文化庁は11月29日、極彩色壁画の発見から30年を迎え、史跡整備に向けた作業が進む奈良明日香村のキトラ古墳(7世紀末~8世紀初め)で、石室付近を埋め戻す様子を公開した。振動を与えないよう重機は使わず、職人が木づちや突き棒で石灰入りの土を厚さ8㌢ずつ突き固める作業を繰り返していた。高さ2.1㍍までを約15立方㍍の土で埋め戻す予定。文化庁によると、今後、古墳を覆っている仮設の保護施設を撤去し、2016年度に墳丘の一部を再現する予定。壁画は保存処理を終えた後、明日香村の国営飛鳥歴史公園内に完成予定の施設で公開する。
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14年2月に奈良で茶人・村田珠光に因む「第1回珠光会」
40万年前の人骨から人類最古のDNAを抽出 独チーム
独マックスプランク研究所などのチームは、スペイン洞窟で発見された古い人骨からDNAを取り出し、遺伝子情報を解読することに成功したと、12月5日の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。分析の結果、約40万年前の人類と分かった。DNA分析はこれまで、猿人から原人、旧人、現代人へという進化段階のうち求人の段階にとどまっていたが、今回は原人の時代(200万~30万年前)まで遡り、最古の例になるという。
洞窟からは28体分の骨が見つかった。欧州最古の人類で、原人と旧人の中間にあたるハイデルベルク人とみられる。研究チームは保存状態のよい大腿骨から、細胞内の小器官「ミトコンドリア」のDNAを取り出して解読した。これを旧人である欧州のネアンデルタール人(20万~3万年前)とシベリアのデニソワ人(5万~3万年前)のDNAと比較。長い年月の間に生じた変化の量などから洞窟の人類は約40万年前のものと断定した。この人類が」デニソワ人の祖先と70万年前に枝分かれしたことも分かった。