政府・与党は、訪日観光客に適用される消費税の免税制度について、2026年度にも出国時に国外へ持ち出す商品を確認して消費税分を払い戻す「返金(リファンド)方式」に変更する方向で調整に入った。日本国内で購入時に免税している現行制度では、その後に転売するなどの不正が横行しているとの指摘があるからだ。
与党の税制調査会が詳細を詰め、今年末にまとめる2025年度税制大綱に盛り込む。
税関の調査では、2022年度に1億円以上の免税品を購入して出国した374人のうち、税関が購入を把握して検査できたのは15.2%の57人にすぎず、ほとんどの人は無申告で出国していた。さらに免税品の検査をした57人のうち、56人は持ち出しなどを確認できず、消費税を支払う必要があったが、55人は納税せず出国し、滞納額は18億5,000万円に上ったという。