江戸時代の人々も歯周病 現代とは異なる細菌が原因

東京医科歯科大学の研究グループによると、江戸時代の人々も細菌への感染で歯ぐきや歯を支える骨が溶ける歯周病にかかっていたとする研究結果を、スイスの分子生物学の雑誌に発表した。
これは、東京都江東区の深川付近で発掘された江戸時代後期の人骨をCTスキャンなどで解析したもので、付着していた歯石を調べると、歯周病の原因の細菌は現代とは異なることも分かったという。人骨12体のうち5体で、あごの骨の一部が溶けていて、歯周病にかかっていた。また、骨に付着していた歯石に含まれるDNAを解析したところ、24種類の細菌がいたことが分かり、このうち17種類は現代人の口の中でも見られるものだった。
しかし、現代人で歯周病の原因となっている細菌は、江戸時代の人の歯石からは1種類も検出されず、研究グループは口の中の細菌の環境は現代とは異なり、当時の人々は他の細菌によって歯周病になっていたとみられるとしている。