弥生中期の木製品削る「やりがんな」出土 石川県小松市

弥生中期の木製品削る「やりがんな」出土 石川県小松市

石川県埋蔵文化財センターは7月27日、同県小松市の八日市地方(ようかいちじがた)遺跡で、弥生時代中期前半(約2300年前)とみられる柄付き鉄製「やりがんな」が出土したと発表した。
やりがんなは、木製品を作る際に木の表面などを削る工具。木製の柄もある完全な形の品としては国内最古といい、センターは「鉄器が日本列島へ普及する過程を考えるうえで貴重な資料」としている。
今回出土したやりがんなの全長16.3㌢。鉄の部分(長さ5.1㌢)を柄の中に一部はさみ込んだ後、糸とテープ状にした桜の樹皮を巻いて固定。柄には斜めの格子文様が彫られ、一端はバットのグリップのような形に削り出されている。
これまでやりがんなの刃だけの出土例は北部九州などであった。やりがんなは法隆寺など飛鳥時代の寺社建築などでも使われ、室町時代に現在の台がんなが伝わるまで、宮大工の主要な大工道具だったとされる。