月別アーカイブ: 2014年8月

大和葡萄酒が20年メドに関西にワイン工場新設

大和葡萄酒が20年メドに関西にワイン工場新設

 山梨県の中堅ワイナリー、大和葡萄酒(甲州市)は2020年をメドにワイン工場を関西に新設する。場所は京都市内か大阪府内となる見通し。かつて京都と大阪でそれぞれ栽培していた古来品種「聚楽葡萄」や「紫葡萄」を栽培してもらえる農家を探し、原料を確保する。

 同社のワイン需要は東京が中心だが、新工場開設で関西にも浸透させる。これにより、関西の売上高比率を現在の1割以下から、10年後には3割に引き上げる。

京大など養殖コスト削減 マダイの品種改良期間短縮

京大など養殖コスト削減マダイの品種改良期間短縮

 京都大学大学院農学研究科は近畿大学水産研究所と共同で、マダイの品種改良期間を短縮する研究に取り組む。生殖細胞改変により、通常40日程度かかる成熟精子形成期間を10日に短縮するメダカでの研究成果をマダイに応用。幼魚から精子が採取できるため品種改良にかかる期間を大幅短縮できる。大型いけすが不要で、陸上水槽で飼育できるので、管理労力とコストも低減できる。

 将来はハマチやクエなど他の魚種へも応用し、養殖魚全般のコストダウンにつなげる考えだ。

大型船漁本格化で水揚げ量増大 サンマ一気に安く

大型船漁本格化で水揚げ量増大 サンマ一気に安く

 シーズン当初の7月の「流し網漁」での記録的な不漁から一転、北海道沖の太平洋でサンマ漁が本格化、大量に漁獲できる「棒受け網漁」の豊漁が続いている。これに伴い、8月初旬に1㌔当たり1万6000円の高値を付けた東京・築地市場のサンマの卸値は、18日以降、同1000円前後で推移している。前年同期に比べ6割安い。

 漁業情報サービスセンターによると、8月10日以降、サンマの水揚げ高は約1400㌧で昨年の2.5倍以上となっている。操業区域でサンマの資源量は回復したとの見方もある。

岐阜大 アジア12大学と連携を本格化 複学位制度も

岐阜大 アジア12大学と連携を本格化 複学位制度も

 岐阜大学大学院連合農業研究科は、アジア12大学と共同研究や博士教育での連携を本格的に始める。インドネシアやバングラデシュの3大学に研究拠点を整備。全大学と同研究科の間でダブルディグリー(複学位)制度の開始に向けた覚書を2014年中に締結する。

 共同研究を推進するため、インドネシア・ボゴール農科大学に天然有機化学、同スプラス・マレット大学に環境科学、バングラデシュ・ダッカ大学に生化学の分野の拠点をそれぞれ設置。博士教育では学生が各国大学と同研究科の双方から指導を受け、二つの学位を取得するダブルディグリー展開する。

認知症不明者の情報共有へ西成署が13機関へ提供

認知症不明者の情報共有へ西成署が13機関へ提供

 認知症の高齢者が各地で長期間行方不明になっている問題を受け、西成署が届け出を受けた行方不明者の名前や顔写真を、西成区役所や消防署など13の公的機関に提供する取り組みを始めた。警察署主導で情報共有のしくみをつくったのは府内で初めてという。

 昨年1年間で署に届け出のあった不明者のうち、認知症だったのは81人。大阪市内で1番多く、府内でも西堺署(86人)に次いで多かった。これまでは必要に応じて、関係機関に情報を提供していた。今後、届け人が希望した場合に限り、名前・年齢・身長・体重・頭髪・服装・顔写真を署のホームページに掲載し、地域に密着した公的機関にメールで連絡することにした。

農水省が15年度から農村の「買い物弱者」支援へ

農水省が15年度から農村の「買い物弱者」支援へ

 農林水産省は過疎化などによる商店の減少で、食料を買うのも困難な「買い物弱者」が増加している地域を対象に、2015年度から買い物支援サービスの創設資金を助成する事業を開始する方針を固めた。

 買い物代行や移動販売といったサービスに必要な車両の購入費用などを補助する。15年度予算概算要求に関連経費を計上する。補助対象となるのは農作業を共同で行う集落営農組織やNPOなどがサービスをするケース。

コンビニの勝者は夏に決まる つゆ改良に各社躍起

コンビニの勝者は夏に決まる つゆ改良に各社躍起

 残暑が厳しいこの季節、まだとてもおでんの季節とは言い難い。だが、大手コンビニエンスストアのレジ前で、早くも“おでん戦争”が繰り広げられている。あまり知られていないことだが、実はコンビニおでんの「つゆ」や「タネ(具材)」は毎年リニュ―アルが図られ、8~9月にかけて各社一斉に“その年の味”が出揃うのだという。

 8月も中旬を過ぎると気温が徐々に下がり、温かいおでんのニーズが高まってくるため、コンビニ各社は早めに商材強化を行う。毎年新しい味に変えるのは、品質のレベルアップはもちろん、消費者を飽きさせないようにするためでもある。

平城京跡で2度の大地震による液状化現象の痕跡

平城京跡で2度の大地震による液状化現象の痕跡

 奈良文化財研究所(奈良市)は8月22日、本庁舎建て替えに伴う発掘調査で、奈良時代以降に起きた2度の大地震による液状化現象の痕跡が見つかったと発表した。現場は平城京跡で平城宮の西側に隣接する一条南大路。大地震の詳細な発生時期は特定できていないが、痕跡は「震度5以上」の強い揺れがあったことを示しているという。

 特定された地層から1度目は8世紀以降、2度目は14世紀以降の地震と推測される。今後は、地層の堆積時期を検証し、地震発生時期の特定を目指す。

関空のコンセッション後押しへ海外で説明会

関空のコンセッション後押しへ海外で説明会

 新関西国際空港会社の安藤圭一社長は、関空の運営権売却(コンセッション)を後押しするために、9月にも欧米の投資家を回り、説明会を開く考えを明らかにした。関西国際・大阪(伊丹)の両空港について今年7月、45年間均等払いの場合で約2兆2000億円を最低予定価格とする実施方針が公表されている。

 安藤氏は内外の投資家に、運営権対価の2兆2000億円は高くないときちんと説明し、国家施策としてコンセッションを成功させたい-などと語った。

兵神機械 船内向け野菜栽培装置を11月に製品化

兵神機械  船内向け野菜栽培装置を11月に製品化

 兵神機械工業(兵庫県播磨町)は、船内で新鮮野菜が育てられる船舶用水耕栽培装置を実用化する。開発した試作機を8月末に内航船に搭載し、育成状況を調査したうえで、11月ごろの製品化を目指す。価格は1機当たり50万円以上とする。年間40~50隻の船舶への設置を目指すほか、外航船や防衛省向けの装置開発も進める。栽培装置は高さ895㍉×横幅848㍉×奥行き465㍉、重量は70~80㌔。船内に置きやすいよう小型軽量化する。

 鉄製で電源は船側から受け、下に循環用ポンプと水タンク、上に水耕用トレーを配置し、上部天井から発光ダイオード(LED)ライトで照らすしくみ。一度に30株弱のレタス系やアブラナ系のベビーリーフの種を蒔けば20~30日で収穫できる。11月に「マリンオンディーネ(仮称)」として製品化を目指す。