「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ

ニデック AIR VEV社が2人乗りeVTOL機用モータ共同開発

ニデックは2月22日、グループ会社のニデックモータと個人向けeVTOL(電動垂直離着陸機)を製造するAIR VEV社(以下、AIR社)が開発中の2人乗りのeVTOL機(空飛ぶクルマ)「AIR ONE(エアワン)」の生産モデル開発向けモーターの共同開発で合意したと発表した。
AIR社は2018年にイスラエルで設立されたeVTOL開発・製造企業。開発中のAIR ONEはすでに1,000台以上の予約を獲得しており、機体認証取得後、初期受注分を納入する予定。今後AIR社およびニデックの子会社、ニデック・エアロスペースの両社は中型eVTOL専用のモータを設計・開発し、現在急成長中の次世代モビリティ業界で、まだどの企業も参入していない分野の開拓を目指す。

筑波大 難治性の脳のがんに世界初の独自治療法 治験開始

筑波大学(所在地:茨城県つくば市)は2月22日、難治性がんの一種、こう芽腫という脳の病気に対して次世代の治療法で治験を開始すると発表した。同大学はつくば市の高エネルギー加速器研究機構などと連携し、独自に開発した照射装置と治療薬を組み合わせた「BNCT」という治療法で、初めてこう芽腫と診断された患者への治療を始めるという。BNCTはがん細胞に取り込んだ「ホウ素」に中性子を照射し、がん細胞を破壊する治療法。

ルネサス AIアクセラレータと組み込みプロセッサ技術開発

ルネサスエレクトロニクスは2月22日、AIモデルの軽量化に対応した新たなAIアクセラレータと、リアルタイム処理を実現する組み込みプロセッサ技術を開発したと発表した。この結果、新技術の導入前と比べて最大16倍の処理性能(130TOPS)を実現し、さらに世界トップレベルの電力効率(0.8V動作時、最大23.9TOPS/W)を達成した。

日本電気硝子 全固体ナトリウムイオン二次電池を出荷

日本電気硝子(本社:滋賀県大津市)は2月20日、全固体ナトリウムイオン二次電池(以下、NIB)のサンプル出荷を開始したと発表した。同社のNIBは正極、負極、固体電解質すべてが安定した酸化物で構成され、−40℃〜200℃の過酷な環境下で作動し、発火や有毒ガス発生のリスクがなく、ナトリウムを用いレアメタルを使用していない革新的な全固体電池。
今回サンプル出荷する製品は3V200mAhが標準となる。これを経て、2024年度内での販売開始を予定。

レンゴー 子会社が第二世代バイオエタノールの生産実証

レンゴーは2月20日、連結子会社の大興製紙がBiomaterial in Tokyoと提携し、持続可能な航空燃料SAF(Sustainable Avuation Fuel)の原料になる第二世代バイオエタノールの生産実証事業を開始すると発表した。同実証事業はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成および委託を受け実施する。
大興製紙は建築廃材などの未利用バイオマス資源から生成するクラフトパルプを原料として産業用微生物による自製酵素を用いたバイオエタノール生産技術の開発・実証を行い、2027年までに年間2万klのバイオエタノール生産を目指す。このバイオエタノールは販売先の燃料事業者でSAFに転換され、航空燃料として使用される予定。

日本触媒 米Trevi Systemと次世代システムで海水淡水化

日本触媒(本社:大阪市中央区)は2月15日、Trevi System Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下、Trevi System社)と次世代の海水淡水化/水処理システムの正浸透(FO)システムの基幹部材である浸透圧発生剤(Draw Solution、以下、DS)を共同開発したと発表した。
Trevi System社は、米国エネルギー省から400万ドルの資金援助を受けてハワイ島で、共同開発したDSを用いて海水から淡水をつくるプロジェクトを2022年6月から開始し、すべてのデータ取得を2023年9月に完了している。

パナソニック, 麻布大 ナノイー技術で花粉アレルギー抑制

パナソニックと麻布大学は2月14日、共同研究でナノイー(対戦微粒子水)で抑制した花粉では、アレルギー反応が抑えられることを細胞レベルで明らかにしたと発表した。細胞レベルでの効果実証は、今回が初めての試みとなる。
実験では、花粉症症状に関わる免疫細胞にナノイー照射により抗原性が抑制された花粉に接触させ、反応を観察した。その結果、①花粉に対する樹状細胞の過剰な反応が抑制され、炎症性物質産生が約70%抑えられた②花粉症発症の原因となる抗体生成を指示するT細胞の増殖活性が約40%抑制された。これにより、ナノイーによるアレルギー反応の抑制が確認され、アレルギー症状の抑制が示唆された。

世界初 宮崎・都農町で「クエタマ」の陸上養殖に成功

宮崎・都農町、岡山理科大、NTT東日本、NTT西日本の4者による養殖プロジェクトの中間成果報告が2月13日、都農町であった。これはICTと好適環境水を活用し、ハタ科で世界最大級の在来種「タマカイ」、タマカイと高級魚クエを掛け合わせた交雑魚の通称「クエタマ」の世界初の完全閉鎖循環式陸上養殖で、両魚種とも9割前後の生残率で、実験は成功した。タマカイの成長率は他県の約3倍を記録した。
この水産業夢未来プロジェクトは、4者により2022年12月からスタート。2023年4月から都農町に設置した試験養殖施設(7.4トン水槽2基)にタマカイの体長7〜8cmの稚魚224匹と、体長35cmのクエタマ53匹を収容して開始した陸上養殖。

明大発スタートアップ ヒトへの臓器移植用ブタ誕生

明治大学発スタートアップのポル・メド・テック(所在地:神奈川県川崎市)などのグループは2月13日、ヒトに臓器移植する「異種移植」を想定した3頭のブタが11日に誕生したと発表した。これは米バイオテクノロジー企業のイージェネシスがゲノム編集技術で開発したブタの細胞の提供を受け、同社がクローン技術を使って生産したもの。
このブタは臓器移植しても免疫による拒絶反応が起きにくいように、ブタの遺伝子を改変済みという。ポル・メド・テックグループは動物で安全を確認して、2025年度にも臨床試験の開始を目指す。ヒトへの臓器移植を想定したブタが国内で生まれたのは初めて。

欧州の核融合実験 世界最大のエネルギー量発生に成功

欧州各国の研究機関で構成されるユーロフュージョンは2月8日、次世代エネルギー技術としての期待が大きい核融合実験で、世界最大のエネルギー量の発生に成功したと発表した。過去の記録を約2割上回った。核融合は、太陽内部で起こる反応を人工的に再現するもので、温暖化ガスを排出せず、燃料の制約もないため、実用化に向けた研究開発が活発化している。