高市首相が7月30日、食料品の消費税を2027年4月から2年間限定で、現行の8%から1%に引き下げる意向を表明したことを受けて、党内各所で異論の声が挙がっている。
財源が全く明確になっていない中、①”給付”に変える選択肢もあるのではないか②党総裁といえども、そもそも税率をそんなに簡単に上げたり下げたりすべきではない③それを承知で敢えてやれば、市場・事業者らに大きな負担や混乱をもたらすだけーーというのが異論の主なものだ。
どれも十分理解や納得できるものだ。それなのに、高市首相は何が何でも2月の衆議院選の選挙公約だから、やらなければならないとの姿勢だ。今や党内議論より自身のメンツが大事なのか?
高市氏は2年間を過ぎた段階で「私が確実に戻す」と豪語するが、一般生活者にはそのとき一気に痛みや負担を強いることになるのだ。そのことを高市氏は本当に理解しているのか。諸物価の値上がりはそのとき落ち着いているのか。これらのことを考え合わせれば、それほど、簡単には明言できるはずがないことなのだ。医療、介護、社会福祉に使われる消費税を選挙戦の道具に使ってはいけない。野党が揃って消費税減税を打ち出したとしても、政権与党のトップ(自民党総裁)が安易にその論議を回避、争点にしないための公約であったなら、そのことを正直に釈明すべきだ。
物価高対策として、とりわけ低中所得層に対する家計支援を掲げるなら、ここは給付で対応することこそが、2029年4月以降に禍根を残さない手法なのではないか?
高市氏は少し考え違いをしているのではないか。自分は近年の歴代政権では、異例とも思える高い内閣支持率を維持してきた。だからこそ、有権者からは自分が打ち出す政策は少々の党内異論はあっても、強行突破できると。政権トップが持つべき視点はあくまでも有権者目線、一般生活者目線だ。そのことを脇においた政策論議には全く意味がない。