環境省は12月24日、発がん性が指摘される化学物質「PFAS(ピーファス)」の一部について、2026年4月から水道法上の「水質基準」の対象とすることを決めた。すべての水道事業者に水道水の定期検査を義務付け、含有量が水1リットル当たり50ナノ・グラムを超えた場合は、給水停止のうえ、水質改善を求める。
PFASは有機フッ素化合物の総称で、自然界で分解されず、人体に長く残留する。とくにPFASの一種、「PFOA(ピーフォア)」と「PFOS(ピーフォス)」は発がん性のある有害物質で、国は製造・輸入を禁じ、2020年にはこれらの物質を含む2リットルの水を毎日飲んでも健康に影響がない含有量として、1リットル当たり50ナノ・グラムの「暫定目標値」を定めている。ただ、水質検査など法的な義務付けはなかった。
国が水道水からの検出状況について実施した初の全国調査で、2020〜2023年度に14事業者(自治体・水道事業団)で暫定目標値を超える濃度が検出されていたが明らかになっている。