政府が次世代の太陽光発電の切り札と位置付けるペロブスカイト太陽電池について、今秋にもまとめる普及促進策の骨子案が判明した。ペロブスカイトの導入費用を補助する支援策を盛り込むのが柱。政府の後押しで需要をつくり出すことでメーカーの量産化を促し、価格低下を図る。
骨子案では「官民で連携して量産技術の確立、生産体制の整備、需要創出を三位一体で進める」としたうえで「早期に国内市場の立ち上げを進める」と明記。補助制度で太陽光パネルとの価格差を埋め、国内市場を育成する。
ペロブスカイトは2009年に日本で最初に開発された技術で、軽量で薄く、曲げられるのが特徴。このため、ビルの壁や車の屋根のほか、強度の低い木造の屋根や倉庫などにも設置でき、開発の余地が大きい。ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を持つ化合物を発電層に使う。この主要原料のヨウ素は日本が世界生産量の約3割を占める、強みを持つ。
「新技術・新開発」カテゴリーアーカイブ
ispace 12月に月面探査「HAKUTO-R」ミッション2打上げへ
京大病院 iPS細胞で「1型糖尿病」治療の治験 25年2月に実施
京都大学医学部附属病院は9月2日、免疫の異常などで発症するとされる「1型糖尿病」について、iPS細胞から血糖値を下げるインスリンを分泌する細胞をつくり、シート状にしたものを患者に移植する治験を始める方針を発表した。同病院はすでに治験の計画を国に届け出ており、2025年2月にも実施したいとしている。計画では、20歳以上、65歳未満の患者3人を対象に、神奈川県藤沢市のベンチャー企業がつくった複数の膵(すい)島細胞のシートを患者の腹部に移植する。
インスリン投与が必要な1型糖尿病患者は全国におよそ14万人いるとされる。今回の治験が成功すれば、将来的に注射の必要がない、患者にとって明るい世界が見えてくる。
日本企業がWHOにエムポックスのワクチン緊急使用申請
大阪メトロ「空飛ぶクルマ」SkyDriveと資本業務提携
スペースワン 小型ロケット2号機の12月打ち上げを発表
宇宙スタートアップのスペースワン(所在地:東京都港区)は8月25日、小型ロケット「ヵイロス」の2号機を12月に打ち上げると発表した。初号機と同様、和歌山県串本町に整備したロケット射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。2号機は5つの人工衛星を搭載する。具体的な打ち上げ日程は現時点では未定。2号機で再び宇宙軌道への人工衛星の投入を目指す。
同社の豊田正和社長は、同射場で3月に行った初号機の打ち上げ失敗の原因について、燃焼させてロケットの推進力とする”推進薬”の燃焼速度の計測過程で問題があり、実際よりも高く推進力が出ると予想していたことを、その一つに挙げた。
スペースワンにはキャノン電子、IHIエアロスペース、清水建設などが出資している。
日本電気硝子 耐熱仕様の全固体NIB二次電池サンプル出荷
竹中工務店 25年万博会場内に「森になる建築」8月に着工
竹中工務店(本社:大阪市中央区)は7月26日、「Seeds PaperPavilion(シーズペーパーパビリオン)」を、未来社会ショーケース事業出展(グリーン万博)の「森になる建築」として25年大阪・関西万博の会期中(2025年4月13〜10月13日)の来場者が休憩等に使うことができる仮設建築物として会場内に施設提供すると発表した。この建築物は8月に着工後、現地で3Dプリントを行い、2025年4月の完成を予定している。
Seeds PaperPavilionは、2020年ぁら2021年にかけて同社グループ従業員を対象に実施した「竹中グループが提案する25年万博パビリオンに関するアイデア」提案コンペで最優秀賞の選定されたもの。使い終わると廃棄物になる建築ではなく、みんなでつくる建築が種となり、使い終わったら森になるという未来の建築を描いた提案。最先端の3Dプリント技術と手づくりを融合させてつくる建築。すでに2023年5月より千葉県印西市の竹中技術研究所で大型3Dプリンターでの試驗を開始。今年4月に実物サイズの出力試驗に成功している。