care のすべての投稿

福岡で最古級「導水施設」遺構の木樋「纏向」と同時期

福岡で最古級「導水施設」遺構の木樋「纏向」と同時期

九州歴史資料館(福岡県小郡市)は3月16日、同県行橋市の延永(のぶなが)ヤヨミ園(その)遺跡から九州で初めて出土した古墳時代の水の祭祀(さいし)遺構「導水施設」の木樋(もくひ)が、3世紀中ごろ~4世紀中ごろのものと判明したと発表した。ヤマト政権発祥の地とされる奈良県の纏向(まきむく)遺跡で出土した国内最古の3世紀後半~4世紀初頭のものとほぼ同時期で、近畿で始まった水の祭祀が極めて短期間に九州にも伝わっていたことになる。

2011年の調査で出土した木樋は3つの細長い部分からなり、長さ4.2㍍、幅35~70㌢、厚さ4~10.4㌢。一方の端に長さ35㌢、幅30㌢と、長さ60㌢、幅35㌢の2つの水槽状のくりぬきがあり、もう一方の端まで幅10㌢の溝が延びる。放射性炭素年代を測定し実年代に換算した結果、3世紀中ごろ~4世紀中ごろのものと判明した。2つの槽を持つ木樋の実物が出土したのは国内初。

纏向遺跡に続く導水施設の遺構は滋賀県や京都府、石川県などで4世紀のものが見つかっている。5世紀になると導水施設をかたどった埴輪や石製品も近畿を中心に全国各地で出土する。このため、5世紀中ごろに水の祭祀が近畿から各地に波及したとされていた。今回、近畿から遠い九州で纏向遺跡とほぼ同時期のものが出土したことで、通説は再考を迫られることになりそうだ。

安倍首相 バンドン会議に出席 平和への貢献発信

安倍首相 バンドン会議に出席 平和への貢献発信

安倍晋三首相は3月16日、インドネシアで4月22~24日開かれるアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年記念会議に出席する意向を表明した。会議で演説をする予定で、「わが国が平和国家として、地域や世界の平和と発展に大きな貢献を果たしてきたことを発信したい」と強調した。インドネシア政府は中国、韓国を含む首脳を招待しており、安倍首相が中韓首脳と会談する可能性がある。

ブータンの経済大臣が福井訪問 経済,大学交流前向きに

ブータンの経済大臣が福井訪問  経済,大学交流前向きに

ブータンのノルブ・ワンチュク経済大臣が3月11日、西川・福井県知事を表敬訪問した。会談で西川知事が、福井とブータンの経済分野、大学間の交流促進を提案。同大臣は「民間企業の交流をぜひ実現したい。日本企業にブータンへの投資を求めたい」と述べたうえで、福井とブータンの交流に前向きな姿勢を示した。同大臣は13日朝までの滞在中にセーレン(福井市)、清川メッキ工業(同)、池田、永平寺両町などを視察した。今回ブータンの経済大臣が福井県を訪問したのは2013年12月、西川知事がブータンを訪問した際、訪日を要請したことから実現した。福井新聞が報じた。

タイの洪水被害最小化へ高度測量技術導入を支援 日本

タイの洪水被害最小化へ高度測量技術導入を支援  日本

日本政府は洪水被害が多発するタイで、高度な測量技術導入を支援する。全地球測位システム(GPS)の観測地点となる「電子基準点」をタイ各地に設置し、衛星からの情報を随時反映した精緻な地形図をつくる。これにより、浸水地域の迅速な予測を可能にし、被害を最小限にするとともに、日本企業の進出リスクを軽減する。

山口大学・昭和電工 植物工場の海外普及・展開で連携

山口大学・昭和電工 植物工場の海外普及・展開で連携

山口大学と昭和電工は3月11日、共同開発した独自の高速栽培法「SHIGYO法」を用いた閉鎖型植物工場技術の海外展開で連携すると発表した。山口大学と学術交流している海外の大学や研究機関に栽培技術を供与し、植物工場を運営できる人材を育成する。この人材を現地の事業主に派遣して指導する体制を整え、世界規模での植物工場の普及を目指す。ベトナム国家農業大と年内にも連携する。山口大に研修生を受け入れて人材を育成する計画。インドネシアのボゴール農科大、タイのカセサート大も有力な連携候補とする。経済発展で、生野菜の消費が伸びている東南アジアの富裕層の需要を取り込む。

