月別アーカイブ: 2017年3月

藤原定家『明月記』の「赤気」はオーロラ 極地研など

藤原定家『明月記』の「赤気」はオーロラ 極地研など

国立極地研究所や国文学研究資料館などのチームは、平安・鎌倉時代の著名な歌人、藤原定家(1162~1241年)が日記『明月記』に書き記した「赤気(せっき)」という現象について、研究・解析した結果を米地球物理学連合の学術誌に発表した。
これによると、赤気とは「太陽の異常な活発化によって京都の夜空に連続して現れたオーロラだった可能性が高い」という。同チームは過去2000年の地磁気の軸の傾きを計算した。その結果、北米大陸方向に傾いている現在の軸が、1200年ごろには日本列島側へ傾いていてオーロラが出現しやすい時期だったことが分かった。また、中国の歴史書『宋史』の同2月の記録に「太陽の中に黒点があり、ナツメのように大きい」と書かれていることに着目。この時期は太陽活動が活発化していた可能性が高いと分析した。
明月記には1204年2~3月にかけて、京都の北から北東の夜空に赤気が連続して現れ、定家は「山の向こうに起きた火事のようで、重ね重ね恐ろしい」と書き記している。この時代、連続したオーロラの観測記録としては国内最古という。

「聖徳太子」「鎖国」復活へ 指導要領改訂案を修正

「聖徳太子」「鎖国」復活へ 指導要領改訂案を修正

文部科学省は、小中学校の学習指導要領の改訂案で不評だった「聖徳太子」「鎖国」など歴史上の人物や出来事などの表記を一転、元に戻したり、復活させることが分かった。こうした修正を反映した指導要領は3月末に告示される。
文科省は3月15日まで改訂案について、パブリックコメントで意見を募った。その結果、とくに不評だったのが聖徳太子の表記。改訂案では、小学校で「聖徳太子(厩戸王=うまやどのおう)」、中学校は「厩戸王(聖徳太子)」としていた。これは学会などの歴史研究を踏まえたものだった。しかし、「小中学校で表記が異なると教えづらい」といった声が出て、国会でも「歴史に対する冒瀆(ぼうとく)だ」などの批判の声が相次いだ。
このため、文科省は小中学校とも「聖徳太子」に戻し、中学の指導要領には「古事記や日本書紀で『厩戸皇子』などと表記され、のちに『聖徳太子』と称されるようになった」などと加えることにした。

ヤクルト ベトナム・カントー市に支店開設 販路拡充

ヤクルト ベトナム・カントー市に支店開設 販路拡充

ヤクルト本社(東京都港区)は、4月1日からベトナムヤクルトにより、カントー市にベトナムで9カ所目となる支店を開設し、カントー市および周辺都市で宅配チャネルによる販売を開始する。
カントー市はベトナム南部のメコンデルタ地方最大の都市で、ベトナム最大都市ホーチミン市から西南約160㌔に位置する。同市へはこれまでホーチミン市から供給、納品していた。
宅配は希望小売価格65ml・5本パック2万3000ドン(約115円)で、2017年12月度の販売目標は7400本/日。

世界生活費ランキング1位シンガポール アジア上昇

世界生活費ランキング1位シンガポール アジア上昇

英経済誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が発表した「世界の生活費」ランキングによると、シンガポールが引き続きトップとなった。円高の影響で東京と大阪がそれぞれ4位と5位になり、10位以内に復活した。
2位は香港、ソウルが6位で、上位10位の半分がアジアの都市となるなど、アジアの都市の再上昇が目立った。一方、最も生活費が安かったのはカザフスタンアルマトイ、次いでナイジェリアのラゴスとなった。
米国の都市ではニューヨークが9位、ロサンゼルスが11位だった。欧州ではチューリヒが3位、ジュネーブとパリがともに7位、コペンハーゲンがニューヨークと同じ9位と、4都市が10位以内に入った。ロイター通信が報じた。

