唐招提寺 鑑真ゆかりの寺に”袈裟”贈呈 1300年ぶり交流

唐招提寺 鑑真ゆかりの寺に”袈裟”贈呈1300年ぶり交流

奈良市の唐招提寺は、同寺を開いた高僧、鑑真が日本に渡る前に住職を務めていた中国・揚州市の大明寺との交流を深めようと、僧侶が身に着ける”袈裟(けさ)”を贈ることにした。唐招提寺の西山明彦長老が9月11日に大明寺を訪れ、故事にちなんで袈裟20枚を渡すという。
中国の鑑真を招聘するきっかけになったのが、贈呈した袈裟に施されていた長屋王の漢詩だ。その漢詩の意は、「国は違っても同じ天のもとで仏を信仰しよう」というもの。これを見て鑑真は、その思いを理解し、弟子を派遣するのではなく、高齢の身でありながら自分自身が海を渡る決意をし、艱難辛苦を経て来日。最終的に奈良に唐招提寺を開いたと伝えられている。
今年はその袈裟が贈られてから1300年の節目にあたるということで、唐招提寺は鑑真ゆかりの大明寺との交流を深めることになったもの。袈裟は奈良の正倉院に収められている七条袈裟を手本につくられていて、裏側には言い伝えと同様に長屋王の漢詩が金色の糸で刺繍されている。