月別アーカイブ: 2014年9月

奈良・平城宮跡で奈良時代の皇族らの宴「観月会」を再現

奈良・平城宮跡で奈良時代の皇族らの宴「観月会」を再現

奈良市の平城宮跡・東院庭園で9月27日夜、奈良時代の皇族らの「宴(うたげ)」を再現する「観月会(え)」が開かれた。招待客約130人が当時の食べ物を楽しむなどし、貴族文化の雰囲気を体験した。同市の奈良文化財研究所が企画し、古代のチーズとされる「蘇(そ)」や、濁り酒「白酒(しろき)」などを用意。参加者は月を眺めながらこれらを味わい、研究員から当時の貴族らの暮らしぶりなどについて解説も受けた。

会場の舞台では天平衣装のファッションショーや雅楽の演奏も。貴族や女官に扮した、色鮮やかな装いの約20人が優雅に歩くと、宴席からため息がもれた。

快慶作・執金剛神立像内部から僧重源の依頼裏付ける古文書

快慶作・執金剛神立像内部から僧重源の依頼裏付ける古文書

高野山文化財保存会は9月26日、高野山・金剛峯寺(和歌山県高野町)が所蔵する仏師・快慶作の「執金剛神立像」(国重要文化財)の内部から「建久8(1197)年」や、鎌倉時代に、焼失した東大寺を再興した僧・重源を示す「南無阿弥陀仏」とした古文書が見つかったと発表した。

重源が自らの活動を記した記録「南無阿弥陀仏作善集」に、高野山の寺に納めた仏像として「執金剛身深蛇大将像」などの記述があり、今回の古文書も仏像が重源の依頼で造られたことを改めて裏付けるという。像は木造で高さ1.5㍍。2011年には内部から仏師が快慶であることを示す墨書も見つかっていた。この仏像と一対で造られた深沙大将立像も快慶の作とされる。

「梅干しでおにぎり条例」可決 和歌山県・みなべ町

「梅干しでおにぎり条例」可決  和歌山県・みなべ町

日本一の梅の生産量を誇る和歌山県みなべ町の議会で9月26日、特産の「南高梅」の梅干しを使っておにぎりを作るよう町民に呼びかける「梅干しでおにぎり条例」が可決、成立した。施行は10月1日。減少傾向にある梅の消費拡大が狙いという。

同町によると、梅の生産量は全国の3割近くを占める2万5000㌧超。7割以上は梅干しとして出荷される。条例には町民の役割として、梅干しでおにぎりを作ることなど南高梅の普及促進に協力することを明記している。総務省統計局の調査によると、全国の 1世帯当たりの梅の年間消費量は2000年は853㌘だったが、13年は754㌘に現象。販売価格も1割以上落ち込んでいる。

マグロの完全養殖 極洋が17年から年200㌧規模で開始

マグロの完全養殖 極洋が17年から年200㌧規模で開始

水産大手の極洋と日本配合飼料は2017年から、卵から人工で育てる完全養殖クロマグロの出荷を年間200㌧規模で始める。マグロの漁獲規制が強化される中、近畿大学が先行する完全養殖を国内最大級の規模で事業化する。天然資源に影響を与えないマグロが増えれば、スーパーや飲食店向けの安定供給に一定の役割を果たすとみられる。

極洋と日本配合飼料が2012年に共同出資して設立した極洋日配マリン(愛媛県愛南町)が、14年8月から9月にかけて陸上の生け簀(す)で育てていた第2世代の稚魚1万4000匹を、宇和海上の生け簀に移すことに成功した。完全養殖事業だけに、天然の魚から採卵して人工授精で生まれた第1世代を育て、成長した第1世代同士を掛け合わせて、第2世代、第3世代を育てながら成長した魚を出荷する。

事業化に向けて1億円を投じて、宇和海上の生け簀を10基から14基に増やして、年約3万匹の稚魚を育てられる体制にする。成長したクロマグロは極洋の加工施設でさばいたものを、取引のある大手回転すしなど飲食店や小売店に直接販売する。

JR東日本フード 高級スーパー・紀ノ国屋と飲食店

JR東日本フード  高級スーパー・紀ノ国屋と飲食店

JR東日本子会社のJR東日本フードビジネス(東京都北区)は高級食品スーパーの紀ノ国屋(東京都港区)と提携して飲食店を開く。場所はJR三鷹駅(東京都三鷹市)の商業施設、アトレヴィ三鷹で、店名はワインバル&カフェ「キノクニヤ ヴィノ キッチン」。店舗面積は約140平方㍍で、客席数は50。平日は午前7時から午後11時まで営業する。紀ノ国屋の店舗に隣接しており、同店の食材を使った料理やワインなどを提供する。紀ノ国屋のブランドや商品力との相乗効果を狙う。

