋

 国際自然保護連合(IUCN)がニホンウナギを「レッドリスト」に加えた波紋が、外食産業や小売り業者の間で広がっている。

 アジア各地の稚魚の不漁などを受け、国内の卸値は3年前に比べて2倍以上に上昇。ただ一転、今年は漁獲量が回復し活ウナギなどの取引価格が春以降、下落している。取扱業者は一息つけそうだったが、回転寿司のくらコーポレーションでは「今回の決定で再び上昇に転じる可能性もある」と懸念する。「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトホールディングスは今春、ウナギを使ったすしの販売を、中国・九州地区の店を除いて休止したほど。

 ゼンショーホールディングスの「すき家」は、うな丼に中国産ヨーロッパウナギを使用。ニホンウナギの調達が難しくなって値上がりすれば「ヨーロッパウナギに需要が流れて値上がりするかも知れない」と警戒する。ニホンウナギだけを取り扱っているスーパー大手のサミットは「中長期では異種のウナギの取り扱いを検討する必要がありそうだ」と語っている。