理化学研究所(本部:埼玉県和光市)は6月18日、富士通とともに基幹スーパーコンピューター「富岳」の後継機を開発すると発表した。富士通はシステム全体の基本設計を担当するほか、CPU(中央演算処理装置)も新規に開発する。富士通が担う基本設計の期間は2026年2月27日まで。2030年頃に世界最高水準の性能での運用開始を目指す。
「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ
ヤンマーとスシロー 養殖ブリ 遠隔でエサやりシステム実証
大林組, アイシン ペロブスカイト太陽電池実用化へ実証実験
ミズノ, カネカ 人工芝に水中分解素材 海洋へのプラごみ削減
量研機構が脳画像解析 中高年うつ病に認知症たんぱく質関与
大阪大 がんへの免疫妨害細胞を狙い撃ち 新治療法を開発
大阪大学などの研究チームは6月10日、がんへの免疫を妨害する細胞だけに働きかけ、免疫機能を回復させる新しい治療法を開発したと発表した。同チームは、がん細胞の周辺に存在し免疫細胞の働きを阻害する物質を生み出す「がん関連線維芽細胞(CAF)」に限定して、酵素の働きを抑える方法を考えた。
チームはたんぱく質の設計図である「メッセンジャーRNA」に結合し、酵素をつくる遺伝子の働きを抑える化合物を活用。CAFだけが持つ特殊なたんぱく質を目印とし、CAFにピンポイントでくっつくようにしたところ、正常な細胞に影響を与えずに狙い撃ちすることに成功した。マウスの実験ではがん細胞が小さくなることを確認した。研究チームは、転移性の大腸がんや膵臓(すいぞう)がんなど、治療が難しいがんへの治療法として期待できるとしている。
神戸大グループ がん深部の細胞の新たな観察技術を開発
阪大 妊娠マウス実験 鉄分の不足が子供の性別決定に影響
大阪大学大学院の研究グループは、鉄分の不足がマウスの性別の決定に影響するとの研究成果を科学誌『ネイチャー』に発表した。グループによると、マウスのオスの精巣は「Sry」という遺伝子が活性化することでつくられ、その活性化には鉄分を使う特定の酵素が関係しているという。
そこで実験では、あらかじめ鉄分が少ないエサを与え続けたマウスに、この酵素を半分に減らす遺伝子捜査を行った受精卵を移植し、その後も鉄分を少なくした状態で出産させた。
その結果、遺伝的にはオスのマウスにもかかわらず、43匹のうち2匹が精巣ではなく卵巣があり、メスの体として生まれたという。グループは、鉄分の不足がマウスの性別決定に影響を与えたとみている。