月別アーカイブ: 2014年2月

7世紀前半と判明 難波宮跡で出土の柱を新手法で測定

7世紀前半と判明 難波宮跡で出土の柱を新手法で測定
 大阪府文化財センターは2月24日、大阪市の国史跡、難波宮跡近くで出土した柱材を、年輪のセルロース(繊維素)を分析する年代測定の新たな手法で調べたところ、7世紀前半のものと分かったと発表した。この手法は従来の年輪年代法と違い、すべての樹種に応用できるという。出土遺物の調査に応用したのは初めてで、考古学の進展につながると期待される。
 この手法はセルロースに含まれる酸素同位体、酸素16と酸素18の比が夏季の降雨量によって毎年異なる点に着目。年輪ごとに同位体の比率を測り、変動パターンを解析して「物差し」を作成し、出土した木材に当てはめて年代を測定する。開発した総合地球環境学研究所の中塚武教授によると、弥生時代から現代までの「物差し」を作成済みという。

 

初代大坂城の「豊臣石垣」公開施設の完成予想図公表

初代大坂城の「豊臣石垣」公開施設の完成予想図公表
 大阪市経済戦略局は2月21日、豊臣秀吉が築いた初代大坂城の「豊臣石垣」公開施設の完成予想図を公表した。公開施設は地上1階地下1階で、地下7㍍の地中に眠る石垣を展示。初代大坂城の映像も投射し、当時の様子を再現する。大坂夏の陣から400年の2015年に工事に着手し、16年中の完成を目指す。
 初代大坂城は大坂夏の陣で炎上。石垣部分は徳川二代将軍秀忠が「徳川の大坂城」を築城する際、盛り土で埋められたが、1984年に水道工事で偶然発見された。昨年から本格的な遺構調査実施していた。

天武・持統天皇陵を考古学者ら15研究者団体が調査

天武・持統天皇陵を考古学者ら15研究者団体が調査
 宮内庁が天武・持統両天皇の合葬陵として管理する奈良県明日香村の野口王墓古墳(のぐちおうのはかこふん、7世紀後半)を2月21日午後、日本考古学、歴史学の15の研究者団体が立ち入り調査し、墳丘の形状や地表に露出している石材などを観察した。調査には研究者16人が参加。同庁職員に案内されて約1時間半かけて古墳の最下段を回った。
 同古墳は7世紀の天皇陵特有とされる八角形墳。被葬者は両天皇で間違いないとみる研究者が多い。宮内庁は昨年、墳丘を5段構造とする詳細な復元案や、かつての発掘で見つかった石敷きの写真などを公表している。

イ留学生が石川県で募金集め ク噴火の被災避難民支援へ

イ留学生が石川県で募金集め ク噴火の被災避難民支援へ
 2月13日に噴火したインドネシア東ジャワ州・クルド山(標高1731㍍)周辺の被災避難民を支援しようと、北陸先端科学技術大学院大学(石川県能美市)に通うインドネシア人留学生デニー・ウィリーさん(38)は23日、能見市のイベントで募金活動した。集まった1万円は能見市が預かり、提供先を探しているという。
 西ジャワ州バンドン出身のデニーさんが所属する同大知識科学研究科永井研究室と能見市は同日、小学生や親子を対象にインドネシアの文化と遊びを学ぶ体験会を共催した。会では、インドネシアも日本もスマトラ沖地震、東日本大震災などを経験した同じ災害大国で、今回噴火したクルド山の周辺で、被災した多くの避難民がいると支援を訴えた。じゃかるた新聞が報じた。
 インドネシア国家災害対策庁(BNPB)によると、クルド山の噴火で3人が死亡し、避難民はピーク時、10万人に達した。そして、噴火活動が小康状態にあるいまも、まだ半径5㌔以内に住む約1万人の帰宅は認められていない。

JJS中学2年の安倍健君 佐渡ヶ嶽部屋に入門へ

JJS中学2年の安倍健君 佐渡ヶ嶽部屋に入門へ
 インドネシア人初の大相撲力士が1年後、誕生するか-。ジャカルタ日本人学校(JJS)中学2年生の安倍(あんばい)健くん(14)は、4月から大相撲の佐渡ヶ嶽部屋(千葉県松戸市)のけいこに参加する。日本人の父とインドネシア人の母を両親に持つ健くんは、小さいころから日本の大相撲に憧れていた。力士になろうと決心したのは2013年8月、イストラ・スナヤン屋内競技場で初めて開催された大相撲ジャカルタ巡業だった。じゃかるた新聞が報じた。
 健君は子供けいこに参加した後、相撲関係者の取り計らいで憧れていた大関・琴奨菊関と初対面した。その際、琴奨菊関から「一緒に相撲をやろう」と背中を押され、覚悟が固まった。両親も健くんの決断に賛成、巡業後すぐに日本へ連絡、佐渡ヶ嶽親方へ「力士になりたい」と直談判。親方は快く了解してくれたという。
 その結果、4月から千葉県浦安市にある叔母宅から地元中学に通い、松戸市の佐渡ヶ嶽部屋でけいこに励むことになった。順調に事が運べば、2015年3月の中学卒業を待ち、新弟子検査を受ける予定だ。現在、体重80㌔で1日5食を平らげる健くんの食欲の賜物で、身長、体重はすでに大相撲協会の入門基準を満たしており、検査に合格後、晴れて正式入門となる。健くんはいま、その日を心待ちにして「立派な力士になる」と目を輝かせている。

