アゼルバイジャンの首都バクーで開催中のCOP29(国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議)で11月12日、首脳級会合に出席した英国のスターマー首相は記者会見し、「2030年までに温室効果ガス排出を1990年比で少なくとも81%削減する」との新たな目標を明らかにした。主要国としては、最も踏み込んだ削減目標として注目される。
英国は再生可能エネルギー容量を増やしており、今秋には先進国として初めて石炭火力発電所を全廃した。
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COP29開幕 脱炭素へ国際協調に”暗雲” 米政権交代で見通せず
国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29 )は11月11日、アゼルバイジャンの首都バクーで開幕した。国連環境計画(UNEP)によると、2023年のCO2排出量は前年比1.3%増の571億トンと過去最高を記録した。
開会式で議長に選出されたアゼルバイジャンのムフタル・ババエフ環境・天然資源相は、「気候変動により我々は滅亡への途上にある」と強い危機感を表明。各国が2025年2月までに国連に提出する2035年までの削減目標について「世界の温暖化対策を軌道に乗せる最後のチャンスだ」とし、目標の引き上げを要請した。
また主要議題に、途上国の温暖化対策支援として先進国が拠出する「気候資金の」の上積みも挙がっている。しかし、世界2位の排出国・米国で政権交代があり、復帰するトランプ次期大統領は、大統領選中パリ協定からの再離脱を主張。現在のバイデン政権が約束した資金拠出を撤回する方針を明らかにしている。これにより、世界の気候変動対策の見通しは不透明感を増している。
COP29は22日までの会期中、190を超える国や地域の代表らが温暖化対策を話し合う。