石炭火力発電 21年は過去最高に IEA予測 中印の石炭需要急増

国際エネルギー機関(IEA)は12月17日、世界の石炭火力による2021年の発電量が過去最高になるとの見通しを発表した。新型コロナ禍からの景気回復を背景に中国とインドの石炭需要が急増した。国際社会は気候変動に取り組み脱炭素を大きく掲げているが、現状の取り組みはこれとは裏腹にCO2を多く排出する石炭火力に依存している現状が浮かび上がった。
IEAが同日公表した石炭に関する年次報告書によると、2021年の石炭火力の発電量は1万350テラワット時で前年比9%増える見通し。天然ガス価格の高騰で石炭発電の利用が増えたこともその一因。世界のほとんどの主要地域で2020年に比べて石炭火力での消費は増えているものの、中国とインドはコロナ禍前の2019年の水準を超え、それぞれ過去最高水準になるとみられる。