月別アーカイブ: 2015年3月

「条ウル神古墳」は70㍍規模 被葬者は巨勢氏が有力

「条ウル神古墳」は70㍍規模  被葬者は巨勢氏が有力

蘇我馬子の墓と有力視される石舞台古墳(奈良県明日香村)に匹敵する巨大横穴式石室が13年前に確認された奈良県御所市の「条(じょう)ウル神(かみ)古墳」(6世紀後半)が全長約70㍍の前方後円墳であることが分かった。同市教育委員会が3月27日発表した。これまで墳形や大きさが不明だった。また、被葬者は奈良盆地南西部を本拠し、ヤマト政権の一翼を担った有力豪族、巨勢氏の可能性が高いとみている。

土井晩翠がローマから薄田泣菫に宛てた書簡発見

土井晩翠がローマから薄田泣菫に宛てた書簡発見

岡山県倉敷市は3月27日、「荒城の月」の作詞者として知られる土井晩翠(1871~1952年)が、イタリアのローマから倉敷市出身の詩人、薄田泣菫(1877~1945年)に宛てた書簡が見つかったと発表した。これは1903年ごろ、2枚の絵はがきとスミレの押し花を封筒に入れ、晩翠が留学していたローマから送ったもの。

「未だ御目にかからず候へとも一筆御免被下度」と始まることから、まだ面識がなかったが、尊敬する薄田に手紙を書いたとみられる。スミレの花は薄田が愛読した英国を代表する詩人ジョン・キーツの詩集で詠まれており、薄田のペンネームにも使われた。晩翠はキーツの墓のそばに咲いていたスミレを押し花にして送っていた。薄田の子孫が倉敷市に寄贈した書簡類から見つかった。

与謝野鉄幹・晶子夫妻が薄田泣菫に宛てた書簡見つかる

与謝野鉄幹・晶子夫妻が薄田泣菫に宛てた書簡見つかる

岡山県倉敷市は3月27日、歌人の与謝野鉄幹(1873~1935年)、晶子(1878~1942年)夫妻が、詩人で随筆家の薄田泣菫(1877~1945年)に宛てた書簡46点が見つかったと発表した。鉄幹は雑誌『明星』の運営難を吐露し、晶子は恐縮しながら原稿料の送付を依頼するなどしており、当時の与謝野家の苦しい台所事情がうかがわれる。

同市出身の薄田泣菫は大阪毎日新聞社の学芸部長なども務めた。書簡の日付は夫妻が20歳代から40歳代だった1900年から19年で、泣菫の遺族から同市に寄贈された約1700点の資料の中にあった。晶子は1913年11月27日付で「心ぐるしき極み」としたうえで、「稿料をすこしご送附たまはらば」と催促。17年3月8日付には「金十七円(現在の約8万~13万円)をかはせでおおくり下さいまして ありがたく存じます」と綴っている。調査した加藤美奈子・就実短大准教授は「年齢の近い泣菫には、苦労も打ち明けやすかったのでは」とみている。

 

リニア大阪開業「同時・早期に」首都圏でも87%

リニア大阪開業「同時・早期に」首都圏でも87%

大阪府、関西経済連合会、大阪商工会議所などでつくるリニア中央新幹線全線同時開業推進協議会は、首都圏と関西圏の会社員にリニアの利用意向を尋ねたインターネット調査の結果をまとめた。その結果。大阪までの同時開業か早期開業を望む人が関西圏で91%、首都圏でも87%に達した。2027年の東京~名古屋間の開業後に、東京~大阪を行き来する際、リニアと新幹線を乗り継ぐと答えたのはわずか12%、79%は主に新幹線を使うと答えた。調査は1~2月に実施され、関西圏940人、首都圏149人が回答した。

クロマグロ”産みの親”はサバ 東京海洋大学が新養殖技術

クロマグロ”産みの親”はサバ 東京海洋大学が新養殖技術

サバにマグロの稚魚を産ませる養殖技術にいま、大きな期待が集まっている。東京海洋大学の吉崎悟朗教授らが、クロマグロの卵と精子になる生殖細胞をサバに移植する実験に成功し、今夏にも産卵する見通しとなった。クロマグロは成魚になるまで5年かかり、親となる魚の維持・管理には100㌔㌘の巨体を支える巨大ないけすが必要となる。一方、サバの成魚は体重300㌘程度で小型の水槽で飼える。1年で産卵できる。スペースや水槽を管理する労力、維持にかかるコストの大幅な削減が見込める。

