東京都は、都内すべての一般家庭約約800万世帯を対象に、今年夏の水道基本料金を無償化する方針を固めた。無償化の期間は夏場の4カ月間程度を想定。関連経費約400億円を盛り込んだ補正予算案を6月開会予定の都議会定例会に提案する。物価高に苦しむ家計を助けることで、自宅でのエアコン使用を促し、熱中症予防につなげるのが狙い。
都水道局によると、月々の水道基本料金は給水管の口径で異なり、都内の一般家庭向けは主に860円、1,170円、1,460円の3種類。使用量が6㎥以上になると、量に応じて料金が上乗せされる。
無償化の背景には、光熱費を節約するためにエアコン使用を控えた結果、熱中症で死亡する事例が相次いでいることがある。東京消防庁や都によると、2024年6〜9月の熱中症による都内の救急搬送者数7,993人(速報値)と過去最多を記録。死者は340人で、うち半数以上は室内にエアコンがあるのに使っていなかった。