淡路・舟木遺跡で大型鉄器工房跡 国内最大級か

淡路・舟木遺跡で大型鉄器工房跡 国内最大級か

兵庫県淡路市教育委員会は1月25日、弥生時代後期の舟木遺跡(淡路市舟木)から大型の鉄器工房跡を確認したと発表した。遺跡中心部から鉄製品57点と工房を含む竪穴建物跡4棟が見つかった。
同市教委は、同遺跡全体の鉄器工房の規模が、南西約6㌔にある国内最大級の鉄器生産集落で国史跡の五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡(淡路市黒谷)をしのぐ可能性があるとしている。
舟木遺跡は約40㌶の大規模な山間地集落遺跡。これまでに約5700平方㍍を調査し、弥生時代後期の竪穴建物跡10棟や土器、中国鏡の破片が出土しているが、鉄器工房は確認されていなかった。
今回出土した鉄製品の明確な使途は分かっていないが、鍛冶に関連したものと、工具とみられる針状のものなどがある。鉄の加工に使った台石や砥石など石製工具42点や祭事用と考えられる弥生時代終末期(3世紀初頭)の土器も出土した。
同市教委は、建物跡は鉄器生産工房と、鉄工具を使用した何らかの生産工房で、大規模な工房群の存在も想定できるとみている。