富山城下町遺跡・町人居住地域で江戸後期のトイレ発見

富山城下町遺跡・町人居住地域で江戸後期のトイレ発見

富山市埋蔵文化財センターによると、富山市西町の富山城下町遺跡から、便所とみられる江戸時代後期(18世紀後半~19世紀半ば)の遺構が見つかった。同県内の遺跡でトイレ跡が見つかったのは初めて。土壌から野菜や魚を食べたときに感染する寄生虫の卵が検出された。
遺構は直径80~100㌢、深さ40㌢の穴。中からトイレットペーパーの代わりに使った「籌木(ちゅうぎ)」とみられる細長い木片が出土した。また、土壌分析の結果、回虫や鞭虫(べんちゅう)、肝吸虫(かんきゅうちゅう)といった寄生虫の卵が多数見つかった。このほか、全国の便所遺構で出てくることが多いイネやソバなどの花粉、ウリの種もあった。
現場は江戸時代、富山城下町の町人が住んだエリアで、北陸街道や飛騨街道から近い一等地。これまで荷札にあたる「木札(きふだ)」などが発掘され、有力な商人の屋敷があったと考えられている。