政府がASEANで医療支援 日・イ初の医療産業会議

政府がASEANで医療支援 日・イ初の医療産業会議
 日本政府は東南アジア諸国連合(ASEAN)域内で、がんや生活習慣病の医療体制を支援する。日本の先端医療機器を納入した人材育成センターを置いて専門医を育成するほか、電子カルテ導入も後押しする。日本の機器に慣れ親しんだ医師や施設を増やすことで、医療機器やサービスの輸出を伸ばす狙いもある。日本経済新聞が報じた。
 2月27日には日本企業と日本・インドネシアの両政府が共同で初の医療産業会議を開く。がんや生活習慣病の医療技術を高めるため、先端医療機器トレーニングセンターをインドネシア大学付属教育病院に来年度に設置することで合意する。内視鏡機器をオリンパスが納入し、政府は導入費用を半額補助する方針だ。
 医療産業会議には日立製作所やNECなどの日本企業が参加する。インドネシアではジャカルタに人材や施設が集中し、地方の医療体制の改善が課題となっている。電子カルテへの需要も強いという。将来的にはコンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)など大型機器の輸出を見込む。

EPAの看護師・介護士候補者の日本語研修・朗読会

EPAの看護師・介護士候補者の日本語研修・朗読会
 国際交流基金は2月22日、南ジャカルタ・スレンセンサワの教育文化省語学教育研修センターで、日本・インドネシア経済連携協定(EPA)による看護師・介護福祉士候補者第7期生が参加する日本語朗読会を開いた。6カ月間にわたる日本語研修が始まってから約3カ月。ゼロから日本語を学び始めた候補者も短期集中訓練の成果を発揮、生命の尊さを描いた物語を朗読した。じゃかるた新聞が報じた。
 昨年11月から研修を開始した計10クラスの189人が参加。コンテスト形式で三つの物語ごとにクラスを振り分け、1クラスずつ発表する。全員が担当箇所を暗記し、1人ずつ交代で朗読するため、チームワークも問われる。
 課題図書は「100万回生きたねこ」「葉っぱのフレディ」「スーホの白い馬」の3点で、いずれも生命をテーマにした作品だ。どの作品も長文の描写や会話があり、参加者は発音や抑揚に苦労しながらも、大きな声で明確な朗読に努めていた。

今春から2大学で日本流製造業ビジネス講座 ニキサエ

今春から2大学で日本流製造業ビジネス講座 ニキサエ
 人材支援のニキサエ・ジャパン(愛知県名古屋市)は3月から、インドネシアジョクジャカルタ特別州のガジャマダ大(UGM)で理系学生や日本語学科生を対象に、製造業ビジネス講座を開講する。日系企業の製造現場で求められる有能な人材を学生時代から育成し、企業へ供給するのが狙いだ。ニキサエ・ジャパンは、工場の自動化システム、ファクトリーオートメーション(FA)コンサルティングのツールスター(愛知県)と共同で講座を開講する。
 特別講座といった扱いではなく、大学の通常カリキュラムの中に組み込み、単位認定される正規授業だ。整理整頓やあいさつなどの企業文化に加え、各種機械の名称や、使用方法に関する教科書を作成し、講師はニキサエのインドネシア人スタッフが務める。4月には東ジャワ州マランにあるブラウィジャヤ大でも同様の講座を開講する。
 ニキサエ・ジャパンの高橋克典社長は「2大学を拠点に他の大学でも講座を開設していく。学生と企業を結びつけ、学生の就職率向上にも貢献できる」と意気込みを語っている。 

トヨタが自動車産業の人材育成支援強化 対象SMK拡大

トヨタが自動車産業の人材育成支援強化 対象SMK拡大
 トヨタ自動車は、インドネシアで自動車産業の人材育成の支援プログラムを強化する。国内自動車市場の伸びに伴い、生産や保守サービスに従事する技術人材の育成が急務となっているため、技術支援プログラム「T-TEP」の対象校、すなわち機械設備などの提供先となる職業高校(SMK)を、昨年末時点の57校から今年は62校に広げる。
 2月18日には西ジャワ州ボゴール・チビノン1校の支援で教育文化省と契約を交わし、設備を引き渡した。同校にはこれまで、教科書など教材を提供していた。今回は練習用の車両を含む設備を納めた。NNAが報じた。
 教育文化省中等教育局のアミン技術・職業教育担当部長によると、インドネシアにはSMKが2000校ある。トヨタをはじめとする日系メーカー各社が支援事業に協力的なため、校内の指導環境が整ってきているという。

 

「俳句・俳諧と芭蕉の世界」世界無形文化遺産登録目指す

「俳句・俳諧と芭蕉の世界」世界無形文化遺産登録目指す
 三重県伊賀市の岡本栄市長は2月14日、同市生まれの俳聖・松尾芭蕉(1644~94年)が芸術性を高めた俳句や俳諧などについて、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界無形文化遺産の登録を目指す方針を表明した。松尾芭蕉生誕370年の今年、文学や精神世界を含めた「俳句・俳諧と芭蕉の世界」として申請の準備に入る。「奥の細道サミット」の全国36の自治体や学術団体に協力を呼び掛ける。