中国で「第2の恒大」警戒 資金繰り困窮不動産企業が急浮上

中国不動産大手、中国恒大集団の経営危機の深刻化を機に、中国不動産業界で資金繰りに窮する大手企業の存在がクロ-ズアップされてきた。
9月下旬、業界4位の「融創(ゆうそう)中国」の経営状況への懸念が急浮上した。中国メディアによると、同社の浙江省紹興市の子会社が、住宅販売が落ち込んで資金繰りも悪化しているとして地元当局に支援を要請したとされる書簡がインターネットに流出したことがきっかけだった。同社は2021年6月末時点の負債総額が約9,971億元(約17兆2,000億円)に達している。
このほかにも工業団地の開発を主幹事業とする不動産大手の「華夏幸福」も9月上旬までに、すでに期日を過ぎている計800億元(約1兆4,000億円)を上回る社債の元本や利息の支払いができていないと伝えられている。
規模が小さい企業はより厳しい状況とみられ、2021年初から9月5日までに274の不動産会社が経営破たんしているという。単純計算すれば1日平均1社のペースで不動産会社が消滅しているというわけ。
中国経済の成長をけん引してきた中国不動産業界だが、不動産市場の過熱を警戒する習政権の規制強化で、中国政府は2020年夏、資産に対する負債の比率を一定範囲内に抑える措置を打ち出しており、こうした政策変更で不動産会社の資金調達が難しくなっているのだ。