西日本シティ銀 中国「FBC上海ものづくり商談会」

西日本シティ銀 中国「FBC上海ものづくり商談会」

西日本シティ銀行(福岡市博多区)は9月下旬に、地方銀行や自治体等との共催により第20回「FBC上海2017ものづくり商談会」を開催する。
開催日時は9月21~23日、9時~17時。会場は国家会展中心(上海)2号館。同行の募集社数10社(全体で約500社を予定、昨年実績447社)、来場見込み約3万人(昨年実績2万4900人)。
中国での部品調達・販路拡大ニーズを持つ製造業が対象。日系製造業に特化したイベントとしては中国最大規模。出展費用は1小間あたり8500人民元(14万円前後)、申込期限は5月31日。

鶴見製作所 ベトナム・ホーチミン市に子会社

鶴見製作所 ベトナム・ホーチミン市に子会社

ポンプの製造・販売を手掛ける鶴見製作所(本店・大阪市鶴見区)はこのほど、ASEAN諸国および周辺の新興国に向けて生産・販売・流通・部材調達の拠点とするため、ベトナム・ホーチミン市に100%出資による子会社を設立した。
新会社「TSURUMI PUMP VIETNAM CO.,LTD.」への総投資額は700万米㌦。ポンプの製造・販売、ポンプの部材調達を手掛ける。平成30年に操業開始の予定。

山形・庄内砂丘で平安時代に起きた巨大津波の痕跡

山形・庄内砂丘で平安時代に起きた巨大津波の痕跡

山形大学の研究チームの調査によると、山形県の庄内砂丘でこれまで知られていなかった、高さ30㍍を超えるような巨大津波に襲われていた可能性を示す痕跡が見つかった。
山形大の研究チームは、海岸からおよそ1㌔ほど内陸に入った斜面にある泥の層に着目。この泥の層は標高25㍍から37.9㍍の付近にあり、含まれていた植物から年代を測定したところ、西暦1000年代から1100年代前半、平安時代後期にできたとみられることが分かった。同チームは、巨大津波によって、低いところにあった近くの沼の泥が巻き上げられたみている。
山形県の想定では、今後起こる可能性のある巨大地震等自然災害による津波の高さは最高で16.3㍍としており、今回見つかった痕跡が津波によるものだとすると、想定を大幅に上回ることになる。

関電・中国電などがカンボジアで送配電コンサル

関電・中国電などがカンボジアで送配電コンサル

ニュージェック(大阪市北区)、関西電力(大阪市北区)、中国電力(広島市中区)の3社はカンボジアプノンペン特別市で、カンボジア電力公社からプノンペン市送配電網増強事業に係るコンサルタント業務を受託し、このほど契約を締結した。
今回契約したコンサルタント業務の内容は、平成29年3月から平成34年5月までの5年余りにわたり、3社の社員を現地に派遣し、送変電設備および配電設備の増強のための設計、入札図書の作成・入札審査、契約交渉補助、施工監理等を実施するとともに、これらを通して同国の技術者へ技術移転を行うもの。
カンボジアでは安定した経済成長に伴い電力需要が急速に拡大、とりわけプノンペン特別市圏は同国内電力需要の7割を占める経済の中心地であり、同地域での電力の安定供給は同国の最優先課題の一つとされ、早急な電力設備の構築が必要とされている。

古野電気 中国海運大手と船舶用電子機器で基本合意

古野電気 中国海運大手と船舶用電子機器で基本合意

古野電気(本社:兵庫県西宮市)は3月20日、中国海運最大手の中国遠洋海運集団有限公司(本社:中国・上海市、COSCO SHIPPING)との間で、船舶用通信機器およびナビゲーション機器に関する戦略的パートナーシップ構築に向けた検討を進めていくことで基本合意書を締結した。
古野電気は船舶用電子機器の開発・生産・販売・アフターサービスをコア事業としている。COSCO SHIPPINGは、世界最大規模の支配船舶数(約1100隻、うちコンテナ船の運航シェアは世界4位)を誇り、傘下企業で造船や港湾、物流事業などを手掛ける総合海事産業グループを形成している。
なお、今回のパートナーシップ基本合意書は、古野電気の中国市場における販売代理店でもある平成商事(本社:神戸市)を含む3者による締結となっている。