滋賀・長浜市で和楽器の弦用絹糸「繭の糸取り」最盛期

滋賀県長浜市木之本町・大音地区で三味線や琴など和楽器の弦に使われる絹糸を繭から紡ぎ出す伝統的な”糸取り”作業が最盛期を迎えている。
糸取りは毎年、蚕が繭をつくる6月下旬から7月上旬までの3週間ほどの作業。工房では、まず90℃ほどの熱湯に繭を浮かべ、ホウキのような道具で繭球をほぐした後、湯気が上がる中、細い糸を絡め取り、35本程度を束にして拠り合せる。そして、これを電動式の糸繰り機で巻き取ると絹糸ができ上がる。
戦前70軒前後を数えたこうした工房は、化合繊系の弦の大量流通により、現在では1軒しか残っていない。
作業は7月10日ごろまで行われ、地元の和楽器に使う弦の製造会社に出荷される。