国立天文台などの研究チームは、太陽から57億km離れた「太陽系外縁天体」で大気の存在を確認した。太陽系の冥王星以外の外縁天体で大気が確認されるのは初めて。大気が見つかった太陽系天体として最も遠いものになる。太陽系外縁部の常識を覆す発見という。この研究成果は5月4日付の英科学誌「ネイチャー・アストロノミー」に掲載された。
この外縁天体は太陽から最も遠い惑星、海王星より外側に存在する。国立天文台が2024年1月、外縁天体の一つ「2002XV93」が恒星の手前を横切る掩蔽(えんぺい)と呼ばれる現象を観測した。掩蔽の始まりと終わりで恒星の明るさが緩やかに回復することを捉えた。詳細な解析の結果、この2002XV93には非常に薄い大気が存在し、恒星の光が大気で屈折して明るさが変化したことが分かった。大気の成分は特定できないが、気圧は地球の約1000分の1と推定できた。
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理研など 脳細胞若返らせ認知機能改善
理化学研究所などの研究チームは、アルツハイマー病を発症させたマウスの脳を若返らせ、病気の原因物質「アミロイドベータ(β)」を減らすことができたと発表した。既存薬のように病気の進行を遅らせるだけでなく、症状を改善させる新薬の開発が期待できるという。この成果論文は国際科学誌に掲載された。
研究チームはマウスの胎児で強く働く遺伝子を活性化させる一方、老化細胞に特徴的な別の遺伝子の働きは抑える人工遺伝子をつくった。
アルツ内マー病のマウスを使い、この人工遺伝子を脳に注入した場合と、しなかった場合で、迷路でゴールに達するまでの時間と移動距離を比較した。。その結果、前者は後者に比べて時間、距離とも短く、認知機能や短期記憶が回復していることが確認できた。人工遺伝子を投与したマウスでは、新しい神経が増え、それに伴いアミロイドβは減少、12週間後には約半分になっていた。
中国で超急速充電へ新型電池の開発競争激化
パナソニックHD iPS細胞自動作製装置開発
パナソニックホールディングス(HD)は4月20日、iPS細胞を患者の血液から自動で作製できる装置を開発したと発表した。4月から公益財団法人・京都大iPS細胞研究財団と実証実験を始め、2028年度の製品化を目指す。実用化されれば、作製費用を大幅に引き下げられる。
開発した装置は、高さ75cm、幅70cm、奥行き45cm。患者の血液の成分や試薬などを入れると、遺伝子の組み入れを含む工程が自動で行われ、約2〜3週間でiPS細胞ができることを確認したとしている。
1人分のiPS細胞を従来の手作業で作製する場合、施設の維持費や人件費などで約5,000万円かかるとされる。財団は、将来的に100万円程度に下げることを目標にしており、それには自動化が不可欠という。
iPS細胞は、様々な臓器や組織の細胞に変化させることが可能で、失った臓器や体の機能を回復させる「再生医療」への応用が期待されている。