民間出身の初代宮内庁長官、田島道治(たじまみちじ)氏が、昭和天皇との対話を克明に記した「拝謁記」から、敗戦後~東京裁判後の当時の天皇の、揺れ動く心情が明らかになった。そして、この中で天皇が「国民が退位を希望するなら、少しも躊躇せぬ」と語るなどこの間、退位の可能性にたびたび言及していたことが分かった。 分析にあたった専門家は「皇室が本当に国民に認められるかどうかがすごく気になっていて、存続には国民の意思が決定的に重要だという認識がみえる」と指摘している。昭和天皇の退位をめぐる問題は、これまでの研究で昭和23年の東京裁判の判決に際し、昭和天皇が連合国軍最高司令官マッカーサーに手紙を送り、退位せず天皇の位にとどまる意向を伝えたことで、決着したとされてきた。しかし、現実には皇室の今後を見据え、退位をも辞さない覚悟を含めた葛藤があった。田島道治氏は戦後制定された日本国憲法のもとで、昭和23年から5年半にわたり宮内庁や宮内府のトップを務めた。在任中、600回余り延べ300時間を超える昭和天皇との対話を詳細に記録していた。
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リクルート インドのデジタル決済プラットフォームのペイメントへ出資
リクルートホールディングスの中間持株会社リクルート(本社:東京都千代田区)は8月14日、投資子会社のRSP India Fundを通じ、企業向けのデジタル決済プラットフォームを提供するPayMate India Pvt.Ltd.(ペイメイト、本社:インド・ムンバイ市)へ出資したと発表した。ペイメイトが提供するデジタル決済プラットフォームは、サプライチェーン上で取引を行う企業間ネットワークを構築し、会計・税務、キャッシュフロー管理に関する手順を統一するだけでなく、自動で処理する。リクルートは今回の出資を通じて、同サービスの品質向上および利用拡大を支援し、ペイメイトは今回の資金調達により、販促活動や機能開発を強化していく予定。
インドネシアの首都カリマンタン島へ、ジョコ大統領が表明
オリックス インドの風力発電事業会社を 完全子会社化
オリックス(本社:東京都港区)は8月14日、出資先のインドの開発・投資会社Infrastructure Leasing&Financial Services Limited(以下、IL&FS)傘下のIL&FS Wind Energy Limited(以下、IWEL)と共同開発している風力発電事業子会社の全株式を取得することで合意したと発表した。今後、必要な許認可の取得手続きなどを経て、完全子会社化する予定。オリックスはインドでの風力発電事業を目的に、特別目的会社(以下、SPV)7社の株式の各49%を保有。SPV7社はインド南西部の7州で設備容量計873MWの風力発電所を運営している。 インド政府は2022年までに合計175GWの再生可能エネルギーを導入する政策目標を掲げており、そのうち風力発電は60GWの導入を企図している。こうした背景のもと、今回IWELが保有するSPV7社の各株式51%を買い取り、完全子会社化することとした。
「二・二六事件」推移克明に記録した海軍極秘文書見つかる
陸軍の青年将校らが天皇中心の国家を確立するとしてクーデターを企て、政府要人ら9人を殺害した「二・二六事件」(1936年2月26日発生)について、暴徒として鎮圧されるまでの4日間の事件の推移を分単位で克明に記録した海軍の極秘文書が見つかった。陸軍のではなく、海軍のこうした文書が存在したこと自体が驚きだ。そして、この事件の際、これまで断固鎮圧の姿勢を貫いたとされていた昭和天皇の、揺れ動く思いのさまが垣間見える記録だ。この中で昭和天皇は、海軍の作戦を統括する軍令部のトップ、皇族将校の伏見宮・軍令部総長とのやり取りで、①海軍の青年士官がこの企てに合流することはないか②事件鎮圧に出動する海軍の陸上部隊の指揮官は、部下を十分掌握できる人物を選任せよ-などと、事件の拡大を懸念する発言をしていたことが記録されていて、専門家は当時の天皇と軍の関係を知るうえで、極めて貴重な資料と指摘している。この事件の後、日本軍部は戦争への道をまっしぐらに進み、わずか5年後の1941年に太平洋戦争勃発、そして1945年の敗戦へと突き進む。
古都の夜空に浮かぶ火文字・形 京都五山送り火
京都のお盆の伝統行事「京都五山送り火」が8月16日、行われた。今年は台風10号の影響で、本来の前日からの準備ができず、この日朝5時ごろからの作業に追われたという。それでも午後8時には予定通り、まず京都市左京区の大文字山の火床に一斉に火が灯され、山の斜面に大きな「大」の文字が浮かび上がった。続いて、京都の街を囲む5つの山々に「妙法(みょうほう)」、「船形(ふながた)」、「左大文字(ひだりだいもんじ)」、「鳥居形(とりいがた)」の順で、ほぼ5分おきに点火された。すると、炎で描かれた文字と形が、古都の夜空に浮かび上がった。市内中心部のビルの屋上をはじめ、市内各所で見物客がそれぞれの思いを胸に、この幻想的な風景に見入っていた。京都五山送り火は、お盆に迎えた先祖の霊を送る京都の伝統行事。
三菱地所 フィリピンで初の開発プロジェクト
滋賀・長浜城跡で石垣発見、石材の技法から築城は豊臣期
滋賀県長浜市は8月14日、長浜城跡(所在地:同市公園町)の試掘調査で石垣の一部が見つかったと発表した。石材の形状などから豊臣期(1574~1590年)に造られた可能性があるという。石垣は、大きさが不揃いの石材8個が連なった長さ4.5mで、深さ1.4mの地中から見つかった。1600年以降の徳川期の城郭にみられる、くさびを用いて石材を割る「矢穴技法」が使われておらず、同市は豊臣期の石垣と考えられるとしている。長浜城は羽柴(豊臣)秀吉が築いたことで知られているが、その後、家臣の山内一豊ら城主が4人交代。大坂夏の陣(1615年)で豊臣氏滅亡後、徳川政権が安定した後、廃城となり、資材は彦根城の築城に再利用されたと伝えられており、この時代の遺構はこれまではっきりと確認されていなかった。