ADB総会 米、対中融資の終了主張 中国反発 対立鮮明に

イタリア・ミラノで開かれているアジア開発銀行(ADB)の年次総会で5月5日、米国がADBの中国向け融資の終了を主張したのに対し、継続を訴える中国が強く反発し、米中の対立が鮮明になった。
米国は財務省のマーガレット・クーロウ次官補代理が「ADBの支援は開発途上国に重点を置くべきだ。所得水準が高い国は支援を卒業する必要がある」と強調。そのうえで「特に中国への具体的な措置が必要だ」と、名指しで対中融資の終了を訴えた。これに対し、中国の藍物安財務相は「根拠がなく、中国は卒業の基準を満たしていない」と反論した。
ADBの2024年12月末現在の融資残高は1,538億ドル(約22兆円)で、うち中国向けは181億ドルと1割以上を占めている。米国は日本と並ぶADBへの最大の出資国で、15.6%を出資。中国は日米に次ぐ6.4%を出資している。

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