「アジア-国際交流」カテゴリーアーカイブ

岸田首相 ASEAN支援の枠組み創設を表明 OECDと連携

岸田文雄首相は5月2日、経済協力開発機構(OECD)と連携し、東南アジア諸国連合(ASEAN)の成長を支援する枠組みを立ち上げると表明した。今後3年間で800万ユーロ(約14億円)規模の資金を拠出することを明らかにした。「日本OECD・ASEANパートナーシップ・プログラム」を立ち上げる。民間投資やデジタル分野などの分野で、OECDの専門家の派遣、調査・分析、研修などを実施する。

G7 脱石炭火力「30年代前半」段階的廃止, 蓄電容量6.5倍に

主要7カ国(G7)は4月29、30の両日、イタリア・トリノで開いた気候・エネルギー・環境相会合で脱炭素策を協議し、共同声明を取りまとめ閉幕した。二酸化炭素(CO2)排出削減対策を取らない石炭火力発電を「2030年代前半」に段階的に廃止し、再生可能エネルギーの拡大に欠かせない蓄電容量を2030年に2022年比で6.5倍に増やすことで合意した。また、石炭火力発電の廃止時期については各国の取り組み状況を踏まえ、一律ではなく「各国の温暖化ガス排出量をゼロにする目標に向けた道筋に沿った時間軸」の表現も盛り込んだ。

日本 ラオスの道路維持管理、再整備に15億円を無償供与

日本政府は令和5年の大雨・洪水の影響で著しく損傷したラオスの交通インフラ、道路維持管理および再整備用の道路補修関連機材調達用の15億円を無償供与する。タイ、ベトナムおよびラオスを結ぶ経済回廊、国道8号線の中部地域の迅速な復旧のため、橋梁点検車、ダンプトラック、ロードスタビライザー等を供与する。

「水の都」ベネチア 観光客から1日5ユーロ徴収 試験導入

世界的に「水の都」として知られる観光地、イタリアのベネチアで4月25日、増え過ぎている観光客数を抑制するため、日帰りの観光客から1日5ユーロ(約830円)を徴収する制度が試験的に導入された。対象となるのはベネチア本島の旧市街を訪れる観光客。適用時間は8時30分〜16時。市内の宿泊客や14歳未満は免除される。実施期間は混雑が予想される連休など7月までの計29日間。2023年にベネチアをを訪れた観光客は約2,000万人に上っている。

EU 日本との戦略的協定採択 欧州側の発効手続き完了

欧州連合(EU])の加盟国で構成する理事会は4月22日、法の支配や自由で公正な貿易などでの日本とEUの協力を掲げる戦略的パートナーシップ協定(SPA)の締結を採択した。これでこの協定に向けたEU側の手続きが完了した。
これにより日本とEUはSPAを通じ、世界貿易機関(WTO)のルールに基づいた多国間貿易を守り、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」や国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の実施で協力する。

1〜3月旅行消費1兆7,505億円 四半期で過去最高

観光庁が4月17日発表した2024年1〜3月の旅行消費額は1兆7,505億円(速報値)で、四半期ベースで過去最高となった。円安や物価上昇などの影響で伸びた。1人当たりの旅行支出は2019年1〜3月に比べ41.6%増の20万8,760円だった。
目的別でみると、最も多かったのは宿泊費で5,619億円だった。訪日旅行消費の構成比を目的別でみると、宿泊費は2019年1〜3月の28.6%から2024年1〜3月は32.1%に上昇し、買い物代は35.9%29.2%に低下している。2010年代にみられた中国人観光客ののような”爆買い”よりも、サービスを中心とする消費へ比重が移っている。

3月の訪日客初の300万人突破 円安の追い風受け過去最高

日本政府観光局(JNTO)の推計によると、円安の追い風を受け3月の訪日外国人客数は308万1,600人で新型コロナウイルス流行前の2019年3月を11.6%上回った。この結果、最も多かった2019年7月(299万1,189人)を超え、初めて300万人を突破した。イースター休暇や桜の開花シーズンを迎えた日本を訪れる外国人客が多かった。
国・地域別にみると、首位は韓国の66万3,100人で2019年3月比で13.2%増となった。次いで台湾が同20.4%増の48万4,400人、3位の中国は45万2,400人にとどまり同34.6%減となった。主要23カ国・地域のうち韓国やシンガポール、インド、オーストラリアなど17カ国・地域からの訪日客は3月として過去最多となった。

25年万博 米国がパビリオン起工式 5月の連休明けに着工

米国は4月17日、2025年大阪・関西万博に出展するパビリオンの起工式を会場となる夢洲で開いた。同式には米国のエマニュエル駐日大使はじめ、同万博の羽田浩二日本代表ほか大阪府の吉村洋文知事、大阪市の横山英幸市長らが出席した。
同国のパビリオンのテーマは「Imagine What We Can Create Together(共に創出できることを想像しよう)」。日本の「わび」「さび」に着想を得た木造の外観を持つ三角形の建物2棟や、米国の名所を映し出すスクリーンなどで構成される。5月の大型連休明けに着工し、10月までに主要な構造体の工事を終えたい考え。

日本 ブータンの王立感染症センターに7.58億円追加贈与

日本政府はブータンの「王立感染症センター建設計画」に7億5,800万円「を無償資金協力(追加贈与)する。日本政府は2022年4月、同案件に29億9,400万円を限度とする無償資金を提供したものの、物価高騰等の影響により資金が不足したことから、今回追加支援するもの。この結果、同案件に対する支援限度額は37億5,200万円となる。
ブータンは保健・医療体制が脆弱で、同国唯一の感染症専門病院のギダコム国立感染症病院は、建設から50年以上経過し建物や設備が老朽化しているほか、診断や治療に必要な医療器材が不足しているため、新型コロナウイルスや結核などの感染症に対して、十分に対応できていない。この問題を解決するため、新たにブータンに保健省直轄の感染症専門病院として王立感染症センターを建設し、医療器材を整備する。

25年万博 シンガポールパビリオン モチーフは”赤い球体”

2025年大阪・関西万博に出展するシンガポールが4月15日、パビリオンのコンセプトを発表した。シンガポールは地図で赤道近くに丸い点で記されることが多いことにちなんで、”赤い球体”をモチーフとした。パビリオンの外観には直径およそ18mの赤い球体を設置している。リサイクルされたアルミ製のディスク2万枚以上を組み合わせて球体を形づくるほか、屋上では太陽光発電で行い館内の電力を賄うなど、環境に配慮した設計にしているという。
シンガポールはパビリオンの出展参加国の中で最も早く、今年1月にパビリオンの建設工事に着手。今年10月には主な建物の工事を終える予定。