前方後円墳の原型か 橿原で大型の円形周溝墓見つかる

前方後円墳の原型か 橿原で大型の円形周溝墓見つかる

奈良文化財研究所は5月12日、奈良県橿原市城殿町の瀬田遺跡で、前方後円墳の原型と考えられている陸橋を持つ弥生時代末期(2世紀中ごろ~後半)の大型円形周溝墓(直径約31㍍)が見つかったと発表した。
墳丘は失われていたが、周溝ははっきり残り、国内最大級の規模。奈良県内では初の発見で、専門家は「前方後円墳を考えるうえで重要な史料」とみている。また同研究所では「纏向石塚古墳(3世紀初め)など『纏向型』と呼ばれる前方後円墳につながる形を持つ周溝墓だ。奈良県内で見つかったことに大きな意義がある」としている。
今回見つかった周溝墓は墳丘部の直径約19㍍、幅6~7㍍、深さ約50㌢の溝を巡らせ、南西部に長さ約7㍍、最大幅6㍍の陸橋がついていた。埋葬施設は見つかっていない。現地説明会は5月15日、午前10時~午後3時。