月別アーカイブ: 2015年7月

「三輪そうめん」ブランド再興目指し業界一丸

「三輪そうめん」ブランド再興目指し業界一丸

そうめん発祥の地とされ、かつては業界をリードした奈良県桜井市の「三輪そうめん」業界が一丸となって、ブランド再興を目指している。ライバル業者同士が工場を相互見学するなど「秘中の秘」も明かし合い、”手の内”を見せ合って、品質向上に取り組む。国の「地理的表示保護制度」も活用して、兵庫や長崎など他産地との差別化を図る。
そうめんは奈良時代に宮司の子孫が、飢饉対策で作った保存食が起源という。江戸時代には播州(兵庫県)、小豆島(香川県)、島原(長崎県)など各地にそうめん製造の技法が伝わった。2009年の手延べそうめん生産量(小麦粉使用料ベース)は兵庫の2万117㌧、長崎の1万3566㌧に対し、奈良は3位の3669㌧と大きく水をあけられた。
さらに14年夏の商戦では、天候不順などで売り上げが前年比で1割も落ち込み、県三輪素麺工業協同組合の約80社は、最近10年以上なかった生産調整に踏み切った。通常は冬場から6月末まで続く生産を4月で中断したのだ。これで、危機感を共有したという。
三輪そうめんの需要振興に向け、県内の大学と連携した商品開発、宿泊付きの手延べそうめん体験などの計画も進行中だ。

関西底上げに努力 武内・近畿財務局長就任会見

関西底上げに努力 武内・近畿財務局長就任会見

近畿財務局の武内良樹局長(55)は7月10日、大阪市内で就任後初の記者会見を開き、「日本経済の成長には、関西が東京と並んで元気を出すことが不可欠。関西の中小企業がが持つ最先端の技術や知見を有機的につなげていくことが求められる」と述べ、関西経済の底上げに努める考えを示した。
関西経済の現状については、「訪日外国人観光客の増加で(景況は)底堅い。スマートフォン向け電子部品の生産も堅調で、好材料が多い」と評価。そのうえで先行きに関しては「中国経済の動向など注意深く見ていく必要がある」と指摘した。

新たに4件を地域産業資源に認定 近畿経産局

新たに4件を地域産業資源に認定  近畿経産局

近畿経済産業局は、地域の工業品や観光資源を活用した新商品の開発を支援する「地域産業資源活用事業計画」の認定対象に京都、大阪、兵庫3府県の計4件を新たに選んだ。外国人客が大阪で短時間で楽しめるツアーも含めた。同局は、同事業で累計178件を認定してきているが、大阪府内の観光資源を活用したサービスの認定は初めて。

寒天3年ぶりに値上がり 天候不順と円安で

寒天3年ぶりに値上がり  天候不順と円安で

和菓子やトコロテンなどに使われる寒天の卸価格が3年ぶりに上昇した。夏場の需要期に向け、糸状の細寒天は1㌔4950円前後と前月比150円(3.1%)高い。棒状の角寒天も2本147.5円前後と同5円(3.5%)値上がりした。
原料のテングサが国産・輸入品とも値上がりした。国産テングサは収穫期の6月に天候不順に見舞われ、収穫量が前年より1割減った。輸入テングサは円安で値上がりしている。寒天製造用テングサの1~5月の輸入単価は1㌔509円だった。2014年平均に比べ11%、13年平均に比べ16%値上がりしている。

遠藤商事HD 長野・地元農家と連携しイタリア料理店

遠藤商事HD 長野・地元農家と連携しイタリア料理店

ファストフードピザ店「ナポリス」を運営する遠藤商事ホールディングス(東京都渋谷区)は7月10日、長野県塩尻市に地元農家と組んだ新業態のイタリア料理店を開業する。厳選した地元食材を直接仕入れ、観光客や地元客らなど幅広く集客する。
「リストランテ ピッツェリア ナポリ 長野塩尻」(長野県塩尻市)を住宅街の一角に開く。地元農家が生産した野菜や肉、新潟などから直送した鮮魚を使った料理を提供する。直売所から直接仕入れるなど食材にこだわった。

