「アジア-産業」カテゴリーアーカイブ

ウナギ規制強化案 否決, 米, アジア反対

絶滅の恐れがある野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約の締約国会議の委員会が11月27日、ウズベキスタンのサマルカンドで開かれ、EU(欧州連合)の規制強化の主張を受けた、ニホンウナギを含むウナギ全種類の国際取引の規制強化案を反対多数で否決した。採択されれば取引価格が上昇、ウナギが日本の食卓から遠のく可能性があったが、今回はひとまず回避された。
143カ国が無記名で投票し、賛成35票、反対100票、棄権8票だった。採択には3分の2以上の賛成が必要だった。日本の水産庁は反対を表明し、米国に加え中国、韓国などアジア、アフリカの国々も反対した。最終決定する12月5日の本会議でも否決が維持される見通し。

富士レビオ 認知症早期発見へ検査キット

富士レビオは11月25日、アルツハイマー病の診断を補助する血液の検査キットについて、厚生労働省に製造販売の承認を申請したと発表した。承認されれば採血で調べられるため、現行の高額な画像検査の「アミロイドPET」や、腰から針を刺す脳脊髄検査に比べ、患者の負担が大幅に軽減され、早期診断に結び付くことが期待される。この検査キットは、米食品医薬品曲(FDA)が今年5月に承認している。
アルツハイマー病は「アミロイドβ(ベータ)」や「タウ」と呼ばれる異常なたんぱく質が脳内に蓄積して神経細胞が傷つき、認知機能が低下すると考えられている。検査キットは血漿中のこれらのたんぱく質の濃度を測定する。

大東建託 神奈川県と”地域見守り”で協定

大東建託(本社:東京都港区)は11月20日、神奈川県と「地域見守り活動に関する協定」を19日に締結したと発表した。同協定は高齢単身世帯など孤立死・孤独死の恐れのある世帯を、行政の適切な支援につなげ、未然に防止することを目的とした官民連携の取り組み。神奈川県内の大東建託全16支店が連携し、地域に密着した見守り活動を実施する。

10月東京23区 新築マンション1億5,313万円

不動産経済研究所によると、10月の新築マンション1戸当たりの平均価格は東京23区で前年同月比」18.3%高の1億5,313万円となり、過去2番目の高さとなった。首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)は7.1%高の9,895万円だった。都心部での超高額物件の販売が好調で、首都圏全体の価格を押し上げた。
地域別にみると、23区以外の都内は3.0%上昇し6,637万円、埼玉県は6.9%上昇し6,156万円、神奈川県は5.6%下落し6,401万円、千葉県は16.5%下落し4,878万円だった。
なお、首都圏全体の10月の発売戸数は28.2%減の1,316戸だった。

パナHDとYKKAP ビル内窓でペロブスカイト実証

パナソニックホールディングス(HD)とYKKAPは11月20日、ガラス一体型のペロブスカイト太陽電池をビルの内窓として設置する実証実験を始めたと発表した。
YKKAPが入居する谷町YFビル(所在地:大阪市中央区)の内窓に、パナソニックHDが製造した縦約1m、横約70cmのペロブスカイト太陽電池4枚を設置した。1年程度実証実験し、より良い設置方法を検討したり、光の透過性を確認する。パナソニック」HDがビルの内窓に設置するタイプで実証するのは国内初という。

OKI ベトナム新工場稼働 ATM供給体制強化

OKIは11月19日、ベトナム・ハイフォン市のチャンズエ工業団地の生産拠点、OKI VIETNAM CO.,LTD(OKIベトナム)をリニューアルし、2025年9月より新工場として本格稼働を開始したと発表した。これにより、ATMなど自動機製品の生産能力を従来比2倍に拡大し、グローバルな顧客への安定的な供給体制を強化する。
近年、ベトナムをはじめとする東南アジアやインドではATMの需要が伸長。このため、OKIは国内に加え海外の成長市場向けにも積極的にATM展開を推進している。

ウーバー 22県で近距離, 個人間の荷物配達

米ウーバーテクノロジーズ傘下のウーバージャパン(本社:東京都港区)は11月19日、東京都や大阪府など22都道府県で個人間の荷物配達サービス「Courier(クーリエ)」を始めたと発表した。これは13km以内の近距離で個人同士で、プレゼントや忘れ物、書類など8kgまでの荷物が対象。
同社の配車アプリ上で注文し、料理配達のウーバーイーツの配達員が一緒に運ぶ。ウーバーはこれまで国内で店舗向けの荷物配達を手掛けていたが、個人間の荷物配達は初めて。ウーバーは日本全国で稼働中の配達パートナーを10万人以上を抱えているという。

トヨタ 米5工場に1,400億円 HV現地生産

トヨタ自動車は11月18日、米国内でのハイブリッド車(HV)増産のため5工場に計9億1,200万ドル(約1,400億円)を投資すると発表した。「カローラ」のHVモデルを2028年から米国で初めて生産する。現在は日本から輸入している。
米国の対象工場はミシシッピー州、ウエストバージニア州、ケンタッキー州、テネシー州、ミズーリ州の各工場で生産設備を増強する。

清水建設 万博 日本館解体 18億円で契約

近畿地方整備局は11月17日付で、大阪・関西万博に日本政府は出展したパビリオン「日本館」の解体工事を、清水建設と随意契約を結んだと発表した。費用は18億7,330万円で、工期は2026年11月20日まで。
日本館は建設も、一般競争入札では予定していた価格内での応札がなく、清水建設が143億9,240万円で随意契約で請け負っていた。日本館は鉄骨と約1,580㎥のCLT(直交集成板)を組み合わせた構造で、CLTは解体後、希望する地方自治体や企業などによって再利用されることが決まっている。
このため同整備局は、解体工事も再利用可能な状態で確実に行うため、部材ごとのノウハウ・データを蓄積している建設事業者以外に考えられなかったーーとしている。