クールジャパン投資第1弾 民間合わせ600億円規模

クールジャパン投資第1弾 民間合わせ600億円規模

官民ファンドのクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)は9月25日、第1弾となる投資案件を発表した。同機構は4件で140億円強を投じ、民間資金と合わせると最大約600億円規模となる。日本のアニメやファッションなど海外で人気がある若者文化を産業として後押しする。

海外に漫画やフィギュアなどを売り込むベンチャー企業に出資。インターネットで通信販売するトーキョーオタクモード(米デラウェア州)に同機構が今後3年間で最大15億円を投資する。民間のベンチャーキャピタルからも追加出資を募り、米国や東南アジアでの物流拠点の整備や、マーケティングの強化費用に充てる。また、和食を東南アジアに売り込むため物流網も整える。川崎汽船と日本ロジテムと組み、ベトナム・ホーチミン郊外で官民合計で15億円出資する。冷凍・冷蔵できる大型の倉庫を2016年までに建設する。

マレーシアのクアラルンプールでは三越伊勢丹ホールディングスが展開する百貨店を全面改装。テナントを入れ替え、ほぼ日本の商品を扱う店にする。中国・寧波市ではエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングと組み、日系で最大級の百貨店を建設する。

ハノイ工業大と提携しベトナムに人材養成校 南富士

ハノイ工業大と提携しベトナムに人材養成校  南富士

南富士(静岡県三島市)は、ベトナムのハノイ工業大学と提携して7月に、建築現場や工場などで働く人材の養成校「マイスタースクール」をハノイに開校した。また年内にも、中国やインドネシアでも実績がある経営幹部候補の養成機関「グローカル・マネジメント・カレッジ(GMC)」をベトナムで開く予定。人手不足の日本企業やアジアに進出した日系企業に有能な人材を供給する。GMCは中国やインドネシアでも開設しており、ベトナムは3か国目。

マイスタースクールには、ハノイ工業大の新卒者のうち希望者に知能指数検査を実施。面接を経て12人が受講した。南富士の本社から社員を派遣し、まず「建築・屋根工事コース」で、10月まで日本語と工事などの専門知識を教える。受講後、南富士は日本で社員として雇用する。

10月から電気・電子、自動車、機械の3コース(定員は各10人)を設ける。受講後は日本企業に就職先を紹介する。卒業生は就労ビザを得る予定で、長期雇用が可能という。 南富士の2014年3月期の売上高は55億円で、主幹事業は屋根や外壁工事。日本経済新聞などが報じた。

10/5 OAP一帯で天満音楽祭 過去最多360団体・個人出演

10/5 OAP一帯で天満音楽祭 過去最多360団体・個人出演

大阪市北区天満橋1のOAPタワーを中心とする天満地区一帯で10月5日、「第15回天満音楽祭」が開かれる。ライブハウスや学校、教会など34会場で過去最多の約360団体・個人が出演しポップスやジャズ、クラシックなど多彩なジャンルの音楽が楽しめる。各会場ごとにテーマやジャンルが設定されており、当日は会場間を無料シャトルバスが走る。今年は4日午後2時半から「関テレ扇町スクエア」で、初の前日祭も開かれる。プログラムはhttp://www.ten-on.jp/ 。

 

14年産米の作況「平年並み」西日本は平年下回る

14年産米の作況「平年並み」西日本は平年下回る

農林水産省は9月26日、2014年産米の作況指数(15日時点、平年=100)が全国平均で「平年並み」の101になったと発表した。天候に恵まれた北海道や東北を中心に、東日本はおおむね順調に育っている一方で、記録的な豪雨に見舞われた西日本は、低温や日照不足などの影響で平年を下回っている。

作況指数は12月に確定するが、このまま生育すれば4年連続で100を超えそうだ。農水省は、主食用米の収穫量を789万9000㌧と予想。7月に公表した需要見通しの777万9000㌧を上回りそうだ。

都道府県別で指数が最も高かったのは北海道の108で「良」。岩手、茨城が105。沖縄は88の「不良」、広島、山口、徳島、香川が95の「やや不良」となった。全国の作付面積は昨年から8000㌶減って163万9000㌶を見込む。

創業100年以上の近畿の長寿企業4678社 大阪最多

創業100年以上の近畿の長寿企業4678社 大阪最多

帝国データバンク大坂支社は9月26日、近畿2府4県の創業100年以上の「長寿企業」が4678社(個人経営、各種法人を含む)になったと発表した。全企業に占める割合は2.16%で全国の1.89%を上回った。京都府は4.0%で全国1位だった。府県別では、大阪府が1435社(全国2位)と最多で、京都府の1163社(同5位)、兵庫県の992社(同6位)と続いた。業種別では、製造業が1330社と最多で、次いで卸売業の1243社、小売業の941社となった。

帝国データバンクの調べでは、全国で最も古い企業は、世界最古の創業西暦578年とされる木造建築工事の金剛組(大阪市)で、2位は生け花の池坊華道会(京都市)の587年だった。