近畿大とパナマ政府がキハダマグロの稚魚成育に成功

近畿大とパナマ政府がキハダマグロの稚魚成育に成功

近畿大学とパナマ政府、国際協力機構(JICA)が、中米パナマで海上のいけすでキハダマグロの稚魚を成育することに成功した。JICAパナマ支所の小林一三所長によると、このプロジェクトが目指しているキハダマグロの世界初の完全養殖のプロセスは最終段階に近づいた。
6月半ばに全長約6㌢の稚魚約240匹を海上のいけすに移送。8日の時点で約4割が生き残り、約3倍の20㌢前後に成長した。背びれに電波発信機と個体番号を書いたタグを釣り針で付け、今後放流し、番号を基に約2年かけて産卵状況などを探る。
近畿大はクロマグロの完全養殖に世界で初めて成功した実績があり、キハダマグロへの応用を目指して2011年から研究している。共同通信などが報じた。

英品評会でサントリー「響21年」V3

英品評会でサントリー「響21年」V3

サントリーホールディングスは、英国で開催されたお酒の国際品評会「第20回インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」で、子会社ビームサントリーが製造する「響21年」がウイスキー部門の最高賞を3年連続で受賞したと発表した。
世界の400を超えるウイスキーから選ばれた。

15年度の関西経済成長率を下方修正 日本総研

15年度の関西経済成長率を下方修正  日本総研

日本総合研究所は7月9日、関西の2015年度の実質経済成長率を1.1%とする予測を発表した。前回(14年12月)予測の1.2%から0.1㌽下方修正した。関西電力による電気料金の再値上げや、中国経済の減速などに伴う輸出の鈍化などで、全国予測の1.5%を下回る見通しだ。
関電に値上げは、顧客企業の負担増などで関西の域内生産を2662億円減少させると分析中国経済の減速は、アジア向け輸出の割合が高い関西で影響が大きく出るとみている。
16年度の予測も、企業の設備投資が減速するとして前回予測より0.1㌽引き下げ、1.0%にとどまるとみている。

高級ブドウ「ルビーロマン」初セリで1房100円

高級ブドウ「ルビーロマン」初セリで1房100万円

石川県が開発した高級ブドウ「ルビーロマン」が7月9日、金沢市中央卸売市場で今季の初セリにかけられ、出荷された31房のうち1房が、これまでで最も高額の100万円で競り落とされた。過去最高額だった昨年の1房55万円を大きく上回った。卸売業者が競り落とし、ホテル日航金沢が購入した。

7/10「納豆の日」に訪日客向けに”糸引かない納豆”

7/10「納豆の日」に訪日客向けに”糸引かない納豆”

7月10日は「納豆の日」。新しい納豆の食べ方など東京をはじめ全国各地で様々な納豆の需要振興イベントが行われた。中でも今年、新しい用途として注目されたのが、いま急増している訪日外国人観光客向けに開発された”糸引かない納豆”、「豆の香(まめのか)」だ。
これは、納豆の主要産地の茨城県の企業らが開発した、においと粘りを抑え、外国人にも受け入れやすくした商品で、すでにフランスの食品市に出展され、北米や東南アジアの企業での商談も進んでいる。
「なっ(7)とう(10)」の語呂合わせで、昭和56年(1981年)、関西納豆工業共同組合が7月10日を、関西地域限定の記念日として定めたのが始まり。その後、全国納豆共同組合連合会が平成4年(1992年)に改めて、7月10日を「納豆の日」と決めたことで全国的な記念日になった。
訪日外国人向けに開発された、粘つき感のない”糸引かない納豆”。日本人の感覚から言えば、これはまさしく「納豆に似て、非なるもの」だ。しかし、膨大な数の訪日外国人の何割かの人たちに支持される食材になるのなら、それはそれで良しとしなければならない。