実現の要となるのが卵や精子になるおおもとの「精原細胞」だ。オスの精子をつくる生殖細胞だが、メスの腹に移植すると卵をつくることを発見した。採取したマグロの生殖細胞をサバの腹に注射すると、精子や卵をつくる生殖腺が出す物質に引き寄せられて、サバの生殖腺の中に入っていった。そのままサバの体で成長すれば、マグロの精子や卵ができる。

ただ、サバが自分の精子と卵をつくると、マグロのものと混ざってしまう。そこで温度を変えて染色体の数を増やす手法などで、生殖機能をなくす不妊化技術をサバに施し、移植したマグロの生殖細胞だけが生き残るようにした。こうした技術が実り、サバをマグロの代理親に使うところまで研究が発展した。

外国人介護福祉士の国家試験合格率44%に上昇

外国人介護福祉士の国家試験合格率44%に上昇

厚生労働省は3月26日、2014年度の介護福祉士の国家試験で、経済連携協定(EPA)に基づく外国人候補者の合格者数が78人だったと発表した。合格率は44.8%で、前年度に比べ8.5㌽上昇した。介護福祉士国家試験を受けた外国人候補者は計174人で、このうちインドネシア人が85人、フィリピン人が89人。日本人を含めた全体では15万3808人が受験し、9万3760人が合格した。合格率は61.0%(前年度比3.6㌽低下)だった。外国人にとって日本語の専門用語などが高いハードルとなるが、今年度は以前の試験で不合格となり、再受験した人の合格率が上がった。

15年米粉用米の生産は前年並みの1万8000㌧ 農水省

15年米粉用米の生産は前年並みの1万8000㌧ 農水省

農林水産省は3月26日開いた食糧部会で、2015年産の米粉用米の生産量が14年産と同じ1万8000㌧になるとの見通しを示した。ピークの11年産(4万㌧)と比べると55%少ない。小麦粉に対する割高感からパンなどの原料になる米粉の需要が伸び悩んでいる。25年産で10万㌧の生産目標を達成するために、ピューレなどの原料として米粉用米の利用を促進する方針を提示した。

都構想 賛否両派が演説、デモ 動き熱帯びる

都構想 賛否両派が演説、デモ 動き熱帯びる

大阪市を廃止・再編する「大阪都構想」の是非を問う住民投票が5月17日に実施されることが決まり、政党や市民団体の活動が熱を帯びてきた。4月3日に大阪府・市議選の告示を控えた3月28日、大阪市内では推進、反対両派がそれぞれの訴えを浸透させようと、デモ行進や街頭演説を行った。

大阪維新の会の橋下徹代表(大阪市長)と松井一郎幹事長(大阪府知事)はJR天王寺駅周辺で演説。一方、都構想に反対する市民団体「民意の声」(浅野秀弥代表)などの呼びかけで約1000人(主催者発表)が大阪市のメインストリート、御堂筋をデモ行進。自民、民主、共産の市議らも姿を見せた。

国産豚肉卸価格は前月比2割安 学校給食需要減などで

国産豚肉卸価格は前月比2割安  学校給食需要減などで

国産豚肉の卸価格が下げている。東京食肉市場では3月26日、指標となる上枝肉の平均卸価格が1㌔当たり522円と2月の平均に比べ2割近く安い水準だ。春休みで学校給食がなくなったことに加え、米国西海岸の港湾の労使対立で、物流が滞っていた米国産豚肉の出回りが回復し、国産への引き合いが弱まっているためだ。国産豚肉の2月の卸価格は前年比3割超高い水準だった。

春日大社で「仮殿遷座祭」ご神体を仮殿に移す

春日大社で「仮殿遷座祭」ご神体を仮殿に移す

春日大社(奈良市)で3月27日夜、国宝・本殿などを20年に一度修復する式年造替(しきねんそうたい)に伴い、工事前にご神体を別の建物に移す儀式「仮殿遷座祭(かりでんせんざさい)」があった。暗闇に提灯を携えた神職の列が参道を進み、白い大幕をくぐって本殿へ向かった。花山院弘匡宮司が小声で「秘文ノ祝詞(ひもんののりと)」を奏上。神職の「オー」という声と雅楽の演奏が響く中、ご神体4柱が本殿の西側にある移殿に運ばれた。ご神体を再び本殿に戻す「本殿遷座祭」は2016年11月に行われる。