妻の身内や娘の近況が書かれた与謝蕪村直筆の手紙発見

妻の身内や娘の近況が書かれた与謝蕪村直筆の手紙発見

江戸時代中期の俳人で俳画創始者の与謝蕪村(1716~83年)の直筆の手紙が、京都市の古美術店で見つかった。奈良大の永井一彰教授(近世国文学)が3月12日発表した。戸の手紙には、妻の身内や娘の近況が書かれ、謎が多い蕪村の家族関係が分かる貴重な資料という。縦約16㌢、横約59㌢。宛先や書かれた時期は不明だが、蕪村の他の手紙と比較し直筆と判断された。

蕪村は大阪出身。40代でともという女性と結婚し、くのという娘がいたとされる。手紙には妻の妹が河内(大阪府東部)から訪ねてきて、姉妹が久々の対面を喜んだことや、娘が手習い(習字)を始めたことなどが書かれていた。妻に妹がいたことはこれまで知られていなかった。

土佐藩参政・吉田東洋の写真はジョン万次郎が撮影

土佐藩参政・吉田東洋の写真はジョン万次郎が撮影

高知市の土佐山内家宝物資料館は3月13日、幕末に土佐勤王党に暗殺された土佐藩参政、吉田東洋の写真を撮影したのは、日本人で初めて米国へ渡ったジョン万次郎(中浜万次郎、1827~98年)だった可能性が高いと発表した。ガラス板を使った米国式の湿板写真で縦約10.9㌢、横8.2㌢。万次郎は遣米使節団として渡米。1860年の帰国時に写真機を持ち帰った。東洋の日記から暗殺前年の1861年1月29日に江戸で撮影され、2014年、東洋の子孫から同館に寄贈された。

東大寺、醍醐寺の木像仏2体国宝に 文化審が答申

東大寺、醍醐寺の木像仏2体国宝に 文化審が答申

文化審議会は3月13日、国宝に東大寺(奈良市)の「木像弥勒仏坐像」と醍醐寺(京都市)の「木造虚空蔵菩薩立像」を指定するよう下村博文文部科学相に答申した。1935年に法隆寺金堂(奈良市斑鳩町)の壁画を撮影した写真原板や、中世の村上水軍が発給した海上通行証「過所船旗」など美術工芸品39件の重要文化財指定も求めた。近く答申通り指定され、美術工芸品の重要文化財は1万612件(うち国宝874件)となる。

彦根城 豊臣家との戦いに備え他城の部材を再利用

彦根城  豊臣家との戦いに備え他城の部材を再利用

滋賀県彦根市教育委員会は3月12日までに、徳川家重臣だった井伊家の彦根城(彦根市)は、約2㌔離れた佐和山城の石垣や瓦を再利用していたことが分かったと発表した。他城の部材を使ったのは、関ヶ原の戦いの後、徳川家側が豊臣家との戦いに備えて、築城を急いだためと考えられ、中井均滋賀県立大学教授(城郭史)は「当時の緊張感が伝わる発見」と話している。

彦根城は徳川家が1604年、諸大名に命じて築城を始めた。佐和山、安土などの各城の部材を再利用したことは、江戸時代の文献に記されているが、遺物で裏付けられるのは初めてという。佐和山城は豊臣方の石田三成の居城として知られるが、関ヶ原の戦い後は井伊家などが城主となった。

スマトラ島沖地震被災のアチェ州の大学長が講演

スマトラ島沖地震被災のアチェ州の大学長が講演

2004年のスマトラ沖地震で被災したインドネシア・アチェ州から、国立シャークアラ大学のサムスル・リザル学長(52)が訪日し、3月14日に開幕する国連防災世界会議で講演する。リザル氏は14日に仙台市の東北大学川内北キャンパスで開かれるシンポジウムなどに参加し、アチェの教訓を披露するとともに、発展途上国の防災の質を向上させるために、大学の共同研究の推進を呼び掛ける予定だ。リザル氏は1995~2001年に日本に留学し、工学の博士号を取得している。