東芝 農業分野での技術革新で自治体・団体と連携協定
東芝は鹿児島県、日本食農連携機構と、農業分野での技術革新に関し連携することで協定を結んだ。今後3者は鹿児島県の農業に対し、安定的な成長に貢献する技術を開発する。農産物や農業生産活動への付加価値を創出するのが狙い。東芝が保有する電解機能水などの衛生関連技術と、鹿児島県が持つ農業関連の政策的資源、日本食農連携機構の知見やネットワークを活用する。3者の技術や知見を効果的に組み合わせ、農産物の生産や加工、流通、販売の各段階で技術革新を起こす意向だ。
文豪・谷崎が愛娘に宛てた28年間の225通の書簡見つかる
文豪、谷崎潤一郎(1886~1965年)が、最初の妻千代との間に生まれた一人娘、鮎子(1916~94年)に送り続けた未発表の書簡225通が見つかった。背徳かつ官能的な作風ゆえに「悪魔主義」とも評された谷崎の、愛情あふれる父親像がうかがわれる資料だ。また、作家で詩人の佐藤春夫(1892~1964年)に宛て、人妻との恋を打ち明けた手紙1通も発見された。いずれも神奈川県近代文学館(横浜市)が4月4日から公開される。
鮎子宛ては1930年8月~58年12月の長期にわたる。谷崎と離婚した千代が佐藤春夫と結婚し「細君譲渡事件」と世間を騒がせた頃に始まり、宛名は<佐藤春夫様方 谷崎鮎子殿>となっている。文面は<パーマネントは小生が趣味として不賛成なのではなく、あれをすると気が赤くなり減る恐れ>(38年8月)と22歳の鮎子の髪を気遣っている。初孫誕生後の44年11月は<もう立つちや あんよが出来る時分と楽しみに致し居り候>と幼児語を使っている。
佐藤宛の発信日は33年3月23日で、代表作の一つ「春琴抄」の執筆時期にあたる。谷崎は千代の後、別の女性と結婚していたが、<小生一人(略)変名にて神戸の方へ宿を取り居候(コノ事絶対秘密)>と不和を告白。後に結婚して添い遂げることになる人妻の松子への熱情や、現在抱える離婚交渉の難しさも書き、佐藤への信頼がうかがえる。
同館で5月24日まで「没後50年 谷崎潤一郎展」を開催中。
関西圏の戦略特区 規制緩和要望100件中認定わずか7件
岩盤規制の打破により産業の活性化を目指す「国家戦略特区」(全国9地域)の一つに大阪府・京都府・兵庫県の全域が「関西圏」として2014年3月28日に選定されてから1年が過ぎた。この間に3府県から出された約100件の規制改革要望のうち、実際に規制が緩和された認定事業はわずか7件のみにとどまっている。関係者からは緩和のスピードアップを求める声が上がっている。
保険診療と保険の利かない診療を組み合わせる「混合診療」拡充に向けて、海外未承認の医薬品にも審査機関の短縮特例を適用する要望は、「安全面で必要な証明が速やかにそろうとは言い難い」(厚生労働省)として、ごく一部しか認められなかった。関係者からは「要望から1年以上かかるのでは、特区の意味がない」(関西の自治体担当者)との声も漏れる。大阪商工会議所の佐藤茂雄会頭も「スピード不足と言わざるを得ない」と指摘している。関西の政財界は現在、再生医療製品を短期間で実用化できる制度を、特区内では医薬品や医療機器にも認める要望など、優先項目を絞って国に実